UNHCRの難民援助活動2021

公開日 : 2021-01-22

活動国:130カ国 事務所:540カ所
職員:1万3131名 支援対象者数:9728万3150人

地域別の支援対象者数と概要

アメリカ

パチェコさん一家
2020年6月、ベネズエラからコロンビアに避難してきたパチェコさん一家。コロンビアには難民キャンプはありませんが、一時受け入れセンターで最長1か月滞在することができます。

新型コロナウイルス感染症の流行が続き、南北アメリカ全域でさらに困窮者の増加が予想される中、UNHCRは食料、衛生物資、シェルターの提供など多角的な援助を展開する予定です。

ベネズエラでは、現在は国境封鎖で国外に逃れる人の動きが沈静化していますが、今後封鎖が解かれれば再び避難民が流出することは必至。

ニカラグアでも大統領選挙の実施に伴う治安悪化が危惧されています。このような流動的状況にも、柔軟に対応していきます。




西アフリカ・中部アフリカ

マリ難民の生徒たち
ブルキナファソの難民キャンプにある学校で学ぶマリ難民の生徒たち。

安全な住処を求めて今年中に200万人が移動すると見込まれているサヘル地方の国々、そしてナイジェリアやカメルーンを含むチャド湖流域では、政情不安や気候変動に起因する多数の人道的危機が起きています。

新型コロナウイルス感染症の流行と治安の悪化で活動が制限される中でも、UNHCRは緊急事態に対応できる体制を整えるなどして、人命を守る援助を展開。多少安定が見られる中央アフリカ共和国では帰還事業を進める予定です。



南部アフリカ

アルベルティン・マーズさん(40歳)
「石鹸作りを始めてから生活が好転しました」と語るアルベルティン・マーズさん(40歳)。中央アフリカ共和国からコンゴ民主共和国へ避難していますが、現在はこの石鹸作りで生計を立てています。

実に90カ国以上から庇護を求める人々が流入している南部アフリカでは、難民の審査や登録作業が追い付いていないのが現状。UNHCRは各国の対応をサポートしながら、援助活動を行なっていきます。

南部アフリカの支援対象者の88%以上はコンゴ民主共和国出身ですが、ほかにもモザンビーク北東部の治安悪化に伴う避難民の保護にも取り組み、アンゴラやルワンダからの難民の、避難先での定住、もしくは帰還の事業にも注力します。






東アフリカ

アヌリスさん(29歳)
「大なたで襲われ、村でたくさんの人が殺されました」と語るアヌリスさん(29歳)。身重の体で2人の子どもを連れて必死にコンゴ民主共和国からウガンダまで避難してきました。夫と両親は行方不明です。

アフリカ大陸で最多の難民を受け入れているこの地域では、紛争解決の遅れや自然災害によって、今年も国内外に避難する人々が増える可能性があります。

UNHCRは彼らが庇護を求める権利を保障し、確実に援助するために様々な対策を打ち出すと共に、現金給付の拡充による自立支援、自発的な帰還のサポートを行なっていきます。人口過密な難民キャンプでの新型コロナウイルス感染症対策も、引き続き最優先課題のひとつです。






中近東・北アフリカ

帰還民の子ども達
シリア、アレッポ。UNHCRとパートナー団体が運営するコミュニティセンターでいじめの啓発ワークショップに参加する帰還民の子ども達。

中近東と北アフリカで暮らす難民と国内避難民は、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、従来以上の試練に直面。UNHCRは、世界最多の支援対象者を数えるシリアでは引き続き広範囲にわたる援助活動を行ない、イラクでは人道的支援から開発計画への移行を目指すなど、国ごとに異なるニーズに対応していきます。

紛争と経済不安と自然災害が重なったイエメンの状況は深刻で、UNHCRがより大きな役割を果たす必要があります。




ヨーロッパ

アフガニスタンからの避難民の母子
2020年9月、ギリシャ・レスボス島モリアの受け入れ施設での火災によって焼け出されてしまったアフガニスタンからの避難民の母子。この火災で約1万2000人の避難民が住居を失ったため、UNHCRは屋根のある場所で眠れるよう緊急で支援を行い、現在も中長期対策を検討しています。

ヨーロッパでは引き続き、地中海及びカナリア諸島を経由して渡欧する難民の受け入れ態勢の改善が、喫緊の課題のひとつ。関係諸国に、公正で効率的な庇護申請システムの確立などを訴えると同時に、すでにヨーロッパ各地で暮らす庇護申請者への情報発信も行なっていきます。

他方で、世界最多数の難民を受け入れているトルコでは、新型コロナウイルス感染症の流行で経済事情が悪化。難民を取り巻く環境が厳しくなる中、援助の拡充にあたります。







アジア・太平洋諸国

アミール・カーンさん(65歳)
バングラデシュのクトゥパロン難民キャンプ。援助で設置されたソーラーパネルによる太陽光発電の光のもと、洋服を仕立てるロヒンギャ難民のアミール・カーンさん(65歳)。

今年もUNHCRが重点的に取り組むのは、アフガン難民とミャンマーのロヒンギャ難民という、ふたつの大きな問題。自発的な帰還をサポートする一方で、パキスタン、イラン、バングラデシュといった受け入れ国の負担軽減にも注力します。

各国の新型コロナウイルス感染症対策を補いながら、難民に教育の機会や生計を立てる手段を提供し、医療を始めとするサービスへのアクセスを確保。助けを必要としている人のもとに、確実に援助を届けます。

X

このウェブサイトではサイトの利便性の向上を目的にクッキーを使用します。詳細はプライバシーポリシーをご覧ください。

サイトを閲覧いただく際には、クッキーの使用に同意いただく必要があります。

同意する