ソーシャルワーカーが結集しエチオピア北部の避難民を支援する

エチオピア北部における衝突によって避難を強いられた、100人を超えるエチオピア人のネットワークが、人々がトラウマを克服し、基本的な公共サービスへアクセスできるよう支援しています

公開日 : 2022-01-31

メブラットさん自身がふるさとを逃れた際に経験した苦しみやトラウマは、現在のソーシャルワーカーとしての役割である、彼女が支援する人々の状況やニーズをより良く理解することに役立っています。

メケレ(エチオピア)、2021年11月17日 ― 3人の子どもを持つ32歳の母親は、自分が、ティグレ州の州都・メケレにある保健センターに逃れたエチオピア人避難民にとっての希望や信頼、強さの象徴になるとは想像してもいませんでした。

「夜に眠ることができない、と私に伝えてくる人がいます。彼らが避難した際に目にした光景が蘇るのです」と、彼女は言いました。「私は親しみやすく、彼らが経験したことを理解できるので、私を信頼しているのだと思います。」

彼女は10か月前に、ふるさとからトラックで避難することを強いられ、その後は靴が磨り減るまで5日間歩き、食料やお金もなく村に隠れ、道端で寝ていました。

今では、彼女は他人を助けるために自分の苦しみを活かし、それが彼女の責務を十分にこなすことに役立っていると感じています。

「時折、私たちはただ一緒に泣きます」

過去3か月、彼女はUNHCRが設置した保護デスク(保護局)で働いていました。この場所は、多くの人々の避難所となりました。

「全ての世代の人々が、食料やおむつ、衛生用ナプキン、ミルクを求めて訪ねてきます」と、彼女は言いました。「彼らを助けることで、一人一人が最も必要としている支援を確実に得るようにしています。」

エチオピア北部では、過去12か月にわたる衝突によって人道危機が引き起こされ、数百万人が安全を求めてふるさとから避難することを余儀なくされています。最大で800万人がすぐに食料や水、その他の支援を必要としています。衝突によって一部の地域では治安情勢の悪化が続いており、必要な人に支援が届くのがますます難しくなっています。

メブラットさんは毎日10人ほどの訪問者を受け入れ、保護デスクが設置されている小さな部屋を清潔かつきれいに保っています。

「私は自分の経験に基づいて彼らに助言しています。私は彼らに誠実に接し、彼らが一人ではないと伝えています。時折、私たちはただ一緒に泣きます」と、彼女は言いました。

彼女のバックグラウンドはビジネス・マネジメントであり、彼女が長い間懸命に仕事をしてきた専門分野です。

動画:ソーシャルワーカーが集まってエチオピア北部の避難民を支援

(※動画の設定で字幕をオンとしていただければ、日本語字幕が表示されます)

「私は貧しい家庭の出身であったため、朝には紅茶を売り、夜に勉強していました。しかし、一生懸命働いたことにより私は家族を築き、専門家になりました」と、彼女は堂々と話しました。

「ソーシャルワーカーは避難民の身体的、精神的な幸福のために支援します」

UNHCRは、エチオピア北部のアムハラ州、アファール州、ティグレ州に住む国内避難民に毛布や台所用品、シェルター用資材を配布するだけでなく、新たに生じる避難のニーズを満たすために、支援を拡大する計画を立て、50万人以上の国内避難民が利用可能となるよう50か所以上の保護デスクのネットワークを構築しました。メブラットさんのようなソーシャルワーカーたちは、人道支援組織を含む支援を提供する組織と、避難民を結びつける重要な役割を担っています。

「ソーシャルワーカーは非常にコミュニティに近い立場であり、避難民の身体的、精神的な幸福のために懸命に支援する彼らの存在を、私たちは評価しています」と、セダ・ヒュズクUNHCRシニア緊急コーディネーターは言いました。

彼女は、ソーシャルワーカーがニーズを特定し、緊急事例を支援に結び付けるために役立つ適切な情報を集めることにより、どのように人道的な対応を向上させているかを説明しました。

「多くの人々が、自分が経験したトラウマによって引き起こされる絶望感や不安、先が見えない将来に対するストレスに苦しんでいるため、彼らは心理的な応急措置を提供しているのです。」

メブラットさんと同じように、テクリットさんは妻と2歳の子どもと共にふるさとから避難しました。彼は、避難の道中で友人を失い、人々が殺されるのを目撃し、爆撃から逃れ、夜は茂みの中に隠れ、安全を求めて何日も歩きました。しかし、彼は今の役割を担うことで、新たな希望を見つけたのです。

「私は、自分のコミュニティが抱える問題の解決を助けたいと考えていました。この仕事は、私が自分の家族を支えることにも役立ちますし、毎日勉強を続けています」と、彼は言い添えました。

スポーツにおける彼の経験が、人々、特に若者をサッカーやバレーボールの大会に夢中にさせることで、力を発揮しています。

「私は、スポーツの先生としてのスキルを伸ばし、今は実践しています」と、彼は言いました。「私は、生徒たちに、明日のことを心配するのではなく今日のために生きなさいと伝えていました。状況がどんなに厳しくても、それは過ぎ去ります。私はそのことを深く信じ、そのメッセージ私のコミュニティに伝えています。」

テクリットさんはこの地で、同伴者がなく身内と離れ離れになった25人の子どもたちの兄のような存在になりました。

「私は、彼らが支援を受ける最良の方法を見極めることを助けていますが、最も重要なことは、彼らを忙しくアクティブな状況に置き続けることです。私たちはスポーツをし、笑い、踊ります。これが最も私を満たしてくれることです」と、彼は言いました。

彼の妻は、彼にとって最も心強い支援者です。

「私がストレスを感じた時は、彼女は私にアドバイスをしてくれます。彼女は私のソーシャルワーカーです!」と、彼は笑って話しました。

「私たちはスポーツをし、笑い、そして踊ります。これが、最も私を満たしてくれることです。」

ソーシャルワーカーたちは、彼らができることを可能な限り行っていますが、これ以上のことができないことにもどかしさを全員が感じています。

「私たちの仕事は、必ずしもいつも答えがあるわけではないので、とても挑戦的なものです」と、メブラットさんは言います。「時には、人々はただ食料が必要な時もありますが、十分にはありません。しかし、私たちは、どんな人道支援の形であってもそれを最も必要としている人に届くように、ベストを尽くしています。」

彼らは、担っている重要な役割によって奮い立たされています。

「私もたくさんの困難を経験してきたため、この仕事は私にも役立ちます。この仕事をすることで、私はまだ生きていて、健康で、自分のコミュニティを助けることができるのだと気づかされています」と、メブラットさんは加えて言いました。

彼女は、平和が来たら故郷に帰ることを夢見ています。

「私たちが全てを取り戻すためには平和が重要です。平和であれば、私はどんなことでも望むことを成し遂げることができ、より明るい未来があるのです。」

Olga Sarrado

原文はこちら(英文)
Social workers rally support for displaced people in northern Ethiopia


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