
世界の95人に1人、全世界人口の1%は故郷を追われています
紛争や迫害が原因で家を追われた人の数は、過去最多
2020年は8240万人が、紛争や迫害などが原因で家を追われました。 そのうち、難民は約2640万人(うちUNHCRの支援対象者は2070万人、UNRWA*支援対象者は570万人)、ベネズエラ国外に逃れた人は390万人、国内避難民は約4800万人、庇護希望者は約410万人います。 ※UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)は、パレスチナ難民の支援を担当しているUNHCRとは別組織の国連機関です。
数字で知る難民・国内避難民の情勢
(※2020年末時点)
-
100万人 の子どもが難民として生まれている
2018年-2020年の間で難民として生まれた子どもの数は、年間平均で29万から34万人、3年で約100万人の子どもが難民として生まれている。
-
86%は
途上国に避難発展途上国が受け入れている世界の難民の比率。難民の8割以上が発展途上国へと避難している。
-
42%
世界の故郷を強制的に追われた避難民人口のうちの、子どもの比率。
-
73%は
近隣諸国へと避難先進国へと避難できた難民は、全体のたった27%。多くは、トルコやコロンビア、パキスタンなどの近隣諸国へと避難。
-
110万件
の新たな庇護申請多くの避難民はアメリカやドイツ、スペイン、フランスなどで庇護申請を行った。
-
340万人の
帰還民紛争や迫害が原因で避難し、その後母国や住んでいた地域に帰還した人々の数。うち、320万人が国内避難民で25万1000人が難民とされている。
-
3万4400人
2020年に第三国定住ができた難民の数。この数値は過去3番目に低い数値でもあり、昨年度より69%も減少した
-
420万人
の無国籍者
国籍がないため、自国からの保護を受けられない無国籍者の数。実際の数字はもっと多いとされている。
国内避難民
自国の紛争や迫害が原因で家を追われ、国外に出ず国内で避難している人々。国内避難民の数は年々増加傾向にあり、2020年度の世界の国内避難民の総数は、これまでで最多の4800万人にものぼります。世界の国内避難民は、世界で故郷を強制的に追われた人口の大多数を占めているのです。紛争や暴力行為、新型コロナウイルスの世界的流行や、自然災害、気候変動などにより、多くの地域で国内避難民が生まれています。南米コロンビアでは約830万人が国内で避難を強いられており、この数値は昨年に引き続き世界最多になります。また内戦勃発から10年目を迎えたシリアではいまだ、670万人以上が国内避難を強いられているほか、エチオピアではティグレ地域で発生した武装勢力間の衝突により、国内避難民が急増しています。
なお、都市部での避難を強いられている国内避難民の数は、都市部ではない地域に住む国内避難民の数の約2倍とされています。。また、2030年持続可能な開発目標(SDGs)の公約「誰一人取り残さない」では、国内避難民を経済発展計画に取り込むことが目標とされています。
無国籍者
各政府が集計しているデータとUNHCRに報告された無国籍者数は約420万人となりました。しかし、無国籍者のデータを報告している国は94か国のみであるため、UNHCRは実際にはさらに多くの無国籍者がいると推計しています。
帰還民
多くの人々が故郷を追われる中、自国や住んでいた地域に帰還できる難民もいます。2020年に自国や住んでいた地域にに帰還できた人は約340万人(難民:25万1000人、国内避難民:320万人)いるとされており、この数値は過去3番目に少ない数値となっております。多くの難民や国内避難民が、自国の情勢不安や必要なサービス、生計を立てるための手段がないことなどを理由に、安全な帰還ができない状況にあります。
そのため、避難生活が長期化する難民も多くいます。またUNHCRは、難民が自身の意思や尊厳に反して、強制帰還されることがないよう取り組んでいます。
第三国定住
避難した国やさらに他の国へ定住できる第三国定住のような選択肢も、難民の未来のための解決策のひとつです。2019年には約10万7700人の難民が第三国定住により新たな生活をスタートしましたが、2020年は新型コロナウイルスなどの影響により、第三国定住ができた難民はわずか3万4400人のみでした(うち3分の2はUNHCRの支援のもとの第三国定住)。この数値は前年度と比較すると69%も減少しています。