スーダンの日常に戻りたいと熱望するBTSファンの学生

イスラム・ムバラクさんはスーダンの戦争によって、ハルツームでの生活から避難を強いられました。今、彼女はスーダン東部の国内避難民キャンプにとどまらざるを得ない状況です

公開日 : 2024-01-31

2023年4月、ハルツームで対立する2つの軍派閥間の戦闘が勃発するわずか数日前、イスラム・ムバラクさん(21歳)は祖母を訪ね、スーダンの首都からガダーレフ州に向かいました。それから8か月が経った今も、彼女はそこで“立ち往生”しています。

ガダーレフ(スーダン)2024年1月26日 ― 「今、未来は見えないもの、表現できないものです。未来は消え去ったのです」と彼女は語りました。「でも、以前尋ねられていたら、未来がどうなるか、応えられたでしょう。学業を終え、韓国に行ってBTSに会うのだと。」

世界中の多くの若者たちのように、イスラムさんも友人から教えてもらった後、この韓国出身の7人組人気ボーイズ・バンドに夢中になりました。

「彼女の名前はトウェイバ。彼女はBTSが大好きでした…彼女はBTSのTシャツを着て、彼らのスタイルを真似ていたものです。私は“これは何?おかしくなったの?”といった感じでした。」

Google検索して、彼女はこのバンドのストーリー、そして彼らの曲のテーマが彼女と共鳴していることに気づきました。

動画:スーダン国内避難民の学生とBTSの共通点とは?

「彼らもまた、有名になるまで苦難の道を歩んできたのだから、ささやかながら、私の人生と比較することができます」と彼女は言いました。「彼らは努力して英語を話せるようになりました。これは私と彼らを結びつけるものです。」

戦争の前、イスラムさんはスーダン大学で英文学を学び、香水店でアルバイトをしていました。4月上旬に母親とガダーレフに行くため、雇用主はラマダン期間中の1週間、休暇を与えました。

「私たちは4月13日の木曜日にやって来ました。そして土曜日に、苦難が始まったのです」と彼女は語りました。「母と一緒(にいること)になるなんて思ってもみませんでした。だからたくさんの人々に別れを告げませんでした。私は彼らに行くことを告げなかったのです。」

避難前のイスラムさん
携帯電話のケースにあるBTSの写真とポーズをとるイスラムさん

今では友人たちの携帯電話の電源は切られ、大好きなBTSのメンバー、ジョングクをSNSでフォローすることもできなくなった、と彼女は語りました。「ハルツームでの生活は素晴らしかったです…でも、ガダーレフは私の知らない場所です。私が生活していなかった環境なのです」と彼女は言いました。

「これは夢で、明日目が覚めたら家にいて、急いで大学に行く準備をするんだ、とずっと感じています。」

イスラムさんは、スーダンの紛争によって故郷を追われた700万人以上の人々のうち一人です。その多くは、愛する人々を失い悲しみに暮れ、離ればなれになった家族を探しています。

日常の生活を根こそぎ奪われ、大多数は国中の避難キャンプに散らばり、援助と、同じようにこの危機の影響を受けている仲間のスーダン人の寛大さに頼っています。100万人以上が近隣諸国に逃れ、難民キャンプや国境近くの仮設住宅に滞在しています。

「ここ(の人々)の状況は非常に厳しいです。筆舌に尽くしがたいです」と、現在祖母と暮らすウムラクバのキャンプについて彼女は語りました。「かつてハルツームでは夜8時から出かけ、夜中の1時に戻って来ることができました。また、仕事に行って夜11時に帰宅していました。ここでは、家を離れられません…。」

深刻な状況

平和的解決への道は遠く、スーダンの紛争は激化しており、最近のアルジャジーラ州での戦闘では、さらに数十万人が家を追われています。今、暴力行為は州都ワドメダニにまで及び、紛争勃発時にハルツームから逃れてきた難民7000人を含む、避難を強いられた50万人以上を受け入れています。ガダーレフ州には、1度または2度目の避難を余儀なくされた人々の多くが到着しています。

UNHCRは最近の声明で、スーダンの人道的状況は悲惨であるとし、戦闘がさらに他の地域に拡大する可能性があると懸念を表明しました。

イスラムさんは今、アライトという団体が運営する地元の女性センターでボランティアをしています。「女性たちが集まり、ジェンダーに基づく暴力(GBV: gender-based violence)といった自分たちの生活に影響を及ぼす問題や、互いに支え合う方法について話し合っています」と彼女は語りました。「この人たちは私にとても親切にしてくれました。だから私も手助けします。」

イスラムさんは希望を持ち続けています。戦争は終わり、彼女がハルツームに戻って学業を続け“かつての生活に戻れる”ことを。

「ジョングクに会って一緒に写真を撮りたいです。物事はきっと良い方向に向かうと信じていますし、ハルツームに戻るまで、もう少し待つことができます。」

Omer Elnaiem
Additional reporting by Moulid Hujale in Nairobi, Kenya

原文はこちら(英文)
BTS-obsessed student yearns for return to normality in Sudan


スーダンに支援を!

2023年4月にスーダンで勃発した紛争により、数百万人が国内外で避難を強いられ、スーダン全土で多くの人々が緊急性の高い食料不安に陥る事態となっています。今回の戦闘から逃れてきた人々、そして彼らを受け入れる地域に援助を提供するため、どうぞ、今すぐご支援ください。

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