教育を届けるために困難に直面するチャドのスーダン難民

スーダンからチャド東部への難民流入に直面し、UNHCRとパートナー団体は難民の子どもたちの教育に不可欠な支援を実施しています

公開日 : 2022-09-13

クシャジンモウラ難民キャンプ(チャド)2022年9月12日 ― チャドとスーダンの国境に近いクシャジンモウラ難民キャンプでは、まだ午前7時半だというのに、温度計はすでに40度に近づいています。

暑い中にもかかわらず何十人もの子どもたちが集まり、靴を脱いで、葉のないアカシアの木のわずかな木陰にある大きなカーペットに座っています。幹に立てかけられた大きな黒板の前で、ピンクのなだらかなドレスとヘッドスカーフをかぶる若い女性が挨拶し、子どもたちに座るよう合図します。

アサニア・アフマド・フセインさん(28歳)は小学校の教師で、キャンプ内に2校あるのうちの1つであるアルヌール校で、5歳から7歳までの100人以上の子どもたちのクラスを担当しています。スーダンのダルフール地方グヌーリ出身のアサニアさんは、コミュニティ間の暴力から逃れ、2年前に夫と息子と一緒にクシャジンモウラにやって来ました。

心理学を学んだ彼女は、紛争や過激主義に対する防波堤として、学習を非常に重要視しています。

「私の旅は、無差別に繰り返される暴力に晒されてきました。それは無知の結晶であると私は考えています」と彼女は言います。「子どもたちが教育や知識を得ることが、ダルフールにおける暴力の連鎖を断ち切ることにつながると確信しています。」

クシャジンモウラ・キャンプでは、2020年2月以降、ダルフールでの衝突から逃れてきたスーダン難民約1万4000人が受け入れられています。UNHCRとパートナー団体は、難民の受け入れと保護に加え、チャドの国による教育システムへの組み込み、インフラや教材の提供を通じて、子どもたちの教育へのアクセスを保証しています。

UNHCRは、トイレ24か所、太陽電池式取水口2基、スタッフルーム4室を備えた2500人の生徒が通う2つの学校の建設を監督しています。UNHCRはイエズス会難民事業団と共に、難民と受入コミュニティから選ばれた教員39人を養成しました。

また、このキャンプでは、12歳から23歳までの若者を対象とした速習・識字プログラムを提供しており、学校に通ったことのない難民の少女108人、少年61人が現在参加しています。

しかし、こうした投資にもかかわらず、キャンプは拡大を続けており、今年に入ってからも4000人近くが新たに到着、スタッフは依然として厳しい課題に直面していることを強調しています。小学校の平均的な生徒数は163人で、使える場所がないため、2校の17教室のうち10教室の授業は外で行われています。

ここ数年、難民の教育に関して、チャドは世界で最も包容力のある国の1つとなっています。2020-21年度には、若い難民10万人以上が正規の学校教育を受けており、これはかつてないほどの数です。

しかし、国境を越えたスーダンでの新たな紛争により、より多くの人々がチャドに安全を求めて逃れざるを得なくなり、すでに手狭になっているシステムへの圧迫はさらに高まることが予想されます。UNHCRをはじめとする国連機関やパートナーのNGOが対応の規模を拡大することを妨げている主な要因は、資金が決定的に不足していることであり、チャドに対する2022年人道対応計画5億1000万米ドルの資金はわずか22%しか充足されていません。この計画の教育部門は、難民の子どもたちのニーズに対応するために必要な3400万ドルのうち、200万ドルしか受け取っていないのです。

収容数の制約だけではなく、キャンプ内の多くの家族が直面する不安定な生活状況による欠席のリスクにも教師は注意を払う必要がある、と受入コミュニティのチャド人教師、ブラヒム・タヒール・アラビさんは指摘します。

「子どもたちが確実に健康でバランスの取れた食生活を送れるようにする必要があります」と彼は語ります。「ちゃんとした靴や服がないために学校に来ない生徒もいます。」

アサニアさんにとって、新しい教室の建設は最優先事項です。「木は日陰をつくってくれますが、雨季には生徒を守る効果はあまりありません」と彼女は言います。

それでも、彼女の野外教室は、子どもたちが先生の言葉に注目する貴重な学びの場であることに変わりはありません。「ここは教え導く場所です」とアサニアさんは語ります。「年少者から年長者まで、まるで同じ母親と父親を持ったかのように、子どもたちは和気あいあいと過ごしています。意見の相違はありません。みんな難民なのです。」

UNHCRのチームは避難した市民にシェルターも提供しました。「でも、ソーラーライトや扇風機が必要です」とサリームさんは言います。「ベッドもないし、ヘビもいるから心配です。そして、食料がないから食べられないのです。」

本記事は、9月13日に発表されるUNHCRの「2022年難民教育報告書」に先駆けて公開されるものです。この報告書は、今年の国連総会期間中に開催される「変革する教育サミット」へのUNHCRの関与の一環として作成されたものです。

Cedric Kalonji

原文はこちら(英文)
Sudanese refugees in Chad face challenges to deliver education


難民の子どもたちの教育の危機

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