急激な気候変動の中、記録的な洪水と闘う南スーダンの人々

雨季を前に、世界で最も若い国で洪水に見舞われた83万5000人の中で最も弱い立場にある人々のために、緊急の支援が必要です

公開日 : 2022-04-12

チョルル・ジョックさん(70歳)は夜明けと共に、胸まで水につかりながら、7人家族の2つの小屋を囲むもろい土堤防を巡回します。

オールドファンガク(南スーダン)2022年3月29日 ― 5日以上の疲弊する日々、マリアナさんは、ありえないほど急な泥の丘を登り、急流を渡り、そして武装した山賊に言い寄られました。彼女は、南米をはじめとするさまざまな国から、安全、保護、そして家と呼べる場所を求めて、荒れ果てた荒野を勇み進む難民や移民の流れの一部なのです。

南スーダンを襲った史上最悪の洪水

「家にこの水が家に入ってくるのを防ぐにはこれしかないのです」と彼女は説明します。「もしこの堤防が決壊したら、私たちは水に押し流されるかもしれません。それが怖いのです。」

この18人の子どもの母親(うち生存しているのは3人)は、南スーダン東部ジョングレイ州ファンガク郡で史上最悪の洪水と闘う数千人の住民のうちの1人です。

ナイル川上流域における過去3年間の記録的な大雨や、他国の上流からの洪水により、かつてヤギを飼い、モロコシを栽培し、落花生を植えていた土地は水没し、毎年の雨季と雨季の間に水が引く見込みはほとんどありません。

ジョックさんはこの2年間、2度の洪水により農作業をしていません。移転を余儀なくされた家族は、わずかなヤギと共に高さ80メートルの洪水防止柵の向こうに退去しました。

「私たちはこの2年間、2つの面で闘ってきました。1つは飢え、もう1つは水です。食料がないので、私たちは毎日お腹を空かせて眠りについています」と彼女は言います。

国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、南スーダンでは83万5000人以上の人々がジョックさんのように洪水の被害を受けています。2011年にスーダンから独立して以来、すでに脆弱なこの国は、紛争にかき乱されています。

洪水によってこの陸地に囲まれた国の79県のうち33県が大きな被害を受け、被災者の生活はますます不安定になっています。

動画:気候変更による記録的豪雨に立ち向かう人々

「時々釣りに行きますが、今日のような忙しい日は、堤防の補修だけに専念します」と疲れて憔悴しきったジョッキさんは言います。「唯一の課題は、この仕事にエネルギーが必要だということです。きちんと食べなければ、仕事もできません。」

気候変動は、サイクロン、洪水、干ばつ等の異常気象と気候危機の頻度と危険性を高め、農業生産、食料、水資源、そして人々の生活に悪影響を及ぼしています。これらの影響は、紛争や人道的災害を引き起こす可能性があり、世界のさまざまな地域で避難につながることが増えています。

その影響は、南スーダンのような炭素排出量の少ない、貧しい国々に偏って現れています。ジョングレイの湿地帯は常に大雨や洪水にさらされていましたが、4年前からそのパターンが急激に変化したと、住民は語ります。

「今回の洪水は違います」

「当時はまだ、大雨の時も、人々は畑を耕し、食料を育てることができました。しかし、今回の洪水は違います」と、80年の人生のほとんどの間、この地で農業を営んできた地元住民のジェームズ・カイさんは言いました。

ジェームズ・カイさん
オールドファンガクの自宅から市場へ向かうためにカヌーを漕ぐ、洪水により避難を強いられている元農夫のジェームズ・カイさん

カイさんは、この2年間で4回避難を強いられました。彼は今、4人の妻と17人の子どもたちと共に、オールドファンガクにある堤防に囲まれた兄弟の屋敷に避難し、水が土塁を押し流さないよう、日々格闘しています。

彼の家族は世界食糧計画(WFP)の配給を受けていますが、必要な量を賄えていません。食生活を補うため、彼は漁網を編んでアミアやティラピア(※魚の種類)を捕らえ、妻たちはカヌーから睡蓮や野生の果実を採取します。

かつて農作物を市場に運んでいた未舗装の道は、今では水浸しです。最寄りの市場への往復の船旅は200~400南スーダンポンド(約0.45~0.90米ドル)ですが、その金額を払う余裕のある人はほとんどいません。

近くにある小さな滑走路さえも水没しているため、この地域は国内の他の地域からほとんど隔離されており、移動手段はカヌーやモーターボートに限られています。国境なき医師団が運営する郡内で唯一機能している保健施設があるオールドファンガク以外、プライマリーヘルスケアのサービスは存在しません。

現状、学童への食料援助はなく、かつては無料で徒歩によって通わせていた子どもたちを、家族は地元のカヌー運賃を支払って通学させなければなりません。

「カヌーの代金も払わなければならないし、例えば10人の子どもを学校に通わせるお金はないのです」とカイさんは説明します。「お金がないと、その日、その週、子どもたちは家にいなければならないことになります。」

飢えと洪水により、多くの家族がオールドファンガクを離れ、マラカルや他の町を目指します。

飲料水を汲む子どもたち
オールドファンガクの一部水没したボーリング穴から清潔な飲料水を汲む子どもたち

残された人々は協力して家を囲む堤防を作ったり、修理したりしています。しかし、雨季と雨季の間に正常な状態に戻ることはなく、5月にも次の雨季が迫っているため、かつての回復力は今、生存の危機に直面するレベルまで確実に損なわれています。

放置された場所の水を雨の前にかき出すため、コミュニティに水ポンプが必要です、とカイさんは言います。また、頑丈な洪水防止堤防を作ったり、家畜を水から守るための土手を築いたりするのに役立つ重機も必要です。

「私たちはどんな反乱にも負けたことがないのだから、この洪水で諦めてはいけません」と彼は断言します。「最後まで闘い、強くあり続けるべきです。」

UNHCRの救援活動

UNHCRは、洪水の防御を補強するビニールシート、鍬、鋤、土嚢を提供。洪水によってマラカルや他の町に避難した家族を支援しています。しかし、道路は浸水/流失し、飛行場も水没しているため、人道支援のアクセスは制限されています。

また、気候のリスクにさらされている地域において、より将来を見据えた投資と運用準備を推進するため、来るべき雨に先駆け、気候危機の被害を受けている人々への支援を強化するよう、政府および国際/人道コミュニティに呼びかけています。

「ベストを尽くしましたが、水がどんどん出てくるのです」

「南スーダンは世界で最も若い国で、紛争のみならず気候変動の影響も受けています」と、3月の洪水被害地域訪問の後、南スーダンの首都ジュバでの記者会見で、アンドリュー・ハーバーUNHCR気候変動特別顧問は報道陣に語りました。

「このような変化に適応する、強固なコミュニティの精神があります。これらのコミュニティ、農場、家畜を守るため、彼らはできる限りのことを行っていますが、支援が必要です」と彼は述べました。

「このように多くのリソースがない時に、高齢の女性に素手で村の防御を築かせるのは不公平だと思います」と彼は付け加えました。

ハーパー顧問は、来るべき雨季に備え、中長期的に気候変動を緩和し適応するための対策を展開するコミュニティ自体の努力を支援すべきだ、と語りました。

水との不平等な闘いに挫折したジョックさんにとって、その支援はすぐには届きません。

「私たちは疲れ、苦しんでいます。この水は多すぎます」と彼女は訴えます。「ベストを尽くしましたが、水がどんどん出てくるのです。」

Additional reporting by Tim Gaynor in Juba, South Sudan

Sibylla Brodzinsky

原文はこちら(英文)
South Sudanese battle record floods amid rapidly changing climate


南スーダン 世界で最も急速に深刻化する人道危機

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