ギリシャのモリア受入センターでの火災に衝撃を受け、UNHCRは被害に遭った庇護希望者への支援を強化
本稿はジュネーブの国連欧州本部(パレ・デ・ナシオン)で行われた記者会見におけるシャビア・マントゥーUNHCR報道官による報告の要約です
公開日 : 2020-09-14
2020年9月11日 ― UNHCRは、今週モリア受入センターのほぼ全域を破壊し、数千の男性、女性、子どもたちのシェルターを奪った一連の火災が発生したレスボス島の事件に衝撃を受け深い悲しみを抱いています。
最初の火災が9月8日(火)の夕方に発生し、数千棟の庇護希望者のシェルターと共有エリアが広範囲にわたり被害を受ける中、さらなる火災が9月9日の夕方と昨日10日に報告されました。直近の火災は、“オリーブの森”として知られているモリア受付認証センター(RIC)の近隣地域に被害を及ぼし、まだ無事だった残りの宿泊施設を破壊しました。
これまでに死者は報告されていませんが、現在、女性2,200人と子ども4,000人を含む庇護希望者1万1,500人に十分なシェルターがなく、この数夜は道や野原、海岸の屋外で就寝しています。この中には幼い子どもたちや妊婦、高齢者、障がい者といった非常に弱い立場に置かれた人々も含まれています。
UNHCRは今回の火災の被害に遭った庇護希望者を保護・援助する手助けをするため、ギリシャ当局へ支援を提供し、リソースとスタッフを動員しています。UNHCRは人々が屋外で眠るようなことが確実にないように、緊急援助を提供しています。
新型コロナウイルスのパンデミックも、すでに厳しい状況に追い打ちをかけています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性と診断された人々へ、可能な限り早急の特別なケア、隔離治療の手配、医療サポートを提供する必要があります。UNHCRはモリア受付認証センターに以前滞在していたすべての人々に、一時的な解決策が見つかるまで行動を制限するよう助言しています。
極めて困難かつ流動的な状況の中、UNHCRはすべての人々に行動、または緊張を高めるような誇張の抑制・自制を促しています。
当局が緊急のシェルターを配置するために尽力する中、UNHCRは、モリアやギリシャのその他の島々にいる難民や庇護希望者のために長期的な解決策を見つける必要がある、と主張しています。UNHCRはエーゲ海の島々における庇護希望者が置かれた状況や境遇を訴えていく必要性に長く焦点を当てていました。モリアでのこの火災は、ギリシャの島々にある5か所すべての受入センターにおける住環境の改善、過密状態の緩和、安全性の改善、サービスへのアクセスのために行動を起こすという長く放置されてきたニーズを示唆しています。
ギリシャにおける庇護希望者の保護への差し迫った必要性に対応するため、UNHCRは保護者のいない子どもたちやその他の弱い立場に置かれた人々の移動の促進といったことを通じて、ヨーロッパ諸国や欧州連合(EU)機関等からの、より多くの支援を求めて行きます。UNHCRは、ヨーロッパ諸国が保護者のいない未成年や子どもがいる家族をギリシャから引き受けると発表した直近の声明を歓迎しています。
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