この春シリアの人々を支えてくださり、どうもありがとうございました。

公開日 : 2021-07-21

シリアの紛争が始まってから丸10年。長期化する避難生活、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によって暮らしはさらにひっ迫し、シリアの人々はかつてなく追い詰められています。この状況に際し、2月、私たち国連UNHCR協会は皆様にシリア緊急支援のお願いをお送りしました。紛争開始から丸10年になろうとしていたその時、再び多くの方々が温かいご支援をお寄せくださったことに、心より感謝申し上げます。皆様のご支援があったからこそ、届けることのできた支援、守ることのできた命があります。感謝の気持ちを込めて、UNHCRのシリアの人々への支援の一部をご報告いたします。

シリア国内

帰還民への支援

支援物資を帰還民に渡すUNHCRスタッフ

2021年の頭から今年5月までにシリアの周辺国から国内に帰還した人の数は、1万4646人にのぼります。UNHCRは同国でそれぞれのニーズと脆弱性に基づいて保護と必要な支援を行っています。
帰還した人々、国内避難民、人々を受け入れているコミュニティなどを対象に生活に必要不可欠な物資を届け、今年5月には約4万1000人が物資の支援を受けました。

紛争下で続く教育

試験の月にあたる6月、UNHCRは他団体と共同の教育支援の一環として、試験に出席するサポートを必要とする生徒に交通手段、補修授業の支援を提供。また1万2000人がマットレスやブランケット、ソーラーランタンなどの必要不可欠な物資を受け取りました。そのほかパートナー団体とともに電気工事、トイレのメンテナンス等を含む宿泊センターの修繕も実施。

苦しい境遇にある人々に寄り添うラマダン

太陽歴で9番目にあたる月を指すラマダンは、イスラム教の五行のひとつです。この月は日の出から日没まで断食を行い、苦しい立場にある人の気持ちに寄り添う時でもあります。
今年のラマダンは4月12日から始まりました。この時期の人々の暮らし、そしてコロナ禍で刻々と変化する現場のニーズにあわせて調整を行い届けた支援の一部をご報告します。

トルコ

新型コロナウイルスの感染の拡大が深刻だったトルコでは、ラマダン明けの大祭を含む4月29日~5月17日までの期間、ロックダウンを実施。この時期、難民の方々が外出し政府機関や社会福祉センターに支援を求めるということができなくなるため、UNHCRは事前にパートナー団体と難民の方々に連絡をとり、この時期に必要な支援を明確化しました。

レバノン

レバノンでは、シリア難民の多くが身を寄せ長期にわたる避難生活を送っているベッカー渓谷で、苦しい立場にある難民の家族を対象にラマダンの月の約15日分の食料をカバーする食料の小包を配布。新型コロナ対策の一環として石けんも追加しました。

アブー・サフワンさんと孫たち
アブー・サフワンさんは毎月155ディナールの現金給付を受け、家賃に充てている。2人の孫は紛争で両親を失い、アブー・サフワンさんが引き取り育てている。

ヨルダン

ラマダンの迫った3月、同国では新型コロナウイルスの感染者数が急増。UNHCRは感染予防策の一環としてATM等の混雑を避けるため、5月の現金給付支援を前倒しで行い、4月の支援と同時に実施。定期的に届けている現金の給付支援を3万3000人に滞りなく届けました。


シリア難民のウム・ハディさん

ラマダンに故郷を思う

日没後、断食が明けてから食べる食事イフタルの用意をするシリア難民のウム・ハディさん。シリアで夫を失い、避難先のヨルダンで6回目のラマダンを迎えた。「シリアの家族をもっとも恋しく思うのがこの時期です」。

カターイフをつくる人

「カターイフはイフタルの代表的なデザートです。故郷での日々を思い出すので、これを作るのが大好きなのです」と、カターイフを父親と作りシリアで売っていたという二ザールさん。今はキャンプで、ささやかな自分のお店を開いています。ザータリ難民キャンプでは、自力でお店を持って得た収入で家族を支える人々もおり、こうした姿はシリアの人々の生き抜く知恵とエネルギーを感じる一面です。

ジュースをつくる人

シリアで22年間タマリンドジュースを売っていたというユーセフさん。「毎年このダマスクの伝統的な衣装を着てラマダンの時期特有の飲み物、タマリンドジュースを売ります。故郷の村を思い出します」。

本来ラマダン明けは盛大に祝うもの。ヨルダン・ザータリ難民キャンプでも工夫してできる限りのお祝いをする人々の姿がありました。


混迷を極めるシリアを数字で見る

世界最多、国外に逃れた人の数 670万人

シリア難民の多くを受け入れているレバノンでは、8人に1人、ヨルダンは15人に1人、トルコは23人に1人が難民です。パンデミックの前からひっ迫していた周辺国はさらに厳しい状況になっており、国際社会からのさらなる支援を必要としています。

シリア国内で避難している人 670万人

シリア国内で支援を必要としている人 1340万人

この莫大な数字の陰には、一人ひとりの人生があります。そこにいるのは、ある日突然、平穏な暮らしを奪われた人々です。長期にわたる避難生活とパンデミックの脅威。個人ではどうすることもできない状況におかれて、人々は依然として支援を必要としています。UNHCRは引き続きシリアの人々を守り、支える活動を続けていきます。どうぞ皆様、今後もシリアの人々に関心をお寄せいただけますよう、心よりお願い申し上げます。

X

このウェブサイトではサイトの利便性の向上を目的にクッキーを使用します。詳細はプライバシーポリシーをご覧ください。

サイトを閲覧いただく際には、クッキーの使用に同意いただく必要があります。

同意する