ウクライナからモルドバへ逃れる難民、ルーマニアへ進む道を見出す

紛争から逃れる数十万人によるモルドバへの圧迫を緩和するために移送が手配される中、UNHCRスタッフは、不確かな未来に直面する難民を支援するために待機しています

公開日 : 2022-03-23

モルドバ南東部の遠方にあるパランカ国境の鉛色の空の下で、ウクライナから逃れてきた難民の集団は冷たい風に立ち向かいながら、ルーマニアのフシュまで5時間の旅をする5台のバスにバッグや所持品が積み込まれるのを眺めています。

パランカ国境(モルドバ)2022年3月15日 ― 彼らは、モルドバからルーマニアに優先的に移送される高齢者、幼い子どもを連れた家族、単身の女性を含む難民250人のうちの一部です。ウクライナ南部の国境にあるモルドバでは、ここ数週間で到着した難民数十万人に対応するリソースが限られています。

ようやく乗客全員が乗り込んだ時、太陽が一瞬雲間から顔を出し、車両が走り出すと灰色だった景色がまばゆいばかりに輝きました。疲れ果てて眠る旅人もいれば、ウクライナに残っている、愛する人々の消息を携帯電話で確認する人もいます。

「最悪の事態が私たちに降りかかりました」

ナタリアさんは生後8か月の娘を抱きかかえ、6歳の息子は窓際の席に並んで座っています。この35歳の会計士は、友人3人とその子どもたちと一緒にミコライウ市から逃れました。この4人の女性は全員、家も夫も残してきました。

「最悪の事態が私たちに降りかかりました」と涙を抑えながらナタリアさんは語ります。彼女と家族は市内の壕に数日間避難した後に他のメンバーと合流し、2日間かけて国境に向かいました。「爆撃、砲撃、ロケット弾、そして攻撃が何度もありました。子どもたちはとても怯えていました」と彼女は言い、“たぶん2~3週間で”家に帰りたい、と付け加えましたが、それは確信というより希望でした。

別のバスでは、ヴィクトリアさん(37歳)が、膝の上にコートに包まれた黒猫を乗せて1人で座っています。戦闘が始まって2日目、彼女は10代の娘を姉と義兄と共にオデーサの自宅からトルコへの避難のための航路に送り出しました。彼女は今、イタリアに住むもう1人の姉妹のところに行き、その後イスタンブールで娘と合流する予定です。

「私の猫は国境を越えることができました。獣医の書類がないのに、ペットを連れていけるのはありがたいことです」とヴィクトリアさんは言います。「この猫は家族の一員です。1年前に道で見つけました。野良猫です。」

娘の無事を知り、自分も避難しましたが、ヴィクトリアさんは気が休まりません。「すべてが恐怖です。今、私は国境を越えていますが、まだ安全とは思えません」と彼女は語ります。「正直なところ、安心感はありません。安心するのは戦争が終わった時でしょう。」

今回のバス移動はUNHCRと国際移住機関(IOM)の支援を経て、モルドバの人々との連帯の証として、両国政府によって手配されました。3月10日の第1便以降、1日最大3台のバスがパランカを出発しました。モルドバ国境の混雑を緩和し、女性や少女等を人身売買やジェンダーに基づく暴力(GBV)といったリスクから守るため、必要な限り継続する予定です。

「ルーマニアはモルドバがルーマニア領域内に難民を移送させる手助けをしています」と、ローランド・シリングUNHCR中央ヨーロッパ代表は説明します。「モルドバではすでに30万人が流入し、そのうち11万人が滞在中のため、この対策が緊急に必要とされているのです。リソースの乏しい小国モルドバにとって、これはとてつもなく大きな負担です。」

旅の間はUNHCRとIOMのスタッフが常駐し、次にどうするかを決めるためのアドバイスや、医薬品の確保、無料航空券の予約、SIMカードの入手等に関する情報を提供しています。

「これがモルドバとウクライナの国境からルーマニアに向かう、今日最初の移送車です」と、これらのバスのうちの1台に乗車したバティル・サプビエフUNHCRルーマニアの保護官は語ります。「これは大変重要です。この状況を緩和する手助けになるのですから。モルドバは非常に過密しており、受け入れの限界を超えています。ルーマニアでサービスを提供し、ルーマニアに留まるか、他の国へ行くかを選択することになります。」

バスがルーマニアの東側にあるモルドバとの国境から数キロにある町フシュに着くと、難民はUNHCRとIOMのスタッフの支援のもと、ルーマニア緊急事態局によって一時滞在センターに迎え入れられます。ここで1泊する人もいれば、首都ブカレスト等を目指す予定の人もいます。

その中の1人が、ミハイルさん(16歳)です。彼もオデーサから来ました。母親と一緒にスロバキアの叔母の家に滞在するために旅をしています。「オデーサを離れる前に、学校では安全対策について話し、空襲警報が聞こえたらどうするか、どこに隠れるか、応急処置はどうするか、といったことを教わりました」と彼は言います。

「この戦争の前、自分の未来は虹色に輝いて見えました。11年生を終え、必須試験に合格しようとしていました。しかし今…勉強は実際していませんし、カリキュラムの大部分を受講できません」とミハイルさんは付け加えます。「ウクライナで戦争が完全に終わったら、すぐに戻ります。一刻も早くそうなってほしいと、本当に思っています。」

Cristina Foarfă

原文はこちら(英文)
Refugees fleeing Ukraine to Moldova find onward passage to Romania


ウクライナ緊急事態

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