「私たちは皆、故郷が恋しいですが、あのままの恐ろしい場所に戻れないのです」と語るロヒンギャ難民

バングラデシュへ逃れて3年、ロヒンギャ難民のヌール・アイーナがミャンマーの思い出、避難の体験、そして未来への希望を分かち合います

公開日 : 2020-08-24

2017年8月、ミャンマーのラカイン州西部でぼっ発した激しい暴力行為ののち、ロヒンギャの子どもたち、女性たち、男性たち74万人以上が安全を求め、難民としてバングラデシュへ逃れました。その中の1人が18歳のヌール・アイーナです

クトゥパロン難民キャンプ、コックスバザール(バングラデシュ)2020年8月21日 ― ヌールは今、コックスバザール地域のクトゥパロン難民キャンプにある学習センターでビルマ語の講師として働いています。ヌールはこの難民キャンプで、ロヒンギャが無国籍の少数民族であるミャンマーでの生活、難民としての体験、そして未来への希望について思いを巡らします。

ミャンマーで私たちは土地を持っていて、花や野菜、たくさんの植物を育てていました。家族全員が一緒に暮らす大きな家を持っていたのです。暴力と殺戮によって、私たちは故郷を追われました。彼らは私たちが暮らす近隣の家々を燃やしました。私の村で発砲し、たくさんの人々を殺しました。私たちは毎日恐怖と共に暮らしていました。ついに逃れる決心をした時、選択肢はありませんでした。

それは私の人生におけるもっとも困難な旅でした。私たちは13日間、昼も夜も歩きました。川を渡るため、私の家族は手作りの竹のいかだを使いました。私たちの他にもたくさんの人々がいました。その数は答えられません。本当に大勢でした。

今、バングラデシュで、私たち3人きょうだいは母親と一緒に同じ家に暮らしています。私の姉は結婚し、義理の家族と別のキャンプで暮らしています。キャンプには私の親戚も何人かいます。しかし、もはやミャンマーの時のように暮らしていません。私たちは皆、異なるキャンプに離ればなれになっているのです。

故郷の家や庭がとても恋しいですが、学校に行けず勉強ができないことが最も寂しいです。私はミャンマーでは働く必要はありませんでした。私たちには生活していく余裕があったのです。しかしここでは、家族を支えるため働かなくてはなりません。ミャンマーでのかつての生活が恋しいです。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が広がる前、私はクトゥパロンにあるマンゴ一時学習センターでロヒンギャの子どもたちに勉強を教えていました。彼らに教えることは多くはありませんでしたが、子どもたちは楽しんで通学していました。彼らはアルファベットや算数、ビルマ語の詩や歌を学び、友達との時間を楽しんでいました。しかし、新型コロナウイルスのパンデミックが私たちの生活を変えました。

今、私たちは学習センターへ行くことができません。生徒たちも、もうクラスに集まることはできません。だから可能な限り、自宅授業を提供しています。生徒に会うために戸別訪問をして、授業を忘れないように子どもたちの勉強を手伝うのです。生徒全員を一度にチェックするのは簡単ではありません。学習センターで授業ができないのがつらいです。

ここ難民キャンプで、私たちは皆さんのご支援で暮らしています。ご支援を完全に頼りにしています。私たちはビニールシートと竹でつくったシェルターで暮らしています。ここでの暮らしは常に大変です。しかし、私は教育が最大の問題だと思っています。ここでは質の高い教育ができていません。基礎的な教育だけです。適切な教育、そして将来を必要としている子どもたちには十分ではありません。

私はかつてミャンマーで学校へ通っていましたが、高校以上の勉強をすることは許されていませんでした。私たちは厳しい差別に直面していました。ここキャンプで、公式な高等教育を望んでいる男子や女子もいますが、私たちにはそれを与えてくれる国も政府もありません。

私には子どもはいませんし結婚もまだしていませんが、未来の世代のために、公式な教育を受けたいです。いつか、ロヒンギャのコミュニティに公式な教育を希望します。私には、希望があるのです。

ミャンマーを逃れて以来、私たちの生活は完全に変わりました。私たちはここで安全を感じていますが、時々、ミャンマーの故郷のことを思います。ミャンマーの私たちの故郷、土地、庭、日々の生活が恋しいです。故郷へ帰り、すべてを取り戻したいです。私たちは皆、故郷が恋しいですが、あのままの恐ろしい場所に戻れないのです。

私たちはミャンマーの国民として、安全に帰還したいのです。もし国際社会がミャンマーに訴えかけてくれれば、それは可能だと、私は今も希望しています。

イファス・ヤスミンの口頭インタビューをテキスト化。

原文はこちら(英文)

‘We all miss home, but we cannot go back to the same fear’


ロヒンギャ難民危機

2017年8月以降74万人以上の人々がバングラデシュに流入し、未曽有の人道危機となったロヒンギャ難民危機。近年で最速・最大規模の難民危機となったこの状況で逃れてきた人の半数以上は、子どもたちです。

※当協会は認定NPO法人ですので、ご寄付は税控除(税制上の優遇措置)の対象となります。

X

このウェブサイトではサイトの利便性の向上を目的にクッキーを使用します。詳細はプライバシーポリシーをご覧ください。

サイトを閲覧いただく際には、クッキーの使用に同意いただく必要があります。

同意する