リビア洪水緊急募金　皆様のご支援ありがとうございます

2023年9月10日、リビア北東部を襲った強力な暴風雨「ダニエル」。死者数千人、数万人が避難を強いられ、病院や学校といった重要な施設が破壊されました。この記録的な自然災害から被災者を迅速に保護するため、UNHCRは緊急支援チームを派遣し、救援活動を開始。そして日本でもリビア洪水緊急募金を開始し、本当にたくさんの皆様がこの支援の輪に加わってくださいました。皆様の温かいご支援、本当にありがとうございます。
今回は、リビア洪水の続報として、皆様のご支援で継続されている救援活動をご紹介します。

被災地の様子、被災地からの声

現地で救援活動を実施しているラナ・G・クサイフィUNHCRリビア職員は被災地の様子を「破壊された道路には周辺の山々から押し流された岩が散乱し、家、学校、病院など、建物全体が完全に流されていました。車から降りると、私の脳裏から消えることのない死臭が漂っていました」と語っています。

「バルコニーから海を見ていたら、突然、恐ろしい音が聞こえ始めました。地震かと思いましたが、床は動いていませんでした。気がつくと、夫と私は強い波に押されてバスルームにいました。
家には何も残っていませんでした。マットや調理器具をもらえたことはとてもありがたいですが、自分の家、家具、キッチンが恋しいです。」

24人の家族を失ったイクラスさん（*仮名）

「母はずっと海が嫌いでした。波を見ていると溺れているかのように、息苦しくなるといつも言っていました。そうやって死んでいくのだと、ずっと知っていたかのようです。」

洪水で母親を失った3児の母親アマルさん（*仮名）

「私たちのチームは、被災者のニーズ、そしてニーズが時間と共にどう変わるかを理解するため、人々と対話を続けます。そうすることで、私たちの援助が適切なものとなるのです。デルナでは洪水の水は引いたかもしれませんが、アマルさんやイクラスさんのような被災者が感じた惨状は残っています。今、彼女たちに背を向けることはできません。」

ラナ・G・クサイフィUNHCRリビア職員

現地でのUNHCRの援助活動

UNHCRは洪水発生直後、ドバイの備蓄倉庫から53トン（5万3000キログラム）分の救援物資を空輸し、パートナー団体と協力して被災地に救援物資を配布。デルナやベンガジといった特に被害が大きい地域で配布されており、さらなる救援物資も輸送中です。

動画：救援物資の輸送を急ぐUNHCR

ドバイの備蓄倉庫から物資を送ったカバラUNHCR職員による、救援物資の空輸の様子のレポート、そして皆様からのご支援への御礼のメッセージです。こういった救援活動も、皆様のご支援により可能となっています。

シェルター／救援物資

UNHCRは、防水シート、調理器具セット、ソーラーランプ、毛布といった救援物資及び衛生キットを配布。デルナを含む10か所の被災地で、これまでに1万8000人以上に援助を届けています。

保健

緊急保健対応を強化するための発電機2台と医療用テント2張を現地の保健省に提供。また、1万人分の医薬品を提供しました。被災者への心理社会的支援も実施。家族のいない子どもたちのためのコミュニティベースのケアも実施しています。

難民、庇護希望者の保護

リビアでは約5万人の難民・庇護希望者がUNHCRに登録されており、そのうち被災地に住む1000人へ電話連絡を実施。さらに、ウェブサイトやSNSを通じて、被災地で利用可能なサービスに関する基本情報を提供しています。

これからもUNHCRの援助活動にご協力ください

リビアでは今回の洪水の発生以前から多くの人々が情勢不安から国内外で避難を強いられており、加えて、アフリカではリビアのみならず、ソマリアや南スーダン、サヘル地域等、多くの地域で洪水や干ばつ、そして気候変動の危機に脅かされています。また、今年4月に勃発したスーダンの紛争は今も沈静化せず、500万人以上が避難を強いられている状況です。

世界各地で緊急事態が発生する中、UNHCRは避難を強いられる人々のために援助活動を続行しています。これからもご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。