国際パラリンピック委員会(IPC)が東京2020パラリンピック競技大会で難民選手団の結成とサポートを正式発表

公開日 : 2020-11-06

IPC / UNHCR合同プレスリリース

  • 日本へは最大で6人の選手を派遣
  • 団長は元難民で2012年ロンドン大会のパラリンピック選手として出場したイレアナ・ロドリゲス
  • パートナー企業はAirbnb、パナソニック、アシックス
  • IPCは、パラリンピック競技大会というプラットフォームを通じて、難民アスリートと世界で7,950万人もの避難を強いられた人々への関心を高めるため、UNHCRと協力する

2020年10月28日 ― 国際パラリンピック委員会(IPC)は、難民パラリンピック選手団(RPT)から最大6人のアスリートを東京2020パラリンピック競技大会へ派遣することを明らかにしました。IPCは、難民アスリートが直面している窮状に対して世の関心を向け、避難を強いられている世界中の約8,000万人に希望のメッセージを送るために、パートナー企業やUNHCRと連携します。
団を率いるのは、既に難民パラリンピック選手団の団長として任命されている2012年ロンドンオリンピック競技大会のパラリンピック選手で元難民のイレアナ・ロドリゲスです。ロドリゲスは、IPCと協力して、競技大会で競い合えると認められた優れた人材候補のなかから東京2020パラリンピック競技大会にむけて難民選手団を選出します。
IPCは、競技内外において難民パラリンピック選手団のアスリート候補にむけたサポート体制を整えています。選手へのサポートに関する詳細は次の通りです:

 

  • アスリート候補がパラリンピック競技大会の参加標準記録を満たせるようにサポートする
  • 東京2020競技大会の予選に参加するアスリートへ財政的支援をする
  • 難民アスリートたちが新型コロナウイルス感染症により直面しているトレーニングの制限に考慮し、コーチングサポートなど、各競技にむけた準備のためにアスリートをサポートする
  • 東京2020競技大会に選ばれた最大6人のアスリートたちのパラリンピック競技大会への参加をサポートする
  • 大会後のレガシーを見据えたサポートを提供し、アスリートが2021年末まで様々な競技で活躍できるように支援する

選手団に選ばれるには、アスリートは国際、国内、および地域の法律に従って難民としての地位を認定されていなければなりません。アスリートは、IPCおよび/または国際競技連盟によって選考されます。選考は、主にこれまでのアスリートたちの実績が参加資格基準をクリアしているかに因ります。現時点では、東京2020パラリンピック競技大会の難民選手団に選出されている選手はいません。
IPCのパートナー企業のうち何社かは、難民パラリンピック選手団へのサポートを明らかにしています:

 

  • ワールドワイドパラリンピックパートナーであるAirbnbは、そのパートナーシップの一環として、2015年から「オープンホーム」プログラムとパラリンピアンによる体験というサービスを通じて、難民のイニシアティブをサポートしており、難民パラリンピック選手団にとって主要なパートナーとなります。
  • アシックスは、IPCのオフィシャルサプライヤーで、東京2020パラリンピック競技大会でも難民パラリンピック選手団へ公式アパレル商品を提供します。
  • ワールドワイドパラリンピックパートナーであるパナソニックは、2020年までの「ビューティフルジャパン」プロジェクトの軌跡を収録したフォトブック『綾瀬はるか meets Beautiful Athletes』を最近出版しました。この本の販売による収益の一部は難民パラリンピック選手団の支援のためにつかわれます。

さらに、IPCは、難民や紛争や迫害によって家を追われた人々へ強力な支援のメッセージを発信できる難民パラリンピック選手団とパラリンピック競技大会を、より活用するためにUNHCRと連携します。彼らは多くの課題に直面していますが、障がいを抱える人々は、さらにリスクが高くなりがちで、支援、サービス、機会を得ることもままなりません。 IPCは、UNHCRとともに、パラリンピック競技を通じて、障がいを抱える難民のアクティブインクルージョン(active inclusion)と全面的参加をこれからも促進していきます。

東京2020パラリンピック競技大会に向けて、IPCと団長であるロドリゲスは、難民パラリンピック選手団のニーズを包括的にサポートするためのチームを編成しています。元難民のパラリンピック選手として、ロドリゲスはパラリンピック選手団へ貴重な知見を共有しています。キューバで生まれた彼女と家族は、彼女に麻痺を生じさせている脊椎先天性障がいのより良い治療法を探るために、10代の頃に米国へ渡りました。

米国市民権を取得した後、ロドリゲスはロンドン2012パラリンピック競技大会でアメリカ合衆国選手として競泳に出場しました。彼女はロンドンで開催された女子100m平泳ぎ 運動機能障害SB5クラスのファイナリストでした。 35歳となった今は、建物のアクセシブルデザインを専門とする設計コンサルタントです。

彼女の任命について、イレアナ・ロドリゲスはこう述べています。「私がIPCより団長として任命されたことを光栄に思います。幸運にもパラリンピックで競技に出場できた元難民として、難民パラリンピック選手団を任されるというありがたさを噛みしめています。パラリンピックとは、国籍を超えたスポーツを体現しており、東京パラリンピックに出場するアスリートたちは世界中の難民の希望の象徴となるでしょう。」

「私たちは、ルートヴィヒ・グットマン卿のレガシーを受け継いていることを誇りに思います。彼は、暖かく迎え入れてくれる新しい国を見つけた難民でしたが、世界の偉大なムーブメントの1つとなるパラリンピックムーブメントを形作ったことで、その恩を世へ返しました。 私は、世界中の人々に向けて、難民パラリンピック選手団が難民アスリートを支援するように働きかけられること、そして、すべての難民が直面している窮状への関心が高まるようなプラットフォームを提示できることを期待しているのです。」

 

ドミニク・ハイドUNHCR渉外局長は次のように補足しました 「新型コロナウイルスのパンデミックにより、生死の危機に立たされ、日々のトレーニングにも苦労しているにもかかわらず、難民アスリートのしなやかな適応力と決意は輝きを放っています。」

「UNHCRにとって、国際パラリンピック委員会のイニシアティブをサポートできることは大変光栄なことです。パラリンピックは、すべてのアスリートがスポーツの頂点に立つために、時には克服しかねるような障害を乗り越えてきた難民パラリンピアンの素晴らしい能力を世界へ披露できる場なのです。」

難民パラリンピック選手団は、IPCが前回のパラリンピック競技大会での難民選手団の結成に伴う難民のイニシアティブを踏襲しています。リオ2016パラリンピック競技大会では、難民と庇護申請者のアスリートからなる2人が独立したパラリンピック選手団を結成しました。選手は以下の通りです:
シリア人のイブラヒム・アル=フセインは50メートルと100メートルの水泳自由形のうち、運動機能障害S10クラスに出場し、イラン人のシャハラッド・ナサジプールはF37階級の円盤投げに出場しました。

編集者注
IPCについて

国際パラリンピック委員会(IPC)は、パラリンピックムーブメントの世界的な統括機関です。IPCは、夏季・冬季パラリンピックの組織を調整し、かつ、10のスポーツ競技で国際競技連盟としての役割を果たすために、世界選手権やその他の競技会を監督・調整しています。IPCのビジョンは、パラアスリートたちがスポーツ分野において成功し、そして、世界に感動と興奮を与えることです。

UNHCRについて
国連の難民支援機関であるUNHCRは、紛争や迫害のために故郷を追われている人々の命を救い、権利を守り、より良い未来を築くことを目的としたグローバルな組織です。仮設住居や食料、水などの命を守るための支援を提供し、基本的人権の保護を促進し、家と呼べる安全な場所の確保をするための解決策を生み出しています。約130か国で支援活動を行っており、専門知識を生かして何百万人もの人々を保護・支援しています。

 


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