心の傷を乗り越え、エチオピアで新しい生活を始める南スーダンの姉妹

ナヤマクとニャコアの姉妹は、エチオピアに逃れた、親や保護者がいなかったり離ればなれとなっている南スーダン難民の子ども4万2,000人に含まれています

公開日 : 2020-08-11

ガンベラ(エチオピア)2020年8月2日 ― ナヤマク・ルルは、多くの人々が人生で経験するよりたくさんの喪失と哀しみを16年の人生で知りました。

この南スーダンから来た10代の少女は、まず武装グループによる攻撃で父親を失い、その後、母親を病気で失いました。彼女の故郷である上ナイル州グエルグクで戦闘がぼっ発した後、ナヤマクと妹は安全を求めてエチオピアに逃れました。

「私たちはお互いの世話をします、私たちは2人だけなのです」
ナヤマクの人生で変わらないものは、妹のニャコア(13歳)です。過去4年間、このルル姉妹はエチオピアのガンベラ地域にある南スーダン難民30万人を受け入れる7つのキャンプのうちの1つ、ジェウィで暮らしています。この国には、この他にも南スーダン難民4万人が暮らしています。

「私たちはお互いの世話をします、私たちは2人だけなのです」とナヤマクは言います。

他のきょうだいと違い、この姉妹はお互い口げんかをしないように心がけています。

 

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「私たちは言い争うのが本当に怖いのです。なぜなら、私たちにどんな未来が待ち受けているのか分からないのですから」と彼女は付け加えます。

ルル姉妹は2016年、戦闘各派による殺戮、性的暴行、村々の破壊から必死に逃れた数千人の後を追って、南スーダンから避難しました。

「とても厳しい状態でした。私たちは何も持たず逃れました」とさらにナヤマクは語ります。

南スーダンの紛争は、避難生活を送る南スーダン難民200万人以上の半数以上を占める子どもたちに破壊的な影響をもたらしました。暴力は彼らの家族や家、子ども時代を奪っただけではなく、数千の子どもたちが自分たちで生きることを強いられているのです。

家の前に立つナヤマク
難民キャンプにて、妹と2人で暮らす家の前に立つナヤマク

エチオピアでは、多くの難民の子どもたちは家族と暮らしていますが、4万2,000人という著しい数の子どもたちは、親や保護者がいなかったり離ればなれとなっています。避難の危機は、世界中で子どもたちが一家の主(あるじ)となる割合を最も高くしている原因の1つです。世界的には、その数は、15万人* とされています。(* Global Trends 2019より)

2人の小さな世帯の主として、ナヤマクは急いで成長せざるを得ませんでした。

「家族について考えたくないのです。なぜなら死んでしまったのですから」と彼女は言います。「私たちは今ここにいますが、彼らはいない。それだけのことです。」

ナヤマクは家をシミひとつなく清潔に整った状態にしています。鍋はきちんと重ねて積み上げられ、床は掃除され、ほうきは壁につるされています。彼女が編んだ緑のレースの敷物が壁にかかっています。すべて整理整頓されています。

学校から家に戻ると、ルル姉妹は慣れ親しんだ日課に落ち着きます。

食事をつくるナヤマク
妹との食事をつくるナヤマク

ナヤマクはほぼ毎晩食卓に出すトウモロコシ粉のポリッジ(* 粥のようなもの)の用意をします。彼女が石でトウモロコシの粒を叩いている間、ニャコグは粘土でできた壺に水を満たし、ナヤマクがポリッジを料理するための鉢を洗い、料理用の薪木を集めます。

「妹は私がするのを見て、私から少しずつ学んでいます」とナヤマクは言います。

食料が不足している時、ナヤマクはニャコアにまず食べるよう言います。この少女たちに靴が必要な時、ナヤマクは食料配給の一部を売り、ニャコアにまず買ってあげます。

「私自身より、妹の幸せな姿が見たいのです」と姉は言います。

隣人はこの少女たちを見守っていますが、ナヤマクは里親という案を受け入れません。

「私がそうしたくないのです。私だけで、妹の世話をします」と、彼女をはるかに年上に見せる固い思いを示しながら彼女は言います。

UNHCRガンベラ事務所のパトリック・カウマ准所長は、南スーダンの子どもたちが置かれている状況は、保護者がいなかったりはぐれてしまった子どもたちにとってだけではない、大きな危機だと語ります。

「可能なら、UNHCRは行方不明の親の居場所を突き止め、子どもたちが子どもたちであることを許されるようになるため、家族の再会に向けて働きかけています。子どもたちが世帯主となるということは、彼らが非常に幼い年齢で大人になることです。それは子どもたちがあまりにも早く大人になり、子ども時代を失わなければならないことを意味するのです。」

ナヤマクが最も重視しているのは、彼女と妹が可能な限り生き延び、学校に残ることです。彼女の好きな科目は英語です。

「いつか、良い仕事に就きたいと思っています」と彼女は言います。

Areez Tanbeen Rahman and Iffath Yeasmine

原文はこちら(英文)
South Sudanese sisters overcome heartbreak and make a new life in Ethiopia


紛争、迫害の犠牲となる難民の子どもたち

避難を強いられた人々の約40%は18歳未満の子どもであり、その中で保護者を失ったり離ればなれとなっている子どもが少なくないことをご存知でしょうか。UNHCRは、難民の子どもたちの命と安全を守ります。どうぞ私たちと一緒に、子どもたちを守ってください。

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