【開催レポート】4月22日 ウクライナ緊急支援報告会(後編)

公開日 : 2022-05-12

国連UNHCR協会では、支援者様へのメールやウェブサイトでも随時発信している活動報告の一環として、4月22日(金)に支援者向けウクライナ緊急支援報告会をオンラインで開催しました。
以下は当日の模様の後半のレポートです。

ぜひ前編も併せてご覧ください。

前編はこちら

■「Stay and Deliver: 現地にとどまり、支援を続ける」UNHCR職員たち

ウクライナ・リヴィウからリモートで参加した青山愛職員からは、プレゼンテーションの最後に、同僚である現地スタッフのほとんどが自らも家を失った避難民であり、避難先で仮住まいを見つけて支援活動を続けているという現状が報告されました。

青山職員は「それでも支援活動を続ける同僚の姿に胸がいっぱいになることも多いです」と語り「多くの日本の皆さんからのご支援を、しっかりと現地で形にして届けていけるように、精一杯活動を続けていますので、これからも引き続き、ご関心を頂ければと思います」と締めくくりました。
 
■支援の現場での出会いと支援への深い感謝

司会の長野から「直接現地の人と会われる機会も多いと思いますが、皆さんどのようなことをおっしゃっていますか?」との質問に、青山職員は「心が砕けるようなお話が多いのですが・・・」と言葉を詰まらせながらも、印象に残っている出会いとして、ハリコフから避難してきた70代のご夫妻との会話を紹介しました。
 

このご夫妻はご子息を含む家族が国外避難をすすめるなか、どうしてもハリコフに残りたいと願っていましたが、3軒隣の家が砲撃を受けたことをきっかけに、列車を乗り継いでリヴィウに避難してきたとのことです。「結婚50周年を迎える来年には、自宅がどんな状況であってもハリコフにまた戻りたい」とのご夫妻の言葉に青山職員は「皆さんが大切な場所、大切なものを失われていることを再認識しました」と語りました。

30分ほどの面談で、避難の過程をお聞きしているときにも、道中手を差し伸べてくれた人への感謝の言葉を繰り返し話されるご夫妻の様子や、別れ際に交わした固い握手の感触が今でも残っている、と語る青山職員からは「本日この場で、このご夫妻のことをご紹介して、皆さんの支援がしっかり現地の皆さんに届いていること、本当に感謝されていることをご報告したいと思いました」とあらためて日本からの支援への謝意が伝えられました。

■質疑応答
続いて、参加の皆様から事前にいただいていた質問に青山職員および国連UNHCR協会職員が答える形で、質疑応答を行いました。

Q1. ウクライナ支援についての今後数ヶ月の見通しと懸念材料はどのようなものでしょうか?

― 先行きは不透明ですが、今後数か月、とくに東部での戦闘の激化が続くと考えられます。そのようななか、現在770万人の避難民が支援を必要としていますが、さらに150万人以上が東部から中部・西部へ避難を強いられることが推定されています。これを受け、中部西部の受け入れ施設の拡充とともに、東部で避難ができず足止めされてしまう人のためにも、最前線の数か所の拠点への物資の備蓄を進めています。

懸念点としては、人道支援へのアクセスが保障されていないことです。人道支援団体の安全が確保されなければ、膨大なニーズに応え支援物資を届けることができません。UNHCRを含む人道支援団体の中立性が認知されるよう、国際社会からの後押しが必要です。

Q2. 現金支給支援はなぜ重要なのでしょうか?また現金支給は持続可能でしょうか?

― もちろん形のある援助物資での支援も重要ではありますが、現金給付支援の魅力=メリットとしては、多様なニーズに応えられること、支援を受ける側が自分自身でニーズに優先順位を付けられること、支援を受ける側の尊厳を保つことができること、現地の市場経済に貢献が可能であること、です。

今後の持続可能性は非常に重要ですが、UNHCRがウクライナで実施していることとして、政府の社会扶助のプログラムに組み込んで行くということがあります。今後中長期的な支援フェーズとなる場合にも、政府との連携により、持続可能なプログラムとしての切り替え・維持が可能であると考えています。

Q3. 今回のウクライナの緊急事態について、世界中の関心が高い一方で、シリアやアフガニスタン、エチオピアなどの難民問題では見方が異なるとの指摘があります。この点に関して、実際に支援活動をされている方から見られてギャップを感じられることはありますか?
もしギャップがある場合、市民の意識を変える必要があるとお考えでしょうか?


― 正直、ギャップがあるかもしれない、とは感じています。現在ウクライナの状況により避難を強いられている方々に寄せられている関心や想いの大きさ、そして支援の大きさは大変ありがたく、重要なことだと思います。一方で、世界の難民、避難民の数は8500万人を上回り、アフガニスタン、ミャンマー、イエメン、シリアなど、世界各地で同じように避難されている方が非常に多くいらっしゃいます。

もしできたら、ウクライナの状況に関心をもっていただいていることをきっかけに、他の地域の避難民の状況を知る機会、想いを馳せる機会にしていただければと思います。そこからさらに支援の輪が広がることを願っています。

―(長野)ウクライナ支援についても、今後中長期化が予想されるなかで、「今だけ」の支援に終わらない、「長く継続する支援」ということが何よりも大切だと感じます。

Q4. 金銭的な支援以外に何かできることはないかと考えています。何かヒントがあれば教えてください。

― (国連UNHCR協会法人担当・相田)まずこの場をお借りして、これまで皆様からお寄せいただいている資金援助が何よりもありがたい支援であるということを、今一度お伝えさせていただきます。UNHCRの人道支援活動は非常に多岐にわたっており、場所や支援内容を選ばない資金援助は、UNHCRが最も緊急性が高いと判断する支援先に機動的に充当できる点で非常にありがたいご支援です。資金援助にもさまざまな形があり、法人としての寄付、社内募金からの寄付、店舗やサービスを通じての寄付などを展開いただいています。

こうしたご寄付は、多くの方々にUNHCRの活動を知っていただくという広報的な面においてもありがたい機会となっています。皆様の広報プラットフォームを通じてUNHCRの活動内容、難民支援の重要性をお伝えいただくことも大きな支援となります。

また、UNHCRでは支援物資の受付も行っています。UNHCR本部の担当部署において、緊急支援物資として必要のある物資のリストに基づき、大規模な人道支援に対応するため、小口ではなく数千から数万ユニット単位で、輸送コストも含めたご支援を受け付けています。
今後のご支援については国連UNHCR協会の担当職員にお問合せをいただければ幸いです。

■リヴィウの青山職員からのメッセージ

最後にリヴィウの青山職員より、「ウクライナから離れた日本の皆様には、支援がどのように形になっているのか、気になっておられる方も多いと思います。皆様のご支援は現地に確実に届いています。日本企業や団体のみなさんが募金活動を展開してくださった、と聞くたびに、すごく力になりますし、私たちもしっかり現地で活動を続けなくては、と気持ちを引き締めています。引き続き、ご関心を持っていただければありがたいです」とのメッセージが伝えられました。

リヴィウの青山職員から日本の皆様のご支援へ感謝のメッセージはこちら

■UNHCR駐日事務所首席副代表 ナッケン鯉都より閉会ご挨拶


ナッケン副代表より、日本からのウクライナ情勢へのご支援が世界でもトップレベルであることへの謝意が示されました。また報告内容を聞きながら、難民の方々の「レジリエンス」の強さにあらためて想いをはせたこと、「難民」という言葉のもつ「困難に直面するかわいそうな人」というイメージとは異なる、難民の方々のポジティブな力に尊敬の念を新たにしたことを語りました。また、長期的な支援を進めるためには、難民の方々を「支援を必要としている人」ではなく「社会に貢献できる存在」として捉えていくことが重要であると、実際に雇用を進めている企業の担当者からの声を交えて強調しました。

ナッケン副代表は、ウクライナへの支援を日本がリードしていることを嬉しく思うとともに、これからも日本の皆様とのパートナーシップを深めていきたいという希望を伝え、報告会を締めくくりました。

本報告会は、直前のご案内にもかかわらず、100名を超える参加者をお迎えし、オンラインで開催しました。

参加者からは「現地からの現状報告に感謝します。緊迫した状況のなかで支援活動を継続されており、人道支援が確実に皆様のお力により提供されていることが理解できました」等のありがたいお言葉をいただきました。

本報告会開催にあたりご協力いただきました皆様に深く感謝申し上げます。

●本報告会の内容についてのお問合せ・ご質問は国連UNHCR協会 広報・渉外担当 島田・朴まで
お問い合わせ・ご質問はこちらまでご連絡ください。
 


ウクライナ緊急支援

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