
世界の97人に1人、全世界人口の1%は故郷を追われています
紛争や迫害が原因で家を追われた人の数は、過去最多
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2019年は7950万人が、紛争や迫害などが原因で家を追われました。 そのうち、難民は約2600万人(うちUNHCRの支援対象者は2040万人、UNRWA*支援対象者は560万人)、ベネズエラ国外に逃れた人は360万人、国内避難民は約4570万人、庇護申請者は約420万人います。 ※UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)は、パレスチナ難民の支援を担当しているUNHCRとは別組織の国連機関です。
数字で知る難民・国内避難民の情勢
(※2019年末時点)
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40%は
子ども(推定3000~3400万人)
世界で家を追われた7950万人々うち、18歳未満の子どもの比率。
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85%は
途上国に避難発展途上国が受け入れている世界の難民の比率。難民の8割以上が発展途上国へと避難している。
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80%
避難を強いられた人で、栄養失調や食料難で苦しんでいる人々の比率。
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73%は
近隣諸国へと避難先進国へと避難できた難民は、全体のたった27%。多くは、トルコやコロンビア、パキスタンなどの近隣諸国へと避難。
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200万件
の新たな庇護申請多くの難民はアメリカやペルー、ドイツ、フランスなどで庇護申請を行った。
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560万人の
帰還民紛争や迫害が原因で避難し、その後母国や住んでいた地域に帰還した人々の数。
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10万7800人
26か国において、第三国定住ができた人々の数。世界の難民の総数と比較すると、いかに少ないかがわかる。
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420万人
の無国籍者
国籍がないため、自国からの保護を受けられない無国籍者の数。実際の数字はもっと多いとされている。
この10年における難民・国内避難民の情勢
(※2010~2019年時点)
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1億人
この10年で避難を強いられた人の総数。
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2倍
この10年における避難者数の増加率。2010年で避難を強いられた人の数は4100万人に対し、現在この数は2倍に増えている。
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40万人
この10年で避難中に親とはぐれ、庇護申請を行った子どもの人数。
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7900万人
この10年における新たな国内避難民の総数。
国内避難民
自国の紛争や迫害が原因で家を追われ、国外に出ず国内で避難している人々。国内避難民の数は年々増加傾向にあり、2019年度の世界の国内避難民の総数は、これまでで最多の4570万人にものぼります。約800万人が国内で避難を強いられた南米コロンビアが引き続き最多を記録した他、戦闘や複数の自然災害に襲われたイエメンの国内避難民の数が増加しています。
なお国内避難民の約3分の2は、都市部での避難を強いられています。また、2030年持続可能な開発目標(SDGs)の公約「誰一人取り残さない」では、国内避難民を経済発展計画に取り込むことが目標とされています。
無国籍者
各政府が集計しているデータとUNHCRに報告された無国籍者数は約420万人となりました。しかし、無国籍者のデータを報告している国は世界の半分にも満たず、UNHCRはさらに多くの無国籍者がいると推計しています。
帰還民
多くの人々が故郷を追われる中、自国や住んでいた地域に帰還できる難民もいます。しかし、2019年に国内外から帰還した人は約560万人(難民:約31万7300人、国内避難民:約530万人)で、避難を強いられる人の数の著しい増加に、帰還民の数が追いついていない状況が続いています。
1990年代には毎年平均約150万人の難民が帰還を果たしていた事実と比較すると、国外に逃れた難民の帰還はさらに困難なものになっています。また自国の状況によっては安全な帰還ができないため、避難生活が長期化する難民も多くいます。またUNHCRは、難民が自身の意思や尊厳に反して、強制帰還されることがないよう取り組んでいます。
第三国定住
避難した国やさらに他の国へ定住できる第三国定住のような選択肢も、難民の未来のための解決策のひとつです。2019年には約6万3696人の難民がUNHCRの支援のもと、第三国定住により新たな生活をスタートしました(UNHCRの支援以外も含めると約10万7800人)。しかしこの数値は、全世界の難民の5%にも満たないのです。