アフガン難民であり、DAFI奨学生であり、未来の平和構築者であること

人々を結びつけるアリーナさんの旅路

公開日 : 2023-07-27

2023年7月24日 ― アフガニスタンでの暴力の拡大、情勢不安、人権侵害から逃れて、母親、父親、赤ん坊の弟とキルギス共和国に来たのは、アリーナさん*がまだ4歳の時でした。

まだ幼かったので、その時の記憶はほとんどありません。

「自分の故郷のことは全く覚えていません」とアリーナさんは言います。「でも初めてここに来た時、母がいつも泣いていたのを覚えています。」

キルギス共和国から難民として認定されたアリーナさんの家族は、毎年更新可能な一時許可証を発行されました。これによりキルギスに滞在し、教育を含むいくつかの権利やサービスを利用することができるようになったのです。そのため、7歳の時に、アリーナさんは小学校1年生になりました。

しかし、若い難民だったアリーナさんは、キルギス語もロシア語も分かりませんでした。彼女はこれらの言語の読み書きができず、クラスの他の子どもたちについていくのに苦心しました。

その夏、彼女はその幼い年齢にも関わらず、事態を改善しようと決意しました。

「夏の間、父が私の読み書きの上達を本当に助けてくれました」とアリーナさんは語ります。「父が働いていた近所の人も助けてくれました。友人のおばあちゃんが手伝ってくれました。あの困難な時期を通じて、私の周りにいた親切な人々に感謝しています。」

4年生になると、アリーナさんはクラスでトップレベルになりました。

「あの困難な時期を通じて、私の周りにいた親切な人々に感謝しています」

さらなる高みを目指して

キルギス共和国では、難民の子どもたちは公立の小学校や中学校に通うことはできますが、高等教育は別です。政府からの補助金を市民と同等に競合することができない難民にとって、大学に行く唯一の可能性は、自費負担です。多くの難民の家族と同様、アリーナさんの家族にもそれは不可能でした。

「友人から一緒に大学を受験しないかと誘われました」とアリーナさんは語ります。「私は試験に合格しましたが、彼女は不合格でした!そして、そこで勉強する方法を見つけたいと思うようになりました。なぜなら、明らかに学費が本当に高かったのです。」

キルギス共和国でUNHCRが組織する社会的援助開発ネットワークの一種である難民青年グループのメンバーとして、アリーナさんはDAFI(アルバート・アインシュタイン・ドイツ難民学術イニシアティブ)*についての情報を得ました。これらのセッションを思い出し、アリーナさんは連絡を取りました。
(* UNHCRとドイツ政府が提供する奨学金プログラム)

「私の両親は、最初の数年間の学費をクレジットで支払っていました。そして私は、2年目にDAFI奨学金を受けました」と彼女は誇らしく語ります。

内面に目を向けると

キルギス共和国には、世界中から留学生が毎年やって来ます。さまざまな国から新たに来たたくさん人々と関わり、アリーナさんは内面に目を向けざるを得なくなりました。

「私は本当に、生徒たちに魅了されました」とアリーナさんは言います。「この多様なコミュニティは私の目を開かせてくれましたが、私はアイデンティティの危機に陥りました。私は地元の人間なのか、それともアフガニスタン人なのか?私はその中間でした。私には地元の学生にも、アフガニスタンの学生にも友人がいました。アフガニスタン人だと自己紹介したら、話しかけてもらえないのではないかという不安がありました。」

大学の授業に触発されたアリーナさんは、このことが何を意味するのかを考えました。

「クリティカルシンキング(批判的思考)を養うことを目的とした哲学の授業もありました。自分の生活スタイル、友人グループ、家族との関係、私は多くのことに疑問を抱きました。」

大学3年になると、アリーナさんは落ち着きを取り戻しました。「私はアフガニスタンで生まれ、私の文化、人々、または私たちの習慣を忘れるべきではないと理解しました。しかし同時に、自分は異なる国、第2の故郷で暮らしていて、家族や友達はここにいるのです。」と彼女は語ります。「私がアフガニスタンで生まれ、キルギスで育ったことは本当に幸せです。そしてこうやって、私は人生について多面的な見方を持っています。」

心が晴れやかになり、心が軽くなったアリーナさんは、学業を修了し、ビシュケク市内の清掃、植樹、孤児院のための衣服の収集といったボランティア活動に参加し、地域社会に貢献しようと決意しました。

DAFI奨学金プログラムのおかげで、アリーナさんは2018年に経営学の学士号を優秀な成績で卒業し、求人に応募し始めました。彼女は現在、暴力の削減と平和の構築に取り組むスイスの財団で働いています。

人々を結びつける

「私がこのポジションに興味を持ったのは、社会における、政府と人々の間の争いを調停する仕事をしているからです。また、人々を団結させるための社会的結束にも取り組んでいます」とアリーナさんは言います。「一方、アフガニスタンでは紛争が絶えません。組織がこのような問題にどのように取り組み、人々を結びつけているのか、経験を積みたいと心から思っています。」

現在キルギス共和国は、難民や無国籍者に機械読み取り可能な旅券を発行していません。それは、彼らが外国へ行けないことを意味します。UNHCRが提出した勧告を受け、2023年5月2日施行の改正難民法には、難民への旅券発行手続きの導入が盛り込まれました。

アリーナさんのような好奇心旺盛で決断力のある若者にとって、これは非常にエキサイティングなニュースです。「私の最大の夢は世界を旅すること。他の人々がどのように暮らしているのか、どのように問題を解決しているのか、どのような問題に直面しているのかを実際に見てみたいのです。」

「そしていつの日か、もし機会があれば、自分の国に何らかの貢献をして、自分の国の人々の役に立ちたいのです。」

* 名前は保護のため変えられています。

Mariko Hall

原文はこちら(英文)
Refugee, DAFI scholar and future peacebuilder


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