あなたのご支援に、ありがとう!
公開日 : 2023-09-26
「資金不足で、2023年は教育支援が縮小された」「教室が足りず、難民の子どもたちが外で授業を受けている」―。
家を追われた人が1億1000万人を超えた今、世界の難民支援の現場は慢性的な資金不足にあり、教育プロジェクトが深刻な影響を受けています。何よりも、その影響を直接受けているのは、家を追われ教育の機会を失っている子どもたちです。そこで当協会より、世界の難民に対する教育支援のお願いをお送りしたところ、大変多くのご支援をお寄せいただきました。
また、今年2月のトルコ・シリア大地震で被災した人々への援助活動に対しても、地震の発生直後から多くのご支援と温かいメッセージが届いています。
ご協力いただいたお一人おひとりに、職員一同、心より感謝申し上げます。
今回は、皆様への感謝の思いをこめて、世界各地でUNHCRが実施している教育支援や、トルコ・シリア大地震の被災者支援についてご報告いたします。

「私たちの新しい生活、新しい教室」
紛争による長く度重なる避難生活を経て、人々がアフガニスタン北東部のバダフシャーン州の村に帰ってきました。
UNHCRは、道路や給水施設などのインフラ整備、家屋の再建、生計支援などを行うとともに、子どもたちがより広いスペースで勉強できるよう、学校にプレハブの教室を2棟設置しました。
現在、この村には避難先から100世帯以上が戻ってきており、生活の再建が始まっています。

「この三輪車が、僕の足になる」
ナイジェリアからニジェールに避難しているイブラヒムくん(10歳)は、足に障がいがあり自分で歩くことができませんが、学校に行くことを決してあきらめていませんでした。
そしてついに、UNHCRの教育プログラムの一環で三輪車を受け取った彼は、学校へ行くことが可能になったのです。この地域では、彼のように障がいのある7歳から12歳の子どもたちへの速習学習や識字教育も始まり、193人が教育を受けられるようになりました。子どもたちは学校へ継続して通い、熱意をもって勉強しています。

UNHCRが支えた、難民キャンプの小学校から大学卒業までの道のり
ケニア・カクマ難民キャンプに設置された「アンジェリーナ・ジョリー学校」で勉強したデリーンさん(23歳・写真右)。高校を卒業すると、UNHCRの高等教育への奨学金制度により、大学でジャーナリズムを勉強することができました。
大学を卒業したデリーンさんは今、難民キャンプへ戻って様々な支援プロジェクトに携わり、難民キャンプで暮らす人々のために活動しています。「どんな困難が立ちはだかっても、私は忍耐する力と、より良い未来に向け努力することが重要だと信じています」。

小学校に通えることが自信に
ソマリアからイエメンに避難しているアミラさん(9歳・ピンクの服の少女)は小学校2年生。耳の感染症を患い、長期的な影響を防ぐために治療が必要です。
紛争に苦しむイエメンでは、避難を強いられている子どもや障がいのある子どもなど、200万人以上が学校に通っていません。UNHCRは、イエメンの小学校に登録されている難民の子どもたちに「教育キット」を配布し、学校へ通えるよう支援し、学校の修復なども実施しています。アミラさんにとって、厳しい状況にもかかわらず小学校に通えていることは、大きな自信になっています。

子どもたちが安全に学べる場所を
ホンジュラスでは、犯罪組織や武装組織等による暴力等により多くの人々が避難を強いられている一方、近隣国から避難してくる様々な国籍の人々がいます。
UNHCRはパートナー団体と連携してコミュニティセンターを設置し、避難している子どもや若者へ様々なサービスを提供。彼らにとって、治安の不安定な地域で唯一ともいえる安全な場所となっています。友達と一緒に安心して勉強したり遊んだりでき、心のケアを受けたり、児童労働や暴力から守る役割も果たしています。

大地震で再び家を失って
シリア出身のシャムセーさんと家族が最初に家から避難したのは、3年前、紛争から逃れるためでした。シリア北西部の町で避難生活を送っていた一家でしたが、2023年2月に起こった大地震のため、再び家を追われてしまいました。
シャムセーさんは、夫と4人の子どもたちと共にアレッポの国内避難民のための避難場所に逃れ、UNHCRから緊急用テントを受け取ることができました。
UNHCRはシリアで、被災した約53,000人へ緊急用テントを提供しています。
UNHCRによる緊急援助物資の提供

家を失った人々への現金給付
シリアでは、大地震により約880万人が影響を受けましたが、アレッポに暮らすオマールさん(60歳・右から2番目の男性)も家屋が被害を受けました。被災して2か月後の4月、UNHCRから現金給付支援を受け取ることができました。
UNHCRは、シリアの地震で家が破壊された1851世帯に現金給付を行うとともに(2023年7月現在)、集合シェルターの補修や発電機の提供、心のケアや教育支援など、多岐にわたる支援を行っています。
あなたのご支援が、今日も世界のどこかで誰かを支えています。
皆様からのかけがえのないご協力に、改めて感謝申し上げます。
どうぞこれからも、UNHCRと一緒に、家を追われた人々を守り、支えてくださいますよう、心よりお願い申し上げます。