UNHCR、ブルキナファソでのここ数年で最悪の攻撃を非難

本稿はジュネーブの国連欧州本部(パレ・デ・ナシオン)で行われた記者会見におけるババル・バロック報道官による報告の要約です

公開日 : 2021-06-10

2021年6月8日 ― UNHCRは、2015年以降で最悪となった、少なくとも138人が命を奪われたブルキナファソでの武装グループによる直近の攻撃を強く非難します。

6月5日、銃を持った男たちが、ニジェール国境付近、ブルキナファソのサヘル地域北東部にあるソルハン村を攻撃。攻撃者たちはこの村を深夜に襲撃し、138人の男性、女性、そして子どもたちを殺害しました。家々や市場には火が放たれ、40人近くが重傷を負い、地域や首都ワガドゥグーの病院へ運ばれました。

命を奪われることを恐れ、3300人以上が近隣のセバ、サンペルガの村々へ逃れましたが、そのうちの2000人以上は子どもで、500人以上は女性です。彼らは所持品をほとんど持たず、到着しました。その多くは、寛容にもわずかな所有物を分け与える地元の家族に受け入れられました。

新たに到着した人々は水や衛生用品、シェルター、救援物資、そして医療ケアを緊急に必要としています。地元当局は約400トン分の食料、数千の緊急物資を届け、UNHCRとパートナー団体は医療ケア、心理社会的サポートを提供しています。

地元当局と密接に協力し、UNHCRのチームとパートナー団体はシェルター200張を建て、新たに逃れて来た人々、そして今回の攻撃の被害に遭ったその他の民間人を援助しています。対応を拡大させるためには、さらなるリソースが必要です。

この最悪の暴力行為は、マリ難民と庇護希望者約1万2200人が暮らすグドゥボ・キャンプとドリ市間の道路にて、銃を持った男たちがUNHCRとパートナー団体の車両を襲撃した数週間後に発生しました。怪我人はいませんでしたが、治安の悪化、ブルキナファソの複数の地域における武装グループの存在は、支援を必要としている人々を保護し援助を届けるのを、さらに妨害しています。

UNHCRは被害に遭った家族、ブルキナファソの人々、政府と結束します。それには、民間人保護を強化し、人道支援団体が独立かつ公平な方法で命を守る介入を実施していることをすべての党派に喚起させるための一致団結したアクションが必要です。

2019年以来、この国の暴力行為によって、ブルキナファソ人120万人以上が家を追われました。今年すでに約15万人が国内で避難を強いられていますが、その84%は女性または子どもたちであり、女性はジェンダーに基づく暴力(Gender-Based Violence、GBV)の極めて高い危機に面し、子どもたちの半数は身体的暴力や虐待の標的になっている、と報告されています。国内避難民に加え、ブルキナファソでは、その多くはマリから逃れている難民、庇護希望者2万2000人以上を寛容に受け入れ続けています。

サヘル中央部の近隣国であるマリとニジェールでも、暴力と避難が著しく増加しています。マリには国内避難民37万2000人がいますが、その数は年始から7%増加しています。

ニジェールでは、合計で難民23万7000人、国内避難民30万人が暮らしています。その数は、ティラベリ、タウア地域での暴力行為の高まりにより年始以来、難民は4000人、国内避難民は2000人増加しています。3回の大規模な攻撃により、合計約300人の民間人が殺害されました。多くの国内避難民、そしてマリ難民数名も犠牲となりました。

高まる人道支援へのニーズに応えるためにはさらなるリソースが緊急に必要とされますが、UNHCRが対応するための資金は危機的に不足している状態が続いています。UNHCRはブルキナファソ、マリ、ニジェールといったサヘル中央の国々への2021年の援助活動資金として2億5930万米ドル(約274億8580万円)を必要としています。しかし、現在その4分の1しか集まっていません。

原文はこちら(英文)
UNHCR condemns deadliest attack in Burkina Faso in years


砂漠化するアフリカ・ブルキナファソ、マリ、ニジェールの難民危機

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