100日間の苦悩を経て、ウクライナ人の保護と避難場所の確保に注力するUNHCR

本稿はジュネーブの国連欧州本部(パレ・デ・ナシオン)で行われた記者会見における、カロリーナ・リンドホルム・ビリングUNHCRウクライナ代表による報告の要約です

公開日 : 2022-06-06

2022年6月3日 ― 私はこの数週間、キーウ、ポルタヴァ、ドニプロ、ザポリージャ、そして現在はヴィニツァで、国内避難民、地元当局、緊急サービス、受入コミュニティのボランティアに会ってきました。

状況は非常に流動的で、この残忍で無意味な戦争における罪のない犠牲者の前途は脆弱なものです。

今現在も戦闘から逃れている人もいれば、この100日間で避難した場所に残っている人、すでに家を再建するために帰還している人もいます。また、一度帰還したものの情勢が悪いと判断し、再び逃れた人々にも会いました。

ドニプロでは、バフムート等から避難してきた人々を乗せたバスが到着しているのを見ました。彼らは目に見えて弱り、震えていました。到着者の多くは高齢者で、一人で歩くのが困難なため、手助けが必要でした。ほとんど何も持っていない人々です。

2014年以来、命がけで逃れるのは2度目という人もいます。どこか眠る場所、衣類、衛生用品、食料、現金給付、そして重要なことですが、心理的な応急処置とカウンセリング等、緊急の人道支援が彼らに必要です。

UNHCRはパートナー団体と共に、これまでにウクライナ全土で120万人以上を支援してきました。23万3000人が保護カウンセリング/サービスを受け、50万人がマットレス、毛布、電気のない地域へのソーラーランプといった救援物資を受け取り、そして被害の大きい地域に届けられた人道支援のための輸送を通じて、7万3400人が命を守る支援を受けました。

また、逃れてきたばかりの人々が少しの間でも尊厳のある暖かい場所で眠れるよう、受付/集合センター182か所の宿泊施設の規模を拡大しました。

今週、一時受入施設に住む多くの国内避難民と話をしました。今晩、彼らはどこかの暖かい場所で眠れますが、明日や数か月先のことは分かりません。昨日、ヴィーンヌィツャ州コジャーティンで会った高齢の避難民の女性はこう言いました。「私たちの最大の疑問は“これからどこへ行くべきか”ということです。」その受付センターでの滞在が一時的なものであることが、彼女も分かっていたのです。

ドニプロでは、国立体育スポーツアカデミーの寮でイリナさん(60歳)に会いました。

彼女は夫、娘、婿、そして2人の子どもと一緒に、ハリコフでの爆撃から逃れてきました。ドニプロで借りられるアパートを探しましたが、なかなか見つからず苦労しています。

イリナさんは言いました。「私たちは皆、家へ帰りたいですが、ハルキウはまだ危険な地域です。そして、子どものため、行けません。孫の一人はすでにストレスによる神経症状が出始め、顔がゆがんでしまうこともあるのです。」

ポルタヴァの寮では、ハリコフに戻ったものの、家の再建も仕事の再開もままならず、再び、ポルタヴァに戻った人々にも出会いました。

私たちは、激しい爆撃を受けている地域のシェルターに身を潜めている人々へ緊急支援を提供する努力を継続する一方で、避難を強いられる人々への中長期的な支援、つまり復興と持続的解決に向けた基盤作りのための支援も拡大しています。

リスクとニーズが高まる中、保護するための支援は私たちの対応の中心になければなりません。誰もが心に傷を負っているのです。回復のためには、心理社会的カウンセリングが不可欠であり、ニーズは膨大です。身分証明書や市民手帳を持たずに逃れた人もおり、権利やサービスを利用するために新しい身分証を受け取るための支援が必要です。また、貧困の悪化に伴い、搾取、虐待、有害な対処方法へのリスクも高まっています。

私が話した人の中には、ルハンシク州の各地域でも、避難のための費用を捻出できないだけのために、自宅へ戻る人がいました。

また、UNHCRは、家屋に被害を受けた人々が屋根や窓、ドア、壁を修理できるよう支援するプログラムを強化しています。ドネツク州、ルハンシク州、そしてキエフ周辺の地域では、降り注ぐ雨を防ぐための緊急シェルターキットを提供しています。これまでに2万4300世帯がシェルターキットを受け取りました。

UNHCRウクライナによる6月7日のツイート

ツイート訳

UNHCRは1994年からウクライナで活動しています。
2014年以降は、主に東部への対応に重点を置いていました。
しかし、約100日前の2月24日、ウクライナへの軍事攻勢開始を受け、すべてが変わりました。
国全体への緊急対応を発動したのです。
UNHCRはこの100日間で、ウクライナにて120万人を支援しました。

加えて、一時受入センターから移動する必要があるがアパートを借りる余裕がない人々のために、中期的な集合センターとなりうる建物の改修や再利用を支援する活動も実施しています。

しかし、これだけでは十分とは言えません。

冬がやって来ます。そして、ウクライナの冬は過酷です。暖かく、安全で、尊厳のある場所を確保することが命を救うことになります。そこでUNHCRは、シェルターと非食料物資(NFI)クラスターを先導する機関として、国内当局、国連/人道支援パートナー団体が提供する他の支援を補完するために、この冬、弱い立場に置かれた家族が具体的にどのような支援を必要とするのか、その概要をパートナー団体と共に準備しています。

原文はこちら(英文)
After 100 days of anguish, UNHCR is focused on protection and shelter for Ukrainians


ウクライナ緊急事態から100日 今も人道支援が急務です

今現在も紛争は続き、こうしている今も、爆撃から逃れ、命がけで避難をしている人々がいます。どうぞ、今すぐご支援ください。

※当協会は認定NPO法人ですので、ご寄付は税控除(税制上の優遇措置)の対象となります。

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