UNHCR、ケニアのダダーブ難民市場で水を供給するためのATMを導入

水の売店の設立はガリッサ統合社会経済開発計画(GISEDP)の一部であり、難民と受入コミュニティが持続可能な発展プログラムを共有することを可能にします

公開日 : 2021-06-30

ダダーブ(ケニア)2021年3月29日 ― ソマリア難民のハサンさん(48歳)は、カヒンというケニア系ソマリア人の傍で忙しく働いています。混雑する水供給所では、ロバの荷車が引き寄せられ、難民と受入コミュニティの事業者に水を供給する自動販売機(ATM)から水をくみ上げるために、来ては去っています。この2人の友人は過去10年間、ダガハレの水と市場委員会のメンバーです。

「私たちは、キャンプと定住地により多くのATMが必要です」
水ATM
ダダーブの水ATM は市場に近いため、火災が発生した場合、水ATMは消防車が使用する水を補充するのに役立ちます。住宅用のタップスタンドは稼働時間(朝7時から9時と午後4時から6時の間)を割り当てられている一方で、ATMはトークンを使用していつでも稼働できます

水は夜中の間に高い鉄のタンクに蓄えられ、水委員会が購入した燃料による電力で、難民市場と近くの受入コミュニティ村に供給されます。委員会当局によると、水ATMは少量の電力しか使わず、系統電力が不要なため、容易かつコスト面でも効率的です。また1日1人の消費者につき何リットルもの無料、または低価格の水を提供します。水プロジェクトの責任者は、低い圧力でも早く水を貯めるのに適している水ATMは、モバイルネットワークなしに作動することができると断言します。

「この技術が成功したため、私たちは難民キャンプと居住地により多くのATMを必要としています」と、近くの受入コミュニティ村の一つに住むカヒンは言います。

世界中が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と闘い、石鹸と水で常に手洗いをすることが必要とされていた2020年3月、UNHCRはダガハレ難民キャンプに初めての水ATMを設置しました。UNHCRは、この水ATMは3つ全てのキャンプで2021年末までには完全に運用できると想定しています。

水ATMを利用する男性

売店は水と市場委員会によって管理されており、有料でキャンプに住む難民と受入コミュニティの事業者に水を提供しています。水の売店の設立は、ガリッサ統合社会経済開発計画(GISEDP)の一部であり、難民と受入コミュニティが持続可能な発展プログラムを共有することを可能にします。

「私たちはエクイティ銀行ダダーブ支店に銀行口座を持っており、UNHCRとケア・インターナショナルによって、サファリコム・エムペサ・ペイビル番号に紐づいたトークンが配布されました」と、水の委員会のメンバーでありキャンプの住民でもあるハサンさんは言いました。

水の委員会のメンバーであるカヒンさんは、「水の売店は1か月で1000米ドルを売り上げ、最後の取引から6トークンを獲得して純利益は600米ドルでした」と言及しています。

UNHCRダダーブ事務所の水・衛生・保健(WASH)オフィサーであるオスマン・アメードによれば、ATMで使用するためのお金は、支払い金額につき発行されるトークンによって、電子マネーを介して銀行口座に貯められ、20リットルの水につき4ケニアシリングの費用がかかり、ケア・インターナショナル・ケニア事務所の職員と市場委員会のメンバーが、毎日分配される水の総量を監視しています。

「トークンの管理人であるメンバーは、いつでも自由に水の分配機のところへ行き、トークンを使って水を引き出すことができます。ATMから水が引かれるたびに、枯渇するまでその量は自動的に減少します。」

ガリッサ郡と社会サービスによって正式に登録されているダガハレ市場水委員会は、ダダーブ難民キャンプ群に住む難民と受入コミュニティから平等に選ばれた12人のメンバーのグループによって運営されています。委員会は、水システムの持続可能性を確保するために様々な業務を担う、議長、副議長、そして会計士で構成されています。

「このATM技術の導入は、キャンプでの火災を封じ込めることにも役立ちます」

2019年、UNHCRは、水・衛生・保健(WASH)のパートナーであるケア・インターナショナル・ケニア事務所を通じて、ケニアのガリッサ郡にあるダダーブ難民キャンプ群の3つのキャンプに水分配のためのATMスタイルの売店を設置しました。

水の販売機は、2020年9月にダガハレキャンプの主要市場で起こった偶発的な火災によって、かなりの財産を失った市場のビジネスオーナーにとって大きな前進です。 難民や受入コミュニティは、消防車が市場にあるATM機から簡単に水を運ぶことができるので、ATMは火災を封じ込めるための革新的なものと考えています。

「このATM技術の導入は、キャンプで火災を封じ込めることにも役立ちます」と、市場の売店オーナーの一人であるナシル・ハサンさんは言います。

UNHCRは、現金給付、教育、そして水とエネルギーへのアクセスといった主要分野におけるあらゆる革新的なアプローチを引き続き活用します。

UNHCRダダーブ事務所の事業責任者であるマガッテ・ギッセは、「このような、両コミュニティに利益をもたらす革新的システムや開発を中心に据えたプロジェクトによって、平和的共存が強化されていくのを見るのは素晴らしいことです」と述べています。

ダガハレは1992年3月に設立され、現在、ダダーブ難民キャンプ群に住む22万4000人以上の難民と難民申請者のうち7万4000人以上を受け入れています。14年間、ダガハレキャンプの人口は約3万人でした。2006年から2011年の間に、新しく到着した難民はキャンプの周囲に自発的に定住しました。そして2013年から2017年の間に多くの難民が自主的にキャンプを去ったのです。

Mohamed Maalim

原文はこちら(英文)
UNHCR introduces ATMs to supply water in Dadaab refugee markets


紛争と干ばつにより深刻化する難民危機

避難の道のりで家族と生き別れたり、命がけでたどり着いた先でも十分な食料や水さえなかったり。人々は今も、過酷な状況におかれています。「誰一人、置き去りにしない」。その思いで、UNHCRは同国各地で避難民の援助活動に尽力しています。

※当協会は認定NPO法人ですので、ご寄付は税控除(税制上の優遇措置)の対象となります。

X

このウェブサイトではサイトの利便性の向上を目的にクッキーを使用します。詳細はプライバシーポリシーをご覧ください。

サイトを閲覧いただく際には、クッキーの使用に同意いただく必要があります。

同意する