どこにいても難民の子ども達がいるその場所が『教室』になるように
現地からのThank Youレポート
公開日 : 2021-07-01
あなたのご支援に、心からの「ありがとう」を。
新型コロナウイルスの世界的流行に伴い、世界中の子ども達の教育が大きな影響を受けました。UNHCRは、コロナ禍においても難民の子どもが取り残されることなく勉強を続けられるよう、様々な教育支援を行っています。皆様への感謝の気持ちを込めて、皆様からのご支援で形になった援助活動の一例として、各国で行われたコロナ禍の教育支援をご紹介します。
コロナ禍の子ども達へ届ける、UNHCRの教育支援

先生がラジオパーソナリティに!
ラジオ放送を通じた授業
ケニア、ダダーブのハガデラ難民キャンプで、1200人以上の子どもが在籍する小学校で教師を務めるアミナさんは、コロナ禍の影響による休校後ラジオパーソナリティーを務めることを決意しました。ただのラジオではありません。ラジオを通じて、学校に通えなくなってしまった難民の生徒に授業を行っているのです。「会えなくても、ラジオを通じて子ども達と交流できることが嬉しいです。生徒が質問をするために、ラジオの放送スタジオに電話かけてくることもあります」と、アミナさんは話します。
「会えなくても、ラジオを通じて子ども達は学んでいます」

学校に行かなくても勉強ができる!
感染対策を徹底した移動教室
ボリビアではUNHCR はパートナー団体の協力のもと、ベネズエラ難民と移民の子どもを対象とした移動教室が実施されました。教師達は防護服を身に着けながら、子ども達に手洗い等を含む新型コロナウイルス感染対策について授業を行いました。またこうした活動はコミュニティ内の性暴力の実態の把握や、被害に遭いやすい女性や子どもが気軽に相談ができる環境づくりとしても役立ちます。「外出制限によって多くの人々が不安を抱えているため、この活動を行っています」と、パートナー団体職員としてこの活動に従事しているアナさんは語ります。皆様のご支援を通じて、UNHCR はパートナー団体と共に難民の子ども達がコロナ禍においても勉強を続けられるよう、教育支援に力を入れています。

デジタル機器を活用した
「即席ネットワーク教室」
2013年より始まった、デジタル機器を活用した「即席ネットワーク教室」により、教育の質を上げるだけでなくコロナ禍以降も多くの難民の子ども達が勉強を続けることができました。「即席ネットワーク教室」では、UNHCRはボーダフォン財団の協力のもと難民の学校やコミュニティセンターに、様々なデジタル機器を活用しながら学習ができるマルチメディアハブを設置しました。ソーシャルディスタンスを確保し感染対策も行いながら、教師達はこれらのデジタル機器を通じて子ども達が勉強を続けられるよう、授業を行っています。

【「即席ネットワーク教室」で利用できるデジタル機器】
- タブレット
- ノートパソコン
- プロジェクター
- スピーカー
- 太陽光発電システム
- インターネットへの接続環境
- オフライン環境で使用できるデジタル学習教材 など
中央アフリカ共和国からコンゴ民主共和国へと逃れ、インケ難民キャンプに住む難民のアンジェリーさん(15 歳)は、コロナ禍に実施された青空教室を通じて勉強を継続することができた生徒の一人です。「コロナ禍の休校により、皆なかなか勉強を続けられない中で勉強を続けることができたので、自信を持って小学校卒業試験を受けることができました。幸運でした」と、アンジェリーさんは語ります。

UNHCR は、難民の子ども達が勉強を続けられることが『幸運』ではなく『当たり前』となれるように、子ども達がどこにいてもその場所が『教室』となるよう、様々な取り組みを実施しています。どうか、難民の子ども達にお心を寄せていただき、毎月のご支援をご検討いただければ幸いです。引き続き温かいご支援を賜りますよう、よろしくお願い致します。
これからも、故郷を追われた人々をご支援ください
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