おかげさまで、中東北部の約260万人に防寒支援を届けることができました
公開日 : 2020-04-25
去る冬も、難民とともに。
おかげさまで、中東北部で避難生活を送る約260万人※に防寒支援を届けることができました。(2020年1月末時点)
中東北部での避難生活の中で、多くの人がシリアの紛争開始後9回目の冬を迎えることになった去る冬。助けを必要とするすべての人に、 UNHCRが手を差しのべることができるように、当協会は本格的な冬の始まりに先立って、皆様に難民の方々の窮状をお知らせするとともに、緊急防寒支援へのご協力のお願いをお送りしました。その直後から、多くの方が温かいお気持ちをお寄せくださいました。本当にありがとうございました。皆様から届けられたご寄付、そして世界各地から寄せられた支援により、UNHCRが事前に予定していた防寒支援に必要な活動資金額の満額が集まり、パートナー団体とともに難民の方々の冬の日々を支えることができました。本日は、中東北部における防寒支援の3つの成果をお知らせいたします。皆様に、心からの感謝の気持ちを込めて。
成果1:
本格的な冬の到来を前に支援を開始。一部地域では早期に支援を完了
シリアの周辺国で、UNHCRは防寒支援を早期に開始。74万人以上の難民が避難生活を送るヨルダンでは、1月には支援を必要とするすべての人に、予定していた防寒支援を届け終えることができました。

各国でこんな支援を届けました!
それぞれの家族が各々のニーズに合わせて緊急に必要なものを購入する冬季の現金の給付支援、冬に不可欠な保温効果の高い毛布や子どもの成長とともに必要になる冬服などが主な支援として届けられました。
成果2:
予定していた防寒支援に加え、冬期の不測の事態にも対応

皆様をはじめ、世界から寄せられたご支援により、シリア国内の激しい戦闘のために同国北西部、北東部で着の身着のまま避難した人々の元へ、年明け早々にも防寒支援を届けることができました。
年初にレバノンで猛威を振るった豪雪や洪水の際にも、UNHCRは即座にニーズ調査を行いました。仮設住居の補修・補強をするなどの迅速な援助活動を行い、過酷な環境下で厳しい冬を過ごす人々の暮らしを支えました。
成果3:
さらなる支援のニーズの吸い上げ。届けた支援に関する聞き取り調査を実施
UNHCRは関連機関やパートナー団体と協働し、キャンプや都市部に点在する人々の住まいを訪問し、防寒支援の聞き取り調査を実施。支援がどのように過酷な冬の日々を支えているかを調査しました。国内の戦闘により状況が刻々と変化するシリアでは、ほとんどの人が届けられた支援をありがたいと思うと同時に、さらなる防寒支援を必要としており、支援のニーズの究明につながりました。
皆様の温かいご支援を、どうもありがとうございました。
寒い冬が過ぎ去った今…中東北部で避難生活を送る人々も、新型コロナウイルス感染症の危機にさらされています。
防寒支援のお礼とともに、やはりお伝えしなければならないのは、今、シリアと周辺国で避難生活を送る人々に迫る、新型コロナウイルスの脅威です。人が密集して暮らすシリア周辺国の難民キャンプや戦闘により医療施設が破壊されているシリア国内での感染拡大は、私たちが直面している状況よりもずっと深刻なものです。UNHCRは新型コロナウイルスから難民の方々を守るために、さまざまな予防措置を講じるとともに、感染者が発生した際に迅速に医療機関と連携し対応できるよう準備を進めています。この世界的危機の中で、避難先での感染症の拡大により、さらなる苦境に立たされかねない難民、避難民の方々に、引き続きお心をお寄せいただけますと幸いです。
難民の方たちも、新型コロナウイルス対策に乗り出しています
追い込まれた状況の中でも勇敢に、生き生きと日々を生きる人びと。
これが、私がこれまで出会ってきたシリアの人たちの姿だ。
そんな人たちに手を差し伸べるために、
モチベーションを持たずに、どうしていられるでしょう。
UNHCR職員 リタ・タラーウネ
新型コロナウイルス緊急支援のお願い
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