モザンビークで避難を強いられた人々の生活を明るく照らす

UNHCRは開発パートナー団体やモザンビーク政府と協力し、居住地に住む避難民に電気を供給しています

公開日 : 2022-12-21

コレーン国内避難民サイト、マラタン難民居住地(モザンビーク)2022年12月7日 ― シャーロット・ファトゥマさんが2016年にコンゴ民主共和国の紛争から逃れた時、難民居住地でビジネスを成功させる日が来るとは想像もしていませんでした。

北キヴ州の村が民兵に襲撃された時、彼女は間一髪で死を免れました。

「彼らは私の夫を殺し、家を燃やしました」とファトゥマさんは言います。「命からがら逃れました。」40歳の彼女は、襲撃から数か月後にモザンビークに到着し、そこで新しい生活を築くために懸命に働いています。

2019年、地元当局は、彼女が他の難民9300人と共に暮らす北部ナンプラ州マラタン難民居住地とその周辺の近隣の受け入れコミュニティの一部で、電力供給を開始しました。これを機に自分のビジネスを始めて自立し、家族をよりきちんと支えていこうとファトゥマさんは考えたのです。

「店に電気があることは、とても重要です」

翌年、彼女は難民の友人と一緒に思い切ってお店をオープンしました。

「店に電気があることは、とても重要です。飲み物や食料、特に魚を売っていますが、保冷しておく必要があります」とファトゥマさんは語ります。「マラタンの人たちは魚が大好きです!ナンプラの町で買って、冷凍庫に保管しています。牛乳やソーダ、ジュース、水などを買いに来る人もいます。すべてをストックするために、2つ冷蔵庫があります。何も冷えてなければ、お客さんは去ってしまいます!」

2児の母である彼女は、夜明け前から日没後まで長時間働くため、冷蔵庫と同じくらい照明が重要となります。「夕方に来るお客さんには、欲しいものを見て選んでもらえることが必要です」とファトゥマさんは言います。

コンゴ民主共和国から逃れた8人の子どもを持つシングルマザー、ニーマ・センガさんは、家に電気があることは幸せなことだと言います「電気があると台所や寝室が明るくなるので助かります。電気がない時は、幼い子たちは暗闇を怖がっていましたから、子どもたちも喜んでいます。3月サイクロン・ゴンベによってかつてのセンガさんの家は壊滅的な打撃を受け、電気は暗雲の中の希望の灯でした。

モザンビークは2022年人間開発指数で191か国中185位と、世界で最も開発が遅れている国のひとつです。主に北部カボ・デルガド州における非国家武装集団による暴力、そして気候変動やサイクロン、熱帯低気圧、洪水などの異常気象による破壊的な影響により、モザンビーク人100万人以上が国内避難民となっています。ナンプラ州はこれらの緊急事態に最もさらされている州の一つです。国内避難民に加え、モザンビークは難民約2万8000人を受け入れています。

ナンプラ州にて、UNHCRはアフリカ開発銀行(AfDB)、世界銀行、モザンビーク政府と協力し、全国規模の“みんなのエネルギー”プロジェクトの一環として、難民や国内避難民に電力を供給しています。

このパートナーシップは、人道支援と開発支援の実行者たちが協力することで、避難を強いられている人々に具体的な解決策を提供し、彼らを受け入れるコミュニティへの参加を促進できることを実証しています。12月7~8日の2日間、ジュネーブで開催された、2022年保護課題に関する高等弁務官対話では、開発協力が焦点となっています。

建築作業をする住民
居住地の電化により、電動ノコギリなどの建設工具の使い方を学ぶことができるようになった住民

国内避難民7,200人が暮らすコレーン居住地での電気供給は昨年から始まりました。「コレーン国内避難民サイトは、人道/開発支援の実行者たちが集うことが見られる好例です」と、イレーネ・オモンディUNHCRナンプラ事務所長は言います。「国内避難民サイトや難民居住地に適切な照明があれば、女性や少女の夜間の安全が確保されます。」

今のところコレーンでは1451軒、マラタネでは70軒が電気に接続されています。また、両地域では周辺コミュニティの住宅を電化することにも重点を置き、避難を余儀なくされた人々と彼らを受け入れるコミュニティ双方の生活水準を向上させることで、統合を支援します。そして、いずれはより多くの人へ、電気供給をする計画も進行中です。

「ナンプラ州とザンベジア州では、“みんなのエネルギー”プロジェクトの一環として、難民や国内避難民の滞在先など、電化率が低いと指摘されている地域を中心に、4万9000世帯へ電気を通す見込みです」とアフリカ開発銀行モザンビーク・カントリーマネージャーのオーガスト・ムバ・アボゴ氏は語ります。「このプログラムは4年間かけて実施される予定です。」

料理教室の様子
UNHCRのパートナー団体IFPELACのトレーナーとして、避難民や地元の人々に料理教室を開くヘレナ・マルシア・セザリトさん(24歳、赤いシャツの女性)

電気は日常生活を向上させます - 子どもたちは宿題をし、ファトゥマさんのようなお店は繁盛し、携帯電話は充電され、家族や友人と連絡を取り合うことができるのです。また、教育・研修の支援も可能となります。UNHCRと国立教育センター(IFPELAC)は、コレーンで国内避難民と地元コミュニティに向けて職業ワークショップを提供しています。電気を供給することで、電動ノコギリといった建築工具の使い方を学び、電気技師の訓練を受け、電気ミキサーやオーブンを使った料理教室で学ぶことができるのです。

【動画】モザンビーク:難民を照らす光

「私たちは、彼らが今後仕事を見つけたり、自分のビジネスを開業したりできるように、専門的なスキルを提供しようとしています」とIFPELACのヘレナ・マルシア・セザリト氏は話します。

「カボ・デルガド州で最悪の事態から逃れた人々や他国から避難してきた人々、暴力によって心に傷を負いすべてを失った人々にとって、屋根があり、安全に滞在でき、電気を利用できることは非常に重要なことなのです」と、サミュエル・チャクウェラUNHCRモザンビーク代表は語ります。「UNHCRがモザンビークで強制的に避難を強いられた人々の生活を改善するためには、開発関係者や政府との強力なパートナーシップがカギとなります。」

Hélène Caux

原文はこちら(英文)
Lighting up the lives of forcibly displaced people in Mozambique


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