不安と共に生きる ~難民の経験から学べる知恵 ①~

アレッサンドラ・モレリUNHCRニジェール事務所代表からのメッセージ

公開日 : 2020-06-02

私は、不安がいかに心配事や恐怖をもたらすかということを知っています。また、いかにその不安とうまくつきあうことができるかということも知っています。

私はアレッサンドラ・モレリ。約30年間UNHCRで働く中で、この時代における壊滅的な危機をいくつも体験してきました。バルカン半島の戦争からルワンダでの虐殺、インドネシアの津波まで、私は一瞬にして生活を失った何千もの人々といつも一緒にいたのです。彼らは皆、かつては自分の生活に安心や安定を感じていました。最も壊滅的な方法で、「人生で確かなものは一つもない」ということを思い知らされるまでは…。

そして今、世界が新型コロナウイルス感染症の危機に見舞われています。この危機は私たち皆に影響を及ぼしています。かつて確実だったことが揺るぎ、私たちは常に未知の状態にさらされているのです。

そこで、私は自分に問いかけました。難民の体験から私は何を学んできたのか?と。世界中の、あなたのような人々がこの新しい不安に直面している時に、希望や癒し、実用的な支援となるようなものが何かないだろうか?と。

そして、その答えは間違いなく「イエス」でした。なぜなら、私は難民から多くのことを学んだからです。彼らのレジリエンス(回復力)、そして連帯と思いやり。想像を絶するような苦境にあっても、自分たちのコミュニティを再建するために何度でも団結してきた彼らのやり方から、私は多くのことを学びました。

そこで、私が難民から学んだことを皆様にも共有するために、これから数回にかけて、いくつかのメッセージをお送りしましょう。

以下のような内容について、洞察や実践的なアイデアをお届けしたいと思います:

  • 変化することに不安を感じる子どもたちへのサポート
  • 孤独とつきあうための戦略
  • 外出自粛の時間をメリットに変える方法
  • この事態を乗り越えた時により強くなるための方法

この短いストーリーを書く中で、不安と共に生きるということがどういうことなのかをよく知っている方に協力してもらいます。私たちを鼓舞してくれるような若い女性なのですが、彼女の生活は幼い頃に完全に根こそぎにされました。彼女はその苦しい試練を生き抜いただけでなく、実際に逆境をチャンスに変える方法を見つけたのです。

マヤ・ガザル(20歳) マヤ・ガザル(20歳) イギリスのデナムにあるパイロットセンターでの初の単独飛行訓練にて

彼女の名前は、マヤ・ガザル。故郷のシリア・ダマスカスで紛争が起きた時には、まだ12歳でした。その時から彼女は、今まさに私たちが学んでいるように、恐怖や避難、極度の孤立といったものは、対処しようにも破壊的となりうるということを体験してきました。しかし、20歳になった今では彼女はこう言います。

「そうした体験によって私は変わりました。それをうれしく思います。自分自身について深く学んだのはその時でしたし、それが今の私を作っています」

これから数回にわたって、マヤと私が難民としての生活のさなかから得た考えやアイデアや学びを共有するのにお付き合いいただければうれしいです。なぜなら、今私たちは皆、不安と共に生きているからです。そして、私たちはお互いに一番の支えでもあるのです。

アレッサンドラ・モレリ
UNHCRニジェール事務所代表

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