「人生を保留にして、思い出の中で生きることはできません」避難先で新しい生活を始めたウクライナ女性

ハルキウでの絶え間ない砲撃から逃れ、ウクライナ西部リウネ地域で安らぎを見つけたテチアナさんは、村の議会での仕事を通じて、避難を強いられる他の人々が新しいコミュニティに溶け込めるよう手助けしています

公開日 : 2024-02-14

ウクライナ、2024年2月1日 ― いかにも作業中といった様子の建設現場。打ち付けの壁の間にあるむき出しのコンクリートの床には建築資材や工具が広げられ、通りに面した窓のない開放的な隙間から冷たい空気が吹き込んできます。

しかし、テチアナさん(42歳)にはこの場所に対する明確なビジョンがあります。建設と改修が終われば、リウネ地域のこの地区で最初の青少年センターとなり、戦争のためにウクライナ全土から避難してきた子どもたちや若者たちを集めることになるのです。

「私は自分の経験から、国内避難民、特に子どもたちが何を必要としているか知っています。彼らには社会生活が必要です。そして、ここではすぐにそれを見つけることができます」と彼女は語ります。

戦火から逃れて

2年前、テチアナさんは自分がここにいるとは想像もしていなかったでしょう。彼女は900キロ離れたハルキウで家族と暮らし、弁護士として働いていました。2022年2月、ロシアのウクライナ戦争が激化し始めると、すべてが大きく変わり、テチアナさんはここに留まることは不可能だと悟りました。

「戦争が始まって間もないころは、地下室に住むか、廊下の床で夜を過ごすしかありませんでした。砲撃は絶え間なかったのです」と、1週間後に家族が街からの避難を強いられた状況を回想しながら、彼女は説明します。

「すぐに決断しました。その15分後、私たちは書類と猫だけを携えてハルキウを出発しました。」

最初の数か月間、彼女たちはハルキウ地域に留まり、すべてのプラス面とマイナス面を検討しました。ハルキウ地域ではオンライン学習しかできないことを理解した彼女たちは、息子が物理的に学校に通えるようにするため、西へ行くことを決意しました。

国内避難民としての再出発

同僚から彼の故郷であるリウネ地域のスミーハの話を聞き、テチアナさんと家族はここにたどり着きました。そこは“夜、きちんと眠れる”場所でした。この村には約7000人が住んでおり、現在120人の国内避難民を受け入れています。

地元の図書館は社交場となっており、大人でも子どもでも、地元の人々と国内避難民の交流の場となっています、と村の図書館長のイリーナ・ポリオヴァさんは説明します。本格的な侵攻が始まった頃、多くの国内避難民の家族が到着した時、図書館は人道支援物資を配給する拠点であると同時に、人々がつながり、活動するためのスペースへと変貌を遂げました。

スペースの様子
スペースの様子

「私たちはこのような避難状況を経験したことがありませんでしたが、人々に安全で快適だと感じてほしかったのです」とイリーナさんは語ります。

「スミーハのように家と家の間の距離がかなり離れている場所では、新しいコミュニティに溶け込むことは非常に困難です。だからこそ、人々が出会い、つながるためのスペースがとても重要です。」

地元コミュニティへの貢献

テチアナさんはすぐにこの地元コミュニティの温かさに感銘を受け、ボランティアとして関わり始めました。それがきっかけで、地元コミュニティの国内避難民協議会の代表を務めることになり、村議会のプロジェクト・マネージャーの仕事が空いた時、テチアナさんは応募してその職を手に入れました。

「私は自分の人生を進む必要があると悟りました。人生を保留にして思い出の中で生きることはできないから、仕事を得て社会活動に参加できるのはとても嬉しかったです。私たちは多くの援助とサポートを受けました。私はこのコミュニティに何かを還元したいのです」と彼女は説明します。

そして今、彼女はその恩を返し、2024年1月に公式オープンしたユース(若者)スペースの設立と運営に同僚たちと取り組んでいます。さまざまな活動やイベントを主催し、若い起業家のためのワーキング・エリアとして機能し、青年協議会を備えた地域センターへと発展していく予定です。

「このような状況になったのは残念ですが、今はここにも友人がいますし、戦争が終わったらぜひ彼らにハルキウへ遊びに来てほしいです。今のところ私たちはここで平和を築いていますが、故郷は故郷です」とテチアナさんは言います。

テチアナさんやスミーハの村の国内避難民は、UNHCRの現地NGOパートナー団体であるCFロカダの援助を受けています。CFロカダは必要不可欠な援助物資を配布、心理社会的サポートを提供し、子どもから大人までを対象とした研修やグループ活動を継続的に開催しています。

Marta Kocherha and Elisabeth Haslund, UNHCR

原文はこちら(英文)
“You can’t put life on hold and live in your memories”

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