サイクロン・イダイで被災した方たちにUNHCRが届けることができたもの
公開日 : 2020-02-03
アフリカ南部
サイクロン・イダイで被災した方たちにUNHCRが届けることができたもの
2019年3月、アフリカ南部のモザンビーク、ジンバブエ、マラウイに、サイクロン・イダイが直撃しました。暴風雨や洪水、土砂災害により、家々が倒壊。同地域の被災者は数百万人にのぼり、避難者が続出。深刻な被害は、ジンバブエのトンゴガラ難民キャンプで避難生活を送る約6,000人の難民にも及びました。現地で難民保護活動をしていたUNHCRは、政府からの要請を受け、甚大な被害を受けた3か国で緊急援助活動を展開しました。
UNHCRと自然災害
UNHCRの援助活動は難民保護を目的としていますが、自然災害が難民・国内避難民にも関わりがあり、被災国政府より支援依頼があった場合は援助活動を行います。
南半球に過去最大規模のサイクロンが上陸
アフリカ南部の大規模なサイクロン被害に迅速に対応
UNHCRが現地で実施した被災者支援(例)
- 現地事務所の支援に加え、緊急対応チームを派遣
- 被災者へのシェルター支援
- 現地のニーズに合った救援物資を世界各地の備蓄倉庫から手配し、現地で配布
- 女性や子ども、お年寄りなど、災害時に弱い立場におかれやすい人々の保護
- 災害時に蔓延しやすいコレラのワクチン接種キャンペーンの実施
- 洪水などで身分証を失った人々のサポート
など

思わずこぼれた笑顔をパチリ
避難した先で支援物資を受け取り、ほっとした表情を見せる人々。被害の大きかったモザンビークで。
“あなた方は一人ではありません” と思い出してもらうために、私たちはここにいるのです。
ヴァレンティン・サプソバUNHCRアフリカ南部局長
救援物資は、緊急時にどう役立つ?
被害発生直後、3万6千人の被災者に救援物資を届けました。
(サイクロン発生以降の配布数)
ジンバブエ 6万個 マラウイ 7万個 モザンビーク 2万9千個
サイクロンによる被害の発生直後、UNHCRは世界に点在する備蓄倉庫から救援物資を現地に送り、もっとも苦しい立場におかれた被災者の方に迅速に届けました。その物資は緊急事態下で、どのように役立つのでしょう。

給水容器
災害時、飲料水を媒介したコレラなどの発生・流行を防ぐために、清潔な水を確保し、衛生状態を保つ上で不可欠。

蚊帳
同地域で注意が必要な病であるマラリアは、対策を誤ると致命的な症状に。緊急時も蚊帳は感染を防ぐために必須。

ソーラーランタン
太陽光発電で動く緊急時の明かりとして人々に寄り添うだけでなく、携帯などの充電器の機能も備わっています。
テントやビニールシート、毛布、就寝用マット、給水容器、ソーラーランタン、蚊帳などの必要不可欠な物資を届け、その後も現地のニーズ調査に基づき支援を実施。
皆様からのご支援により、UNHCRは自然災害に
見舞われた人々を守る活動ができました。
日本も数々の自然災害に見舞われた2019年、世界の国々も自然の猛威に直面していました。アフリカにおけるサイクロン・イダイの被害に加え、ソマリアでは長期にわたる情勢不安と干ばつ、さらに洪水の影響により、多くの人が避難を余儀なくされ、南スーダンでも同国に逃れているスーダン難民が洪水被害に巻き込まれました。

深刻な気候変動の影響は、未来の問題を予感させるだけではなく、すでに自然災害により避難民が続出する事態を引き起こしていると言わざるをえません。自然の猛威から人々を守る力を貸してくださり、どうもありがとうございました。
今回はとりわけ、世界の皆様による毎月のご寄付で成り立っている備蓄倉庫の備えが、緊急支援を支える大きな力になりました。この機会に、ぜひ一度、毎月のご支援のご検討をいただけると幸いです。どうぞ今後とも、温かいご支援をよろしくお願いいたします。

ひとりでどのくらい運べるかな?
倒壊した家のそばに戻り生活を再スタートするため、避難所を後にする人々。
UNHCRは、シェルターや食糧、生活必需品などのサポートを、政府とともに実施。
皆様からのご支援により、UNHCRは自然災害に見舞われた人々を守る活動ができました。
※当協会は認定NPO法人ですので、ご寄付は税控除(税制上の優遇措置)の対象となります。