ミャンマー、バングラデシュ、アフガニスタン。あなたのご支援が、苦しむ人々の元へ届いています。

あなたのご支援に、心をこめて「ありがとう」

公開日 : 2022-03-04

2021年、ミャンマーやアフガニスタンでは緊急事態が相次ぎ、多くの人々が家を追われ命の危険にさらされました。治安は急激に悪化し、明日何が起こるか分からないような混乱状態の中、UNHCRは現場にとどまり緊急援助活動にあたりました。そうした活動を何より支えてきたのは、皆様から寄せられたご支援です。ご協力くださったすべての方に、職員一同深く御礼申し上げます。心からの感謝を込めて、UNHCRの活動の成果の一部をご報告いたします。

UNHCRミャンマー事務所 入山由紀子副代表からのメッセージ

2021年2月に政変が起き、急速に社会情勢が悪化したミャンマー。暴力と混乱で多くの人々が避難を強いられ、コロナ禍も重なり、UNHCRの援助活動は困難を極めました。そんな状況で寄せられた皆様からのご支援は、ミャンマーで苦しむ人々への支援のために大きな力となりました。UNHCRミャンマー事務所の入山由紀子副代表から届いた、感謝の動画メッセージです。

「薪拾いが不要になり、家の空気もきれいになりました」
  ― ハミダさん/バングラデシュ

ロヒンギャ難民のハミダさん

4人の子を持つハミダさん(26歳)と家族は、3年前ミャンマーから逃れてきたロヒンギャ難民です。調理のため薪が必要で、長時間かけて遠くまで薪拾いに行っていましたが、UNHCRからLPガスを受け取り、生活が大きく改善しました。
「以前は、薪集めに行く際に子どもたちを見てくれる人がおらず大変でした。またLPガスのおかげで、家中に煙が充満して呼吸が苦しくなることもなく、きれいな空間で子どもたちと過ごせるようになりました」。
クトゥパロン難民キャンプでは約88万人のロヒンギャ難民が暮らし、薪の伐採により近隣の森林が急激に減少するなど影響が出たため、UNHCRは2018年からLPガスを提供してきました。今では地域の住民にも提供を広げ、難民ボランティアと600ヘクタールに植林を行うなど、環境の保全に努めながら難民支援を行っています。

「支援が赤ちゃんに役立っています」
  ― アイさん(22歳)/ミャンマー・シャン州

ミャンマー国内避難民のアイさんと娘

アイさん(22歳)は、2021年5月、武力紛争の中心地となったカヤ州の自宅からの避難時、妊娠中でした。避難した先で今年1月に出産しましたが、その翌日に町に迫撃砲が着弾。住宅は破壊され負傷者が出たためにアイさんは退院を強いられ、生後わずか1日の娘を抱いて逃げました。
「もう死ぬと思いました。町の至るところに迫撃砲が撃たれて、本当に恐ろしかったです」。混乱の中でアイさんは夫とはぐれ、妹夫婦と8時間かけてシャン州へ逃がれました。
「手術を受けたばかりだったので、ひどい痛みでした。でも赤ちゃんのほうが心配でした。新生児黄疸が出ていたのに何の治療も受けられず、いつ死んでしまうか心配でした」。なんとか安全な場所にたどり着いたアイさんと家族は、地域のサポートを受け、UNHCRから毛布や調理器具など支援物資を受け取り、家を借りることもできました。
「赤ちゃんの状態は良くなっています。日用品をもらえてありがたいです。特に赤ちゃんのために役立っています」とUNHCRと受け入れ地域に感謝しています。

「一番助かっているのは毛布です」
  ― フタさん(90歳)/ミャンマー・シャン州

ミャンマー国内避難民のフタさん

90歳のフタさんはミャンマー・カヤ州の生まれです。2021年5月に村で戦闘が起こり、101歳の夫や家族とともに近くの森に逃がれました。3か月間帰宅できず、雨期で最も雨が激しい中でも耐えるしかありませんでした。夫は寒さに耐えきれず、森で亡くなりました。
「逃げてきた時には夫が心配でした。でももう彼は苦しんでいませんから、その必要はありません。夫が恋しいけれど、前向きでいようと努めています。彼は今より良い場所にいるのです」。
その後いったん村に戻ったフタさんですが、戦闘が再び激化し、家族とシャン州近郊へ逃れました。UNHCRはコミュニティと連携して、フタさんのような避難民に毛布、マット、バケツや調理器具など緊急援助物資を提供しています。フタさんは支援についてこう話します。「私にとって一番助かっているのは毛布です。逃げる時に、多くの物は持ってこれませんでしたから」。

<

2021年、ミャンマー・ラカイン州*でUNHCRの援助物資の提供を受けた人

*ミャンマーでロヒンギャの人々が居住・避難している地域

合計:62,323 人(15,434世帯) 113か所(難民キャンプ等)

進む学校・病院の建設―アフガニスタン・ラグマン州など

紛争で多くのインフラが破壊されているアフガニスタンで、UNHCRは学校や病院などの整備プロジェクトを各地で行っています。東部ラグマン州では女子高で10教室を増築し、さらに1200人の生徒が授業を受けられるようになりました。英語教師のマリナさんは言います。「近代的な施設や教室が建設されたことで、生徒たちは安心して勉強が続けられます」。そのほか西部ヘラート州でも学校を建設するなど支援を進めており、子どもたちが学校へ通えるようサポートしています。

(UNHCRアフガニスタン事務所のツイッターより)

【父親が行方不明のままの家族へ現金給付】
  ― アフガニスタン・バーミヤン

アフガン国内避難民の家族

マルジナさんと9人の子どもたちは、タリバンの侵攻が進んでいると聞いて中部のバーミヤンに避難してきました。夫は何か月も行方不明のままです。生活が厳しいため、年長の2人の娘を首都カブールの親戚の家に送ったマルジナさん。一家はUNHCRから現金給付を受け取り、そのお金で家賃を支払い、寒さの厳しい冬に備えて家を修繕することができました。

どうぞこれからも、UNHCRと一緒に難民と国内避難民をご支援ください。

「UNHCRは、状況が許す限り現場にとどまり支援を届けます」。
2021年8月、政権が変わった混乱の中で多くの人々や機関が退避を強いられる中、UNHCRアフガニスタン事務所代表のキャロライン・ヴァン・ブレン代表は話しました。その言葉どおり、UNHCRが今日まで現場で支援を続けてこられたのは、皆様からのご支援があってこそです。改めて、皆様お一人おひとりの温かいご支援に感謝申し上げます。
しかし残念なことに、ミャンマーではこの1年で国内避難民の数は2倍となり、アフガニスタンでは食料や物資不足が深刻化し、UNHCRの支援がより一層必要とされています。どうぞこれからも、UNHCRと一緒に、ミャンマーやアフガニスタンをはじめ、世界中で避難を強いられている人々をご支援いただきますよう、心よりお願い申し上げます。

X

このウェブサイトではサイトの利便性の向上を目的にクッキーを使用します。詳細はプライバシーポリシーをご覧ください。

サイトを閲覧いただく際には、クッキーの使用に同意いただく必要があります。

同意する