リトル・アマルがイギリスでハートをつかみ、一人ぼっちの難民の子どもの苦難への関心を高める
イギリス滞在中、リトル・アマルは私たち全員に共感、配慮、思いやりの重要性を思い出させました
公開日 : 2021-12-06
ロンドン(イギリス)、2021年11月10日 ― フォスフォロスシアターに所属する俳優兼活動家、そして難民であるサイエド・ハリーム・ナジビさんは、リトル・アマルがロンドンで安らかな眠りについてもらえるように、心のこもったスピーチを届けました。リトル・アマルとは、母親を探してヨーロッパを旅する身長3.5メートルの人形の少女です。
彼は彼女に新しいパジャマをいくつか買いました。子ども用サイズで、正面にはアラビア語で希望を意味する「アマルの“A”」と記されています。「サイズが合えばいいのだけど」と彼は真剣に言いました。
「リトル・アマルに話しかけると、後にやってくる人々を注意深く見守る私たちのような難民の重要性を思い出します。本当に希望が見えない時も、そこには希望があると思い出させてくれるのです」と彼は語りました。

アニマトロニクス* の人形である彼女は、グッドチャンス・シアターと、『戦火の馬』のプロデューサーでもある南アフリカ・ハンドスプリング・パペット・カンパニーとのコラボレーションによる創造物です。
* アニメーション(動作)とエレクトロニクス(電子工学)を組み合わせ、生物の形や動きを再現したロボット
65都市、8000キロメートルに及ぶアマルの旅は、難民危機、そして家を離れざるを得ず、必死の状態の中で、一人で旅をする多くの子どもたちへの関心を喚起するために創られました。
より安全な生活を求めてアフガニスタンの両親の元を離れた後、サイエドさんは子どもが一人で旅をすることがどんなことかを理解しました。「私もかつては君みたいだった。私は大きく見えた。家族と離れ、自分で旅をし、国境から国境を渡り、そのたびに故郷の断片、そして自分の心のひとかけらを失っていったから」と彼は語りました。「私は少年のように扱われなかった。大人のように扱われた。」
彼はアマルに未来への希望を提供しました。「もう一度、君が子どもになれることを願っている。子どもであるということは、間違いを犯せるということ…君が勇敢になる新たな方法を見つけることを祈っている。世界は優しい物じゃない、と君が学ぶのは早すぎたことは分かっている。」ロンドンのロイヤルオペラハウスでの直近のレセプションでは、サイエドさんと同じくフォスフォロスの俳優であるテドロス・アリグワさんは、思いやりと共感、温情を込めて、アマルに、そしてあらゆる場所にいる難民の子どもたちに語りかけました。
旅の途上、アマルと関わった多くの人々のように、この俳優たちは彼女の存在が表すものを見据えています。それは、希望と団結と歓迎です。
「君がもう一度子どもになれることを願っている。子どもであるということは、間違いを犯せるということ…君が勇敢になる新たな方法を見つけることを祈っている」
危機や避難の間、保護者とはぐれた、または家族と離ればなれになった時は特に、子どもたちは、搾取と虐待の高い危険にさらされます。2019年末、保護者のいない、または離ればなれとなった難民の子どもは15万3000人と報告されています。しかし、限られたデータしかないためその数は著しく低く推定されているかもしれません。一人で避難の旅を強いられる子どもたちのために、UNHCRは各当局に保護、調整、受入状況を改善するよう訴えています。
リトル・アマルは11月、イギリスで歓迎を受けました。人々が集い、どのように難民が到着しても、思いやりを持ち、そして生活再建のチャンスを与えるに値することを明白にしました。

ロンドンのロイヤルオペラハウスでは、アマルが夜よく眠り安住するためのパフォーマンスのため、世界聖歌隊、ロイヤルオペラハウスコーラス、ロイヤルバレーがフォスフォロスシアターに加わりました。セント・ポール大聖堂とグローバルシアターを訪問し、サマセットハウスで舞踏した長い1日の後は、休息の時間でした。
人形は彼女のイギリス訪問をほぼ終え、グラスゴーで開催したCOP26の気候会議で、気候危機に影響されている避難民の子どもたちへの関心を喚起しました。その後、彼女はオープンフェスティバルの特別ゲストとして招待されているオランダへ旅経ちます。
ヨーロッパを横断するリトル・アマルの旅は、難民の子どもたちが弱い立場に置かれている、というメッセージを送りました。芸術の一環として、彼女に会った人々を強く喚起し、私たち全員に共感、配慮、そして思いやりの重要性を思い出させました。
Sarah Hayward
原文はこちら(英文)
Little Amal wins hearts in the UK, raising awareness on plight of lone child refugees
紛争・迫害の犠牲となる難民の子どもたち
※当協会は認定NPO法人ですので、ご寄付は寄付金控除(税制上の優遇措置)の対象となります。