家路へ向けて:南アフリカに避難していたコンゴ民主共和国からの難民、キンシャサでの生活再建を選択

南アフリカにいるコンゴ民主共和国からの難民600人は、今年帰国するためにUNHCRの支援を必要としています

公開日 : 2022-05-02

プレトリア(南アフリカ)/キンサシャ(コンゴ民主共和国)2022年4月20日 ― コンゴ民主共和国(以下、コンゴ)の首都キンサシャ郊外にあるサロンゴ村にいた最後の時、イエニス・ツシバングさんはもう二度と幼い頃に住んでいた家を見ることはないだろうと思っていました。彼の母親は、コンゴの独立選挙管理委員会の仕事をしていたために、命が危ないと脅迫を受けていたのです。シングルマザーの彼女は、当時14歳だったイエニスさんと妹のグレースさんと共に南アフリカに逃れる決心をしました。

現在27歳となったイエニスさんは、より幸せな環境下で家族と一緒にサロンゴへ戻りました。彼はコンゴのラグビー代表チームに選ばれ、コンゴ代表として今月末にウガンダで開催されるワールドカップ予選に参加する予定です。

キンシャサを離れたイエニスさんは、難民というレッテルが自分の大志を制限することはない、と決意していました。登校初日、クラスメイトを楽しませようと動き出し、英語がほとんど話せないにもかかわらず、学級委員に選出されました。彼のスポーツの才能は学校のラグビー部のコーチによって育まれ、ヨハネスブルグのウィットウォータースランド大学に進学してラグビーをするようになったのです。イエニスさんは、南アフリカの黒人と白人を結びつけるためにラグビーを推進したネルソン・マンデラ氏を自分の原動力の源としています。

「挫折もありましたが、教育を通じて自分を発見することができました」

「スポーツには、人を和ませる力があります」と彼は説明します。「全員が同じ目標、同じゴールを共有しているチームの一員なのです。スポーツのおかげで、私は簡単に溶け込み、適応することができました。人々の間に絆やつながりを築く、まさに唯一無二なものです。」

メディア学部を卒業したイエニスさんは、写真家、モデル、そして市内で最先端のナイトクラブ“ドン・ラウンジ”の共同オーナーとしてキャリアを形成し、そこで南アフリカ人や移民コミュニティの若者たちと幅広い友人関係を築き上げました。バケットハットとべっ甲のメガネで、スタイリッシュに決めています。

「私にとって、南アフリカは学びの多い場所でした」と彼は微笑みました。「挫折もありましたが、教育を通じて自分を発見することができました。その大きな柱は恩返しすることであり、写真を通じて南アフリカ人や難民といった地域の若者を指導することです。そのうちの1人は今、プロの写真家として働いています。」

全ての難民がこのような運に恵まれる訳ではありません。サービスを受けるための書類と苦闘し、差別を経験した後、故郷に帰還する時だと、イエニスさんの妹グレースさんは決意しました。外国籍への攻撃の増加を恐れ、彼女は娘のアンドレアさんに南アフリカの市民権がない状態で成長してほしくないと決意したのです。

「コンゴに着いたら何から始めればよいのか分かりません」と彼女は言いました。「でも、最後には成功すると分かっています。」

ツシバング一家は、今年初めて自主帰還を選択した、南アフリカに住むコンゴ難民約600人の集団の一部です。南アフリカには約5万7000人のコンゴ庇護希望者/難民がいます。UNHCRによる個別調査で、すべての帰還が自主的であること、難民はコンゴの安全と思われる地域のみに帰還することが確認されています。帰国する家族には、生活再建を支援する交通費と現金が給付されます。

「UNHCRは帰還の手続きを手伝ってくれ、飛行機に乗る時もすべてが円滑に運ぶように配慮してくれました」と、他のコンゴ難民に帰還を検討するよう促すイエニスさんは語ります。「最終的に、私たちは帰国するのがとても楽しみで、楽観的で、喜びと前向きな期待に満ちあふれていました。」

ヨハネスブルグで英語とフランス語の教師をしてきた母親は、キンシャサで学校を開くつもりです。また、イエニスさんは、起業家としてのスキルと経験を故郷の街の若者のために役立てたいと考えています。

「他者を元気づけるために、他の誰かから受け取ったものを分け与えるという好循環を生み出すのです。私は、自分の行動によってどれだけの人にプラスの影響を与えることができたかで成功を判断しています。私はそれを母から学びました。彼女は人生の大半を犠牲にし、私たちに快適で幸せな生活を与えてくれました。」

Laura Padoan in Pretoria and Simon Englebert Lubuku in Kinshasabr

原文はこちら(英文)
Homeward bound: Congolese refugees in South Africa opt to restart their lives in Kinshasa


難民を守る。難民を支える。

UNHCRは、難民・国内避難民・無国籍者・庇護希望者、そして帰還者等への支援活動を実施しています。世界各地に平和が戻り、全ての難民・国内避難民等が「故郷」と呼べる場所で幸せに暮らせるようになるまで、これからも一人でも多くの方に難民支援の輪に加わっていただき、継続的に支えていただきますよう、お願い申し上げます。

※当協会は認定NPO法人ですので、ご寄付は税控除(税制上の優遇措置)の対象となります。

X

このウェブサイトではサイトの利便性の向上を目的にクッキーを使用します。詳細はプライバシーポリシーをご覧ください。

サイトを閲覧いただく際には、クッキーの使用に同意いただく必要があります。

同意する