致命的な地震で悲嘆と貧困にあえぐアフガニスタンの人々

ヘラート州のひとつの村では数百人の命が失われ、家々が破壊された後、UNHCRは生存者への援助を急ぐと共に、冬の到来に向けてさらなる支援が早急に必要と警告

公開日 : 2023-10-17

アフガニスタン西部のヘラート州の不毛の大地で300世帯が暮らしていた、人里離れた集落シア・アブ村に残るのは瓦礫の山だけです。残っているのは、今は廃墟と化した家々に木陰を提供していた木々のみです。

ヘラート州(アフガニスタン)2023年10月14日 ― 10月7日、マグニチュード6.3の地震がこの地域を襲った時、かつては整然と並んでいた泥レンガ造りの家々が何の前触れもなく倒壊しました。震災は午前11時頃に発生、命を落とした村民200人のほとんどは、家が陥没した際に家の中にいた女性と子どもでした。

犠牲者の中には、1家族の子ども7人とその母親、その他2人の親族が含まれていました。子どもたちの叔父であるザヒールさんと息子のムルタザ君(5歳)は幸運にも命からがら逃げ延びましたが、彼らは生き残った他の村人たちと同様、この悲劇を理解するのに苦心しています。

「甥っ子7人を含む10人の家族を震災で失いました」と、ザヒールさんは信じられないという口調で語りました。彼らは近所に住んでいて、ムルタザの親友でした。私たちはムルタザが見守る中、彼の友人を埋葬しました。」

「私たちはすべてを失いました」
地震の生存者のザヒールさん

これまでのところ、この地震で1000人以上が死亡、数千人が負傷したとされており、この推定はさらに増えるとみられています。ヘラート州では数十万人以上が被災し、多くの人々が家を失い、野宿をしています。今回の悲劇は、この地域に最近戻って来た難民や国内避難民の多くにとって、幾年にもわたる危機や困難に続くものです。

UNHCRと現地のパートナー団体からなるチームは初日から現地に入り、シア・アブやその他の場所で人々のニーズを調査し、テント、毛布、ソーラーランプ、その他の必需品を届けています。また、UNHCRは最も被害の大きかった人々に現金給付支援とカウンセリングを実施、1440万ドルの緊急資金援助を呼びかけ、支援者に冬の到来に向けて援助の強化を訴えています。

女性や女児、子どもや女性が世帯主である家族、高齢者、障がい者等、リスクの高い人々には特別な援助が提供されます。孤児となった子どもたち、保護者と離ればなれになった子どもたちは、UNHCRとパートナー団体から一人ひとりケアを受けることになります。

何も残されていない

ザヒールさんと妻は当初、破壊された自宅の跡地を離れることを躊躇していましたが、最初の地震から4日後に2度目の強い揺れがこの地域を襲った後、救い出せるわずかな所持品を持って逃れました。「たとえ何も残っていなくても、家から離れたくなかったのです」とザヒールさんは説明しました。

夫婦と息子は現在、UNHCRとパートナー団体 - アフガンの女性のための女性たち(WAW)、女性活動・社会サービス協会(WASSA)、アフガニスタンのためのアンサリ・リハビリテーション協会(ARAA)- が、家庭用品や衛生キットと共に村人たちに提供した数十のテントのひとつに住んでいます。テントは村から3キロ離れた何もない土地に建っています。

「私たちはすべてを失いました。今は私たちにはテントしかありません」と、とザヒールさんは将来への不安を込めて語りました。この父親が言うには、息子のムルタザ君は地震が起きてから数日間、口数が少なかったそうです。彼は被災した子ども数百人のうちの一人であり、そのトラウマに対処するための心理社会的なサポートを緊急に必要としています。ムルタザ君が言葉を発すると、今は破壊された自宅に戻り、瓦礫の下で死んだ大好きないとこに会いたいという、実現不可能な願望を口にします。「この地震が終わったら、家に帰ろう。マンスール君が僕を待っている。」

Samand Ibrahimi

原文はこちら(英文)
Afghans left grieving and destitute by deadly earthquake


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アフガニスタンは今回の地震以前から情勢不安や食料危機に苦しみ、多くの人々が避難を知られています。UNHCRは現地で援助活動を継続しています。どうぞUNHCRの援助活動にご協力ください。

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