サイクロン・イダイ発生から1年

誰ひとり、置き去りにしない ― 人々に笑顔が戻るまで

公開日 : 2020-03-13

2019年3月、アフリカ南部モザンビーク、ジンバブエ、マラウイに激しい雨と風をもたらすサイクロン・イダイが襲来しました。現地の人々はもちろんのこと、ジンバブエに避難する難民にも被害が及んだこの自然災害の最大風速は約50m/s、そのわずか約1か月後に同地域を襲ったサイクロン・ケネスの最大風速は57m/sを記録し、南半球最悪と言われる自然災害となりました。千葉県等に大きな被害をもたらした2019年10月の令和元年台風19号の最大風速が55 m/s だったことと比べても、その被害がもたらす人々への影響を感じていただけるのではないでしょうか。 そして、この大災害から1年が経とうとしている今も、被災地には厳しい避難生活を強いられている人々がいて、UNHCRは現地で支援活動を継続しています。

UNHCRの支援、そして被災地の今

でUNHCRスタッフと遊ぶ少年
モザンビークのブジにて、配給される支援物資のそばでUNHCRスタッフと遊ぶ少年

テントで生活を始めた家族
モザンビークのブジにて、UNHCRが提供したテントで生活を始めた家族。モザンビークでは約24万戸の家が破壊された

UNHCRは被災直後から迅速に救援活動を開始。被害発生直後、ジンバブエに 6万個、マラウイに7万個 モザンビークに2万9千個の家族用テント、蚊帳、ソーラーランタン等といった救援物資を届けました。

復興を目指し、UNHCRをはじめ国連機関やパートナー団体は今も支援活動に尽力していますが、モザンビークでは50万人以上(10万世帯以上)が破壊された家や間に合わせの仮設シェルターで暮らし、ジンバブエでは4万人以上が避難を強いられている等、被災者の厳しい現実は今も続いています。
(* OCHA 2019年12月発表)

そしてこの地の人々は、南スーダンやソマリアといった他のアフリカの国々と同じように、気候変動の影響により繰り返される洪水と干ばつの被害により人道危機に陥り、モザンビークでは約200万人が食糧難に苦しんでいます。

【動画】UNHCR職員より、現地モザンビークからのメッセージ

誰ひとり、置き去りにしない ~ Nobody Left Outside

難民とは、紛争や迫害、人道危機により生命の安全を脅かされ、他国に逃れなければならなかった人々です。気候変動と自然災害には、人々が国境を越えて逃れることを強いる脅威をさらに大きくすることがあります。「国境を越えた強制移動は、気候変動や災害と、紛争や暴力との相互作用に由来することがあります。どの状況においても、国際的な保護が必要となるきっかけとなります」とフィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は訴えます。

UNHCRのモットーの1つは「Nobody Left Outside(=誰ひとり、置き去りにしない)」です。気候変動による避難は、仮想未来の話ではありません。UNHCRは、海岸地域の海面上昇、長期化かつ悪化する干ばつ、または忍び寄る砂漠化といった、自然災害や徐々に影響を増す気候変動によって生まれた気候難民を支援していきます。

もう一度笑顔で暮らせる日まで

1970年代、旧東ドイツに外国人労働者として移住したモザンビークの人々の姿を描き、ここ日本でも翻訳大賞にノミネートされる等、話題となったグラフィックノベル『マッドジャーマンズ ドイツ移民物語』の著者ビルギット・ヴァイエさん。今回のサイクロン・イダイ緊急支援に協力してくださった皆様に寄せて、ヴァイエさんは、サイクロン襲来前のモザンビークの人々の暮らしが垣間見える作品を描いてくれました。

ビルギット・ヴァイエさんの作品

同作品制作にあたって、モザンビークに足を運び、旧東ドイツで働いていたモザンビークの方々に話を伺ったという彼女の絵を通して、サイクロンによって失われた人々の日常に思いを馳せていただき、お気持ちをお寄せいただけると幸いです。

X

このウェブサイトではサイトの利便性の向上を目的にクッキーを使用します。詳細はプライバシーポリシーをご覧ください。

サイトを閲覧いただく際には、クッキーの使用に同意いただく必要があります。

同意する