【みんなで取り組む20億キロ】東京家政学院中学高等学校 保健体育科2021

2度目の挑戦から深める実践例

公開日 : 2021-06-09

 

東京家政学院中学高等学校は今年も持久走で難民とともに走る!!

東京家政学院中学高等学校は、グローバル人材の育成やSDGsの取組に力を入れられており、2019年度につづき、2020年度も中学校保健体育の持久走の授業で「みんなで取り組む『難民と進む20億キロメートル』」を活用してくださいました。

また、この単元開始前には、当協会職員の天沼による『あるものないものワークショップ』の改良版を実施して、難民問題について理解を深めたのち、単元の最後には『いのちの持ち物けんさ』を体験し、学生団体SOARの大学生からのメッセージを受け取り、さらにSDGsについても深め、難民問題を自分事として自分たちにできることを考えました。

以下、保健体育科の関口大介先生に活動の様子をまとめていただいたきましたので、ご覧ください。

 

※2つのワークショップについて詳しくはこちら

活動について

~参加のきっかけ~

東京家政学院中学校体育科は、毎年実施している体力テストの結果において、特に全身持久力を表す「20mシャトルラン」の値が全国の平均値を比較して下回っていることを受け、体力向上のための取り組みとして、数年前から体育の授業で持久走(12分間走)を実施しています。

昨年度までの取り組みも経て、一定の効果がでてきたと考えていますが、特に運動に苦手意識をもつ生徒には、未だに走ること自体が苦痛になっていることも事実であります。

また、本校の学びの特色として、グローバル人材を育てるために、SDGsへの取り組みを深めていることから、持久走の授業において「走る」ことと、今、世界で起きていることを国際理解の観点からとらえることを結び付け、昨年度の学びをさらに繰り返し行うことで深めるために、国連UNHCR協会の天沼氏を招聘し、この度2回目の参加となりました。

~プログラムについて~

今回も、持久走前後に前後に2種類のワークショップを実施することにより学習の深化を図りました。

[第1回 あるものないものワークショップ]

初回は、天沼氏に難民について理解を深めるワークショップと講義を実施していただきだきました。

内容は、難民のスライドを見ながら「あるもの」と「ないもの」を考えることによって、生きていくうえで必要なものを失った人々がいることに気づくことができた一方で、希望を失わずに立ち向かっている人々がいることを知り、さらにコロナ禍の現状や、リオデジャネイロオリンピックで活躍した難民選手団についても学ぶことができました。

生徒は皆、真剣に聞き入り、難民生活の悲惨さを学び、日本の平和な環境のありがたみを実感し、それが当たり前に存在するものでないことを改めて学びました。
そして、この難民となった人々の苦しい歩みを少しでも体験し、思いを馳せてほしいという目的で持久走がスタートしました。

[持久走実施の様子]

そして、体育の授業でも持久走の走り方やタイムを更新していく方法、脈拍計測の仕方、タイム計測の仕方回復率の計算とガイダンスから始まりました。

その後、第1回目の持久走の授業がスタートしました。走る人はもちろんのこと、ペアである計測者もタブレットを使って、1周ごとのタイムを計測する作業があり、責任重大で両者緊張した面持ちで走り始めました。
始まってみると、走者は10分間の中で少しでも距離を伸ばそうと一生懸命走り、記録を取る方もミスをしないように、真剣な顔で記録を取っていました。

2回目以降では、記録をどんどん更新していく生徒、歩かないように努力する生徒、歩いてしまうが歩みを止めない生徒と、それぞれのレベルに応じて、一生懸命取り組んでいました。
記録を取る方も慣れてくると、走者に「頑張れ~」「ファイト~」と走者を応援する声援が聞こえてきました。

途中回では、各学年の教員も参加しトップ争いの熾烈な競争を展開しました。
生徒の要望により前半と後半両方走らざるおえない教員、日々の体力不足を実感しながら走る教員、さすがの体力を発揮する教員、いずれもゴール後、倒れそうでした・・・。

5回の持久走を実施し、中学3学年で合計308キロを走ることができました。
この距離は、東京都千代田区にある家政学院から名古屋の手前にある愛知県岡崎市までの距離です。
ちょっとした東海道五十三次で、よく頑張ったと思います。

※コロナ禍における短縮授業の影響を受け、今回は10分間走を実施。

[第2回 いのちのの持ち物けんさ]

最後の授業では天沼氏に「いのちの持ち物けんさ」ワークショップを行っていただき、学生団体SOARのメンバーである赤星さんと森岡さんに大学生の立場から、大学生活で学んでいることや難民支援活動について、SDGsについてどうアプローチしているかなどを伺いました。

プログラム終了後

プログラム終了後、

「難民の人の苦しさが持久走を通してわかることができた」
「今でも国を追われて移動している難民の人を思うと、心が痛む」
「もともと、難民の人々についてまったく触れる機会がなく、知らないことばかりだったけど、このプログラムを通して、難民の人々について分かったのでいい経験となった。」
といった感想が生徒からありました。
今回初めてこのプログラムに参加した中1では、初めての持久走を実施しましたが、予想以上に難民問題に思いを馳せながら元気よく一生懸命に走っていたのが印象的でした。
このプログラムは2021年度も実施予定なので、また新たな難民への思いを馳せながら頑張ってもらいたいと思います。

このプログラムに参加することによって、遠い他国の出来事という難民問題をより身近な問題として捉えることができ、さらに持久走と関連させることにより、難民の方の辛さをより実感できたように思います。
生徒達には是非この先も、難民問題に関心をよせ今自分たちにできることを考えながら、「日本では当たり前なことが、他国では決して当たり前なことではない。」という認識で、世界に羽ばたく人材になってほしいと願います。
最後に、国連UNHCR職員の天沼様にはお忙しい中、熱く生徒の注目を引くような随所に工夫が凝らされた素晴らしい講義をしていただき、感謝申し上げます。

最後に

昨年にひきつづき、保健体育科の持久走に『難民と進む20億キロメートル』の要素を取り入れ、難民問題を自分事にして考えるワークショップを活用し、また短いながらもオンラインツールを活用して、遠隔地にいる大学生との交流も経験することで、さらなる行動変容が起き、皆さんの大きな成長につながっていく様子が伝わってまいりました。

さらに、生徒の皆さんの周りの人々やこの活動を知った人たちが、このコロナ禍のなか難民問題に新たなかたちでアプローチする姿に影響を受けられ、難民支援の輪が広がっていくと思われます。

国連UNHCR協会は、日本各地の皆さんが、このような取り組みを通じて世界にアクションを起こしていくことを応援しております。

皆さんのアイディアにより、活動の可能性はさらに広がります。

ご関心を寄せていただいた方は、いつでも当協会までお問い合わせください。

最後になりましたが、この活動にご賛同いただいた東京家政学院中学高等学校の皆さん、そしてお忙しいなか、記事作成にご協力いただいた保健体育科の関口大介先生や、ご協力いただいた社会科の川邊健司先生や教職員の方々に深く御礼申し上げますとともに、皆さんのさらなるご健康とご発展を心よりお祈り申し上げます。

参考

※東京家政学院中学高等学校の前回の取り組みはこちら

※「学生団体SOAR」について詳しくはこちら
(2017年7月の「第2回学生団体総選挙」キャリア・教育部門でグランプリを受賞)
※「Youth×UNHCR for Refugees」について詳しくはこちら
※「難民についての授業の広場」はこちら
※「出張授業/学習訪問」について詳しくはこちら
※「学校などでの実践例」について詳しくはこちら
※「学校・団体の皆様へ」について詳しくはこちら
※「ご寄付でできること」について詳しくはこちら

 
 
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