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公開日 : 2019-09-27
ロヒンギャ難民 50万人が登録完了*
それは、尊厳のある暮らしへの第一歩です。
バングラデシュで、このほど50万人のロヒンギャの人々が難民登録を行いはじめて身分証明書を受け取りました。それは、尊厳のある暮らしへの第一歩です。

日本に生まれた私たちが、当たり前のように持っている国籍。
教育や医療を受け、結婚や海外への渡航が自由にできるのも、この国籍に保障された権利があるからです。国籍を与えられていないロヒンギャの人々は、このようなあらゆる権利を奪われたまま生きてきました。逃避先のバングラデシュで、このほど50万人のロヒンギャの人々が難民登録を行い、はじめて身分証明書を手にしました。(* 2019年8月時点)

「自分の存在を証明するものを持つことは、基本的な人権です。しかし、ロヒンギャ難民の多くは、ずっと適切な身分証明書を持っていませんでした。だからこそ、身分を証明できるものを持つことは、尊厳のある生活への信じられないほど大きな一歩です」
今回の登録がロヒンギャの人々にもたらすものについて語るフィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官
難民登録で可能になること(例)

- 登録情報により、ロヒンギャの人々が必要とする支援をより正確に把握し届けることができるようになります。
- 医療をはじめ、難民キャンプで提供している各種サービスへのアクセスを保障します。
- 子どもや女性、障がいのある人、お年寄りをはじめ、特別な支援が必要な人を把握し、手を差しのべる助けとなります。
- モンスーンやサイクロンなど、自然災害の際の混乱で家族と離ればなれになっても、登録情報を元に再会できます。
- 人々が出身国に自発的に帰還する権利を約束します。
【動画】私は、この書類を離しません。
これは、私たちの身分証明になるからです。
(動画右下の設定で字幕をオンにしていただければ、日本語字幕が表示されます)
この古い書類は、ロヒンギャ難民のアミールさん(68歳)がミャンマーから逃れるときに持ってきた、とても大切なものです。母国で市民権をはく奪される前に、彼の国籍が確かにそこにあったことを物語っています。彼は言います。
「命と自分たちの信念を守るため、性暴力から女性たちを守るために、バングラデシュに逃れなければなりませんでした」
アミールさんのようなロヒンギャの人々に今日も支援を届けることができるのは、皆様一人ひとりのご支援があるからです。しかし、子どもたちの教育の機会が著しく限られているなど、解決すべき課題は、まだ数多くあります。今後も引き続き、ロヒンギャの人々にともに寄り添い、支えていただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
2019年末までに、この地のすべてのロヒンギャ難民の登録を目指します。
※当協会は認定NPO法人ですので、ご寄付は税控除(税制上の優遇措置)の対象となります。