「世界難民の日 特別配信 UNHCR WILL2LIVE Music 2020」当日レポート
公開日 : 2020-06-23
■日時:2020年6月20日(土) 17時~18時半
■会場:エンターテインメントレストラン「J-WAVE NIHONMONO LOUNGE」
■メインパーソナリティ: MIYAVI(UNHCR親善大使)|長野智子(国連UNHCR協会報道ディレクター)
■ゲスト: BRAHMAN|KREVA(生出演)|LUNA SEA|RHYMESTER(Mummy-D生出演)(アルファベット順)
■メッセージゲスト:綾小路 翔(氣志團)|今市 隆二 |亀田 誠治| 三浦 大知 | 宮本 亞門 |水原 希子| SKY-HI| (アルファベット順)
2020年6月20日、世界難民の日。
梅雨の晴れ間に恵まれたこの日、特定非営利活動法人国連UNHCR協会(東京都港区)が主催する配信型イベント音楽・映画イベント「UNHCR WILL2LIVEムーブメント2020」が幕を開けました。新型コロナから世界の難民を「観て・聴いて支援」と呼びかけ、難民支援への共感の輪を広げるための、同協会初の配信型イベントの試みです。
「観る支援」も同日スタート
「観る支援」として、6月20日午前8時に申込受付を開始したのは「募金つきオンラインシアター UNHCR WILL2LIVE Cinema 2020」。8月31日(月)までの期間中、難民問題をさまざまな角度から取り上げた6作品が見放題となります。募金つきの視聴料を支払うことで、映画を鑑賞しながら難民問題の啓発活動を支援することができます。8月29日(土)23:00までの間、WILL2LIVE Cinema 公式サイトから申込可能です。詳しくはこちらから
「聴く支援」はハイブリッド型の配信番組
いっぽう「聴く支援」として6月20日午後5時から生配信されたのが「世界難民の日 特別配信 UNHCR WILL2LIVE Music 2020」です。メインパーソナリティにUNHCR親善大使として活躍するMIYAVIと国連UNHCR協会報道ディレクター長野智子をむかえ、国内の著名アーティスト総勢12組がゲストとしてパフォーマンスやメッセージで参加する、ライブ配信と動画コンテンツを組み合わせたハイブリッド型の配信番組です。
配信URLは こちら
※8月31日までアーカイブ配信で視聴可
企画段階からこのイベントに深くかかわり、自らメインパーソナリティをつとめるMIYAVIは、事前に発信した自身のSNSでこう語りました。「6月20日、世界難民の日。この日は決してお祝いする日ではないけれど、音楽や映画を通じて、少しでも難民と呼ばれる人たちを近くに感じ、その境遇を知ることで学び、考えるきっかけになれば幸いです。
今回、コロナの影響で、一時は開催も危ぶまれましたが、たくさんのアーティストの先輩方や仲間たちが声を上げ、力を貸してくれたおかげで、開催にいたりました。本当に感謝しています。皆さんと一緒に、音楽や映画を楽しみながら、学び、考える良い機会になればと思います。」
同じくメインパーソナリティをつとめる長野智子は、ハフポスト日本版の取材にこのように答えています。
「もともと五輪イヤーの世界難民の日に、リオ五輪に続いて2度目の五輪出場となる難民選手団を迎えてライブイベントを行う予定でした。しかし、新型コロナウイルスのため五輪が延期になり、今、難民選手たちが生活している地域でも新型コロナ感染拡大との闘いが起きています。(中略)未知のウイルスの不安は国境に関係なく、私たちすべてが共有している問題です。日本もコロナ禍で「世界とつながること」が少なくなっていますが、そんな今だからこそ、同じ不安と闘う人たちの状況を「想像」したり「知る」ことができるのではないか。そんな想いに賛同してくださったアーティストたちが、それぞれのメッセージを胸にライブイベントに参加してくださいます。また難民のことを知ることのできる映画配信イベントも同時に開催します。コロナ感染と闘う難民の方たちに送る、日本から応援と支援のメッセージに、ぜひたくさんの方も「観て聴く支援」で参加していただければ嬉しいです。」
WILL2LIVEロゴにこめられた想い
WILL2LIVEムーブメントのメインロゴには「厳しい境遇にあっても生き抜こうとする意志(= Will to live)」というコンセプトがこめられています。難民とは、逆境を生き抜く意志を持ち、困難を乗り越え逆境に立ち向かい続ける人。変化の時代、すべての人が困難に直面しうる今、彼らの生き抜く姿は、私たちに勇気を与えてくれるはず、という想いのもと、このコンセプトおよびロゴマークの制作、そしてイベントの企画運営は、主催者である国連UNHCR協会の呼びかけに応じて集まった、有志クリエーターの協力によって実現しました。
新型コロナウィルスの影響で物理的なイベントが制限されるなか、「観る支援」「聴く支援」ともに、参加アーティストとクリエーターたちの知恵と創意で実現したイベントといえます。
当日配信風景 オープニング
「世界難民の日 特別配信 UNHCR WILL2LIVE Music 2020」の収録・配信会場となったのは、2020年3月に開業したJR高輪ゲートウェイ駅で開催予定のイベント会場内にある、J-WAVEがプロデュースするエンターテインメントレストラン「J-WAVE NIHONMONO LOUNGE」。
収録スタッフや出演者の感染防止のため、入場は最小限の人数にとどめ、ソーシャルディスタンスを保ちながらの収録・配信を徹底しました。多彩な顔触れのゲストが事前の告知にも全面的に協力し、配信前のチャンネル登録は2000人近くにのぼりました。
午後5時。いよいよライブ配信が開始されました。WILL2LIVEのロゴをあしらったオープニング映像に続いて、メインパーソナリティのMIYAVIと長野智子が登場。「国連難民の日」の意味、そしてこのイベントの趣旨につづき、MIYAVIが難民問題への想いやUNHCR親善大使としての経験を、長野も国連UNHCR協会報道ディレクターとしての抱負を語りました。
イベント主催の国連UNHCR協会と、協力のUNHCR駐日事務所の役割について触れたあと、「聴く支援」のひとつの方法として、国連UNHCR協会が実施している「新型コロナウイルス感染症から難民を守る緊急支援」を紹介しました。
つづいて動画で紹介されたのは、「世界難民の日」を記念してUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が制作した「HERO」と題された動画。コロナ禍のなか、自分の属するコミュニティに貢献している難民たちを紹介するものです。さらに、UNHCRのトップであるフィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官からの日本の視聴者への特別メッセージが流れました。
トークゲスト#1 Mummy-D(RHYMESTER)
つづいて本イベント1人目のゲストとして、RHYMESTERからMummy-Dを迎え、メインパーソナリティとのトーク。児童婚撲滅をラップで訴えるマリ難民の少年の動画を観た後、ともに父親でもあるMummy-DとMIIYAVIのトーク内容は、親として生きる難民への想いにまで及びました。知ること、伝えることの大切さを訴えるMummy-Dのメッセージに続き、RHYMESTERの未公開ライブパフォーマンス映像2曲が配信されました。
メッセージゲスト#1 水原希子 SKY-HI
つづいて、メッセージゲストからの動画メッセージを紹介。水原希子 SKY-HI からのメッセージにつづいて、「聴く支援」の方法としてYahoo!ネット募金で展開中の「新型コロナから難民を守る くじ付き募金」が紹介されました。募金に協力すると、メッセージゲストから、それぞれサイン入りのプレゼントが抽選であたる「くじ付き募金」への参加の呼びかけとともに、ハッシュタグ#WILL2LIVE、#生き抜くチカラ を用いたSNSでの情報拡散が呼びかけられました。「MIYAVIを通じて難民問題を知りました」と、YouTubeのチャット欄に寄せられた、視聴者からのコメントをMIYAVIが紹介する一コマも。
GUCCIの社会貢献プロジェクト
WILL2LIVEに賛同するGUCCIが実施するChangemakers プロジェクトを紹介。難民や社会的に弱い立場にあるコミュニティでパブリックアートの制作を行うArtlution(アートリューション)の取り組みから、3枚のアートを、それぞれのストーリーとともにMIYAVIが紹介しました。
LUNA SEA
LUNA SEAからSUGIZO、INORANのメッセージ動画に続き、LUNA SEAのパフォーマンス映像が紹介されました。メンバー各自がリモートで収録した名曲「WISH」の配信に、視聴者コメントでは「それぞれの場所でそれぞれの役割…音楽も同じ」「これはもうWISH2020バージョン!」との歓声が。
BRAHMAN
BRAHMANからTOSHI-LOWのメッセージは、佐藤紫華子さんの詩「ふるさと」の朗読ではじまりました。BRAHMANのパフォーマンス映像を受け、MIYAVIからは「本当にかっこいい日本の男」長野からは「背筋が伸びました」のコメント。
トークゲスト#2 UNIQLOで働く難民出身スタッフが登場
続いて登場したゲストは、エチオピア出身のメコネンさん。2011年にアジア企業で初めてUNHCRとグローバルパートナーシップを結び、様々な難民支援を行っているファーストリテイリング、ユニクロで働く63名の難民の方を代表して、難民としての背景を持つメコネンさんが、自身の体験や日本での生活、将来の夢について語ってくれました。
メッセージゲスト#2 綾小路翔 宮本亞門 三浦大知
つづいて、メッセージゲストからの動画メッセージを紹介。配信視聴者から続々届くメッセージを再度MIYAVIが紹介。なかには5歳のお子さんからのメッセージも。
トークゲスト#3 KREVA
3人目のトークゲストとしてKREVAが登場。MIYAVIとのセッション経験や、このイベントへの想いを語り合いました。ギター1本を手に、トルコに逃れたシリア人ギタリスト、オマールさんの動画を挟みながら、熱のこもったトークが展開しました。Twitterでは、オマールさんとMIYAVIの共演が見たい!というコメントも。
さらに、KREVAからの「振り」に応え、トークブースで急遽、MIYAVIとKREVAのコラボセッションが実現。このうれしいサプライズに、視聴者のチャット欄が沸き上がりました。
メッセージゲスト#3 ベン・スティラー/ケイト・ブランシェット/ カレイド・ホッセイニ 亀田誠治 今市隆二
MIYAVIと同じくUNHCRの親善大使として世界で活動している3人が、難民のためにWEB会議をした模様を動画で配信。ユーモアを交えた内容に、チャット欄からも笑いが。つづいてメッセージゲストの2人からの動画を紹介しました。
MIYAVI スペシャルアコースティックセッション
事前告知に含まれていなかったスペシャルライブが実現。メインパーソナリティMIYAVIが、舞台に上がった瞬間に世界的アーティストの表情に変わりました。難民支援の最前線にも同行しているドラマー/パーカッショニストBOBOとともに、スペシャルアコースティックライブを披露。難民支援の現場からの画像を背景に、入魂の3曲を演奏しました。
エンディング
収録会場を熱い音で満たしたセッションも終了し、「世界難民の日 特別配信 UNHCR WILL2LIVE Music 2020」も終盤に。長野より、同時開催の「観る支援 募金つきオンラインシアターUNHCR WILL2LIVE」が紹介されました。
視聴可能な6作品を紹介する動画につづき、うち1作品「ソニータ」の主人公とMIYAVIの意外なセッション経験にも話題が及び、映画配信への期待が高まりました。 最後にメインパーソナリティから伝えられたのは、世界難民の日を記念して全国25か所が国連カラーのブルーに染まるライトアップ。ライブ終了時間前後に、新型コロナウイルスの危機のなかで世界の連帯を呼びかけ、「一人ひとりにできること」を問いかけるブルーの灯りが全国にともることを伝えました。
事前告知になかったライブセッションも交え、予定した時間を大幅に延長して配信した「世界難民の日 特別配信 UNHCR WILL2LIVE Music 2020」。時間延長にもかかわらず、熱心な視聴者からの温かい反響はエンディングまで途切れることがありませんでした。配信中の視聴者数は5000人を超えました。(文中参加ゲストの敬称略)
※当協会は認定NPO法人ですので、ご寄付は寄付金控除(税制上の優遇措置)の対象となります。