皆様の思いは、困難な状況のなかで奮闘するシリアの人々を支え続けています。
紛争開始から12年目のこの春。ご支援をありがとうございました。
公開日 : 2022-07-29
紛争開始から12年目に入った今年も、シリアの人々を思い温かいご支援をお寄せいただき、どうもありがとうございました。皆様の思いは、困難な状況のなかで前を向き奮闘するシリアの人々を支え続けています。感謝の気持ちを込めて、シリア国内における援助活動の成果をお伝えいたします。
必要不可欠な物資の支援: 4万1500世帯 *5月時点
電力不足が深刻な影響を及ぼしていたアレッポ県の一部地域で、UNHCRは14歳未満の子どもを持つ女性世帯主の家庭5500世帯以上にソーラーエネルギー装置を配布。あかりのある夜はさまざまなリスクを軽減し、子どもたちの学びの時間も増えました。
UNHCRはパートナー団体を通して、避難を強いられた人びとだけでなく、故郷に戻った人々、紛争の影響を受け苦しい状況におかれた受け入れコミュニティの人々にも必要不可欠な物資を届けました。
シェルタ―支援:830世帯 *3月時点
家屋、シェルターの修復
8年の避難生活の後、シリア東部デリゾールに戻ってきたサマールさん。家のドアや窓はなくなり、屋根や壁もひどいダメージを受けており、にわかには自分の家だとは信じがたいほどに様変わりしていたといいます。UNHCRはサマールさん宅を訪れ、家屋の修復を支援しました。
インフラや公共施設の修復
UNHCRはシェルターや家屋だけでなく、歩道や街灯などのインフラ、学校をはじめとする公共施設も修復。写真は2021 年、帰還民や国内避難民、受け入れコミュニティの回復力の強化、自立、生計向上の支援の一環としてアレッポ県南東の地域で行われた、20kmにわたるかんがい用水路の修復風景。
小規模事業の起業トレーニング:290人 *5月時点
ハマ県スーラーンから3度避難を強いられ、12か所を転々としたというラフィカさん(奥右)は、故郷に戻ることに反対する夫を説得し家族で帰還。現在はUNHCRの支援を受けて小さな食品店を営んでいます。
2022年、シリア国内でのその他の支援

UNHCRがサポートするコミュニティセンターでの支援各種
18万1900人(3月時点)

リスクのある状況におかれた子どもの支援
750人(3月時点)

メンタルヘルス、心理社会的支援
1600人(3月時点)

性とジェンダーに基づく暴力の被害者の支援
1200人(3月時点)

一次医療の支援*
13万1700人(5月時点)
出典: Syria - Key Figures and Achievements - January-March 2022
* Syria operational update - May 2022
「たとえ破壊されていても、故郷のスーラーンに戻り暮らしたい」
シリアにはラフィカさんのように、避難生活が立ち行かなくなり、故郷に戻る人々が大勢います。「帰ってきて最初に家が破壊されているのを見た時、ショックで泣きだしてしまいました。でも、子どもたちのために生活していかなければなりません」と、ラフィカさん。今、ラフィカさんは食品店の収入で生計を立て、家族を支えています。変わり果てた故郷の姿に途方にくれながらも、家族を守るために人々は奮闘しています。UNHCRは避難を強いられている人々のほか、帰還民を含めたコミュニティ全体を今後も支援していきます。終わらない紛争で一部の地域では不安定な状況が続き、悪化する経済の影響が人々の窮状に拍車をかけています。今後とも、シリアの人々にお心を寄せてくださいますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
2022年、避難を強いられる人の数は1億人を突破
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