UNHCRグランディ国連難民高等弁務官、複数の危機に直面するチャドにさらなる支援を要請

難民約60万人と国内避難民40万人を抱えるチャドは、自国の社会経済的、政治的、安全保障上の課題に直面しながら、依然として主要な受入国となっています

公開日 : 2022-08-18

フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は、東部、西部、南部の国境における暴力から逃れた難民数十万人を受け入れ、自国の安全保障上の課題にも取り組んでいるチャドに対し、さらなる人道/開発支援が必要だと7月15日に終了した4日間の同国訪問後、述べました。

ンジャメナ(チャド)2022年7月16日 ― アフリカの激動するサヘル地域に位置するチャドは、近隣のスーダン、中央アフリカ共和国、カメルーンでの紛争から逃れた難民58万人、さらに情勢不安から他の地域に逃れたチャド人38万人、帰還した元難民10万人を含む、避難を強いられた100万人以上が暮らしています。

今回の訪問でグランディ国連難民高等弁務官は、約20年前にスーダンのダルフール地域で紛争が始まって以来、広大なチャド東部地域に点在するキャンプで暮らすスーダン難民約40万人の何人かに会いました。

その中の1人が、障がいを持ちながら暮らすスーダン難民のハッサン・ヌール・アフマットさん(40歳)でした。彼は過去18年間、母国との国境に近いミレ・キャンプで過ごしてきました。このキャンプは現在、ダルフール地域からの難民2万5000人以上を受け入れています。

ロバに乗ってアムファラス村から逃げてきたアフマットさんによれば、ミレ・キャンプの住民が受ける支援が最近著しく落ち込み、それは近年ダルフールでの暴力から逃れる難民が増え、援助の水準がニーズの高まりに追いつかないから、とのことでした。

「援助は数年前のようではないし、質問するといつも答えは同じで、リソースが足りないということです」とアフマットさんは言いました。

動画:フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官、チャド訪問

UNHCRにとって、チャドはこの地域で最も大きな活動の1つです。グランディ国連難民高等弁務官は、人道支援のためのさらなる資金提供に加え、国際社会はチャドと同国政府が直面している課題に対する長期的な解決策を最優先させるべきだ、と述べました。

「今回の私の訪問の目的は、これらの人々に対して国境を開放し続けた非常に寛大なチャド当局が、人道支援ニーズを満たすだけではなく、これらの人々のための新たな機会を創出するための開発資源を動員する手助けをすることです」とグランディ国連難民高等弁務官は語りました。

カメルーン国境から約1000キロ離れたチャド南西部にて、グランディ国連難民高等弁務官は、カランバリ・キャンプに住むカメルーン難民に会いました。彼女は水の供給不足をめぐる北部での住民同士の衝突から逃れた、現在チャドが受け入れている難民4万人以上のうちの1人です。減少する資源をめぐる遊牧民と農民の激しい対立は、気候危機がこの地域の脆弱性を悪化させていることの端的な例であると言えるでしょう。

→ 気候変動がカメルーン国内の衝突を助長し、数千人が避難 

「チャドの兄弟姉妹にとても感謝しています。でも、みんな大変で、彼らも問題を抱えています」と、2021年末に6人の子どもを連れて衝突から逃れたシングルマザーのハワ・カムスールムさん(37歳)は説明しました。

「私たちが望むのは、ここでもう一度人生をやり直す機会を与えてもらうことです。というのも、私自身はすぐに帰国するつもりはないからです」と彼女は言いました。

気候変動により、気温が世界平均の1.5倍の速さで上昇しているサヘル地域では、水やその他の資源をめぐる競争が激化しています。チャド湖の水位は過去60年間で95%も減少し、湖と周辺の河川に生活を依存しているチャド、カメルーン、ニジェール、ナイジェリアのコミュニティに影響を及ぼしています。

「チャドだけでは無理です」

グランディ国連難民高等弁務官は最後に、サヘル地域における環境と安全保障の課題が早期に解決される見込みが薄い中、チャドのような国々の重要な貢献を見過ごさず、故郷を追われた人々に安全を提供し続けるための十分な資源を確保するよう、各国政府に要請しました。

「地元や国の当局の寛大さは、国際的なドナーや開発組織が、まだ故郷に戻ることができない人々のための機会を創出するために必要なリソースと専門知識を提供することで、マッチングされなければなりません」とグランディ国連難民高等弁務官は述べました。

「チャドだけでは無理ですし、単独でするべきではありません。この国は国際社会の支援をひつようとしています。」

Alpha Seydi Ba

原文はこちら(英文)
UNHCR's Grandi urges more support as Chad confronts multiple crises

8月22日(月)オンラインにて、フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官が登壇する第8回アフリカ開発会議(TICAD8)サイドイベント「アフリカにおける難民を包摂する取り組みへの投資:マルチステークホルダーアプローチを通じた成長と持続的な開発の実現」が開催されます。

→ 詳細はこちら(UNHCR駐日事務所サイトへ)


気候変動の最前線から

アフリカのサヘル地域、アフガニスタン、ミャンマー等、難民の90%、国内避難民の70%は、気候変動の最前線にある地域の出身であり、紛争や暴力だけでなく、気候変動の影響も要因となって世界各地で避難を強いられる人の数が増加しています。気候危機から難民を守るUNHCRの活動にご支援をお願いいたします。

※当協会は認定NPO法人ですので、ご寄付は税控除(税制上の優遇措置)の対象となります。

X

このウェブサイトではサイトの利便性の向上を目的にクッキーを使用します。詳細はプライバシーポリシーをご覧ください。

サイトを閲覧いただく際には、クッキーの使用に同意いただく必要があります。

同意する