アフリカ東部の洪水について、ケニアのダダーブ事務所長ウィリアム・エジャルとのQ&A

公開日 : 2024-05-13

ナイロビ(ケニア)2024年5月3日 ― 今年3~4月、ケニアはエルニーニョ現象*によって例年以上の豪雨と大洪水に見舞われました。これにより、ケニアのダダーブ難民キャンプの難民に苦難と激変がもたらされました。
* 太平洋熱帯域にて発達する暖かい海流が関与している、海面水温低下による気候変動現象。今年3~4月にかけて、ケニアを含むアフリカの角、アフリカ東部では豪雨によって大きな被害が出ている

ウィリアム・エジャル ダダーブ事務所長は、ガリッサ郡にあるダダーブ事務所の責任者です。洪水に対するUNHCRの対応について質問に答えます。

Q: 4月から5月初旬にかけてのダダーブ難民キャンプの状況を説明してもらえますか?

A: ガリッサ郡は長引く降雨で大きな打撃を受けており、難民キャンプ群全体が洪水に見舞われています。2万人以上の人々が自宅や仮設住居から避難したと私たちは推定しています。こういった家族の多くは、安全を求めて近くの学校や、高台に住む友人、親戚の家に逃れています。

Q: UNHCRは難民に対し、どのような援助をしていますか?

A: UNHCRはキャンプの全住民をサポート、保護し、援助を提供しています。地元政府や様々なパートナー団体と緊密に協力し、キャンプの住民のニーズを把握して対応しています。

活動の詳細は次のようになっています。

保護対応:UNHCRとパートナー団体は、難民の保護リスクを監視しています。つまり私たちは、難民の家族がどのような脆弱性に直面しているのか、そしてどのように援助するのがベストなのかを理解するために、難民の家族と話をしています。これには障がい者や高齢者も含まれます。また、UNHCRは難民が心配事を相談できるよう、キャンプ内のヘルプデスクへのアクセスを増加しました。

救援物資:豪雨が悪化する中、UNHCRはダダーブの倉庫にある救援物資の在庫1万点を手配しました。マット、毛布、蚊帳、給水容器、浄水器、石けん、調理器具セットといったものです。そして、これらの物資を最も必要としている家族や個人に配布し始めました。

水、衛生、衛生設備:UNHCRはピースウィンズ・ジャパンという団体と協力し、難民に安全な飲み水を確保するため、トイレの消毒や浄水器の配布を実施しています。

シェルター:7つの学校が多くの難民の安全な避難所となっています。彼らの自宅が水没したためです。

コミュニケーション:メッセージや緊急情報をキャンプにいる難民と共有することは、私たちの対応に絶対に欠かせません。UNHCRはSMS(携帯電話等のショートメッセージサービス)の一括配信や、コミュニティのメンバーとの1対1の対話セッション等に取り組んでいます。私たちは、洪水への安全性、援助、学校の再開スケジュール等に関する重要なカギとなるメッセージを展開しています。

生計:洪水被害はサプライチェーン*を寸断し、商品の大幅な値上がりをもたらしました。こうした課題に対処するため、UNHCRはモニタリングと援助を継続していくつもりです。
* 原材料の調達から生産、流通、販売等によって人々にモノやサービスが届けられる一連の流れ

Q: UNHCRは病気の蔓延や健康被害を懸念していますか?

A: 洪水に襲われると、病気の発生が懸念されます。UNHCRとパートナー団体は、水、衛生、衛生施設の被害状況を調査しており、洪水が収まり次第、復旧作業を開始しています。

蚊帳、浄水器、石けんは、各家庭に配られる救援物資の中核をなすものです。コレラが発生した場合に備え、様々な場所に隔離センターが設置されています。

UNHCRは、保健衛生関連のパートナー団体と共に、ダダーブで緊急搬送用の救急車を待機させ、重篤な医療搬送には航空救急サービスを利用できるようにしています。

Q: 洪水や干ばつ等に対して、どのような準備をしていますか?

A: 残念ながら、ガリッサ郡では異常気象が予想されます。洪水が発生する前に、UNHCRとパートナー団体は難民コミュニティに洪水と保健を守るためのメッセージを伝え、人々が緊急輸送を利用できるように、キャンプ全体に救急車を手配しました。

UNHCRは、ダダーブの郡政府および様々なパートナー団体と協力し、緊急対応計画を策定しています。このような事前計画があるからこそ、今回の洪水への対応が迅速に実施されたのです。

これは、洪水と干ばつがもたらす長期的な課題に取り組み、ガリッサ郡の難民と受け入れコミュニティの将来のリスクと脆弱性を最小化するのに役立つ、持続可能な解決策を考え出すことを意味します。私たちが取り組んでいる活動には、水源管理、土地利用計画、気候変動に強いインフラ開発等があげられます。

Q: 難民と受け入れコミュニティの回復力を高めるために、私たちにさらにできることは何でしょうか?

A: 前進することです。私たちは差し迫った洪水や干ばつをタイムリーに警告し、コミュニティが避難できるようにする早期警報システムといった他のメカニズムも検討しています。

洪水防止堤防、貯水施設、灌漑システム等の強靭なインフラを構築することは、水資源が過不足な際、効果的に水資源を管理するためにも役立ちます。

避難手順、応急手当、節水の方法等、災害へ備えるための訓練を難民や受け入れコミュニティに提供することで、自然災害への対処能力や自然災害からの復旧能力を高めることができます。

農業研修、小規模ビジネスへの融資支援、収入創出のための代替活動等の取り組みを通じて生計の多様化を促すことで、天水農業への依存を減らし、干ばつによる食料安全保障への影響を軽減することが可能となります。

Q: ケニアでは、気候変動は難民にどのような影響を及ぼしていますか?

A: 気候変動は異常気象を引き起こし続けており、残念ながら、ケニアをはじめとするこの地域の国々はその矢面に立たされています。私たちは極端な干ばつ、そして大雨・洪水と闘っています。これは、ここガリッサ郡の難民と受け入れコミュニティのグループに大きな影響を与えています - 資源が枯渇することによる対立、生計手段の喪失による貧困の増大、さらには洪水による避難につながる可能性もあるのです。

Kathryn Porteous

原文はこちら(英文)
Q & A on flooding with William Ejalu, Head of Sub-Office, Dadaab


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