小学校が取り組むSDGsプロジェクトと難民支援
相模原市立向陽小学校における実践
公開日 : 2022-04-27
活動について
SDGsについて学び実践する取り組みは、日本各地で行われています。
このたび、神奈川県相模原市において、地域に難民支援の輪を広げる活動を行う向陽小学校の羽生先生に、活動の様子をまとめていただいたきましたので、ご覧ください。
総合的な学習の時間において
テーマ
「広げよう!五つ星のSDGsプロジェクト~自分たちが世の中の解決策に~」
目的
「一人ひとりが地域、世界の一員としての自覚を持ち、課題解決へ向けて仲間と協力して取り組む力を養う」
4年生からの取り組み
昨年度、子ども達の総合的な学習の時間の単元は「福祉」でした。
福祉の観点から、難民問題を題材として扱い、助ける組織の1つに「UNHCR」があるということを学びました。
4年生では「知る」ということが中心で、まだまだ問題意識の少ない児童達は「子どもの自分たちに出来ることは少ない。募金も自分のお金じゃないし、ずっと続けるのは…」など消極的な意見が多い状況でした。
5年生での取り組み
「広げよう!五つ星のSDGsプロジェクト」のテーマで世の中の課題を学習し、「自分たちが世の中の解決策になろう」という思いで様々な課題を調べ、自分なりの考えを持ちました。
その中で4年生のときに学習した「UNHCR」の存在をSDGsの観点から再度学び、最終的なゴールを「困っている人たちを助けるために国連UNHCR協会に寄付する」としました。
しかし、「自分たちだけで寄付をしても根本的な解決にはならない」という意見が多く、ならばこの活動を地域の方々に知ってもらい、協力してもらおうということになりました。
活動①
藍を種から自分たちで育て、収穫した藍の葉でたたき染めの技法を習得し、その技術を地域の方に広め、活動理念を理解していただくと共に募金活動にご協力いただきました。
活動②
自分たちの畑で作物を育て(大根、白菜、ブロッコリーやラディッシュなど)それをお礼の品として募金活動をしていただける方に渡しました。
きまった募金金額は設けず、自分たちの活動理念や目標を説明し、学習報告をすることで賛同いただける方を増やしていきました。
活動③
国連UNHCR協会の天沼職員に講演会をしていただき、改めて世界の現状と課題を学び、自分たちの活動を価値に気づきました。
「自分たちが解決策になりたい」という子ども達の気持ちを受け止めてもらうことで、さらに活動を続けよう、深めようという意欲につながりました。
また、保護者からも子ども達の学習に対しての意識が変化したこと、国際情勢に関して自分なりの考えを持つ姿に驚くと共に、成長を感じるという意見が多く寄せられました。
まとめ
今回「UNHCR」を題材に学習することを通して、子ども達が「困っている人を助けたい、少しでも世の中の役に立ちたい」という思いを明確にし、4年生までの学びをさらに発展させ、実践を通して世界情勢に興味関心を持つ新たな学びの視点を得られた事は、今後の人生においても大きな財産になりました。
子ども達が真剣にSDGsを学ぶ姿から、それを取り巻く大人達の意識も変化し、「当事者」「自分事」として子どもも大人も一丸となって課題を解決していこうという生涯教育のスタートを切れたことも、大きな成果となりました。
最後に
小学校高学年の皆さんが自分たちにできることやその課題について、真剣に地球規模で考え、地域の方々の賛同を得て活動する様子が伝わってまいりました。
出張授業に赴いた天沼も、とても真剣な眼差しで授業を受け、活き活きと未来を見据える皆さんの様子に感銘を受けました。
また、向陽小学校の皆さんは、ウクライナをはじめとして人道危機が世界中で拡大するなか、募金活動も継続されています。
国連UNHCR協会は、日本各地の皆さんが、このような取り組みを通じて世界にアクションを起こしていくことを応援しております。
皆さんの行動力とアイディアにより、活動の可能性はさらに広がります。
ご関心を寄せていただいた方は、いつでも当協会までお問い合わせください。
最後になりましたが、この活動にご賛同いただいた相模原市立向陽小学校の皆さん、そしてお忙しいなか、記事作成にご協力いただいた羽生先生に深く御礼申し上げますとともに、皆さんのさらなるご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
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