バングラデシュにおけるロヒンギャ危機モンスーン対応について
公開日 : 2019-07-17
2019年7月12日 ― 多くのロヒンギャ難民が避難しているバングラデシュのコックスバザールでは再びモンスーンの雨季を迎え、人々は苦難を強いられています。7月に入って約2週間、激しい雨と風で今年最大の被害を受け、洪水、地滑り、シェルターの損害が難民の安全を脅かしています。
UNHCRと難民のボランティアは現場に立ち、家族を避難させ、緊急人道支援を提供しています。グローバル・トレンド2018で示されたように、ミャンマーから逃れた人々の数は、シリア、アフガニスタン、南スーダンに続き世界で4番目に多く、ロヒンギャ難民への支援はモンスーンの雨季の脅威にさらされている時期には特に、緊急を要しています。
UNHCRとパートナー団体は事前のモンスーン対策を進めていますが、今年の緊急事態を回避するためには、さらなる支援が必要です。UNHCRは、ロヒンギャ人道危機に対応するため3億4,850万米ドルの資金を必要としていますが、その約3分の1しか集まっていません(6月24日時点)。皆様からのさらなるご支援が必要です。
モンスーンのシーズンに突入し、そして2017年8月ミャンマーのラカイン州における暴力行為から2年を迎えるロヒンギャ難民危機において、UNHCRは今も、現地で以下のような緊急援助活動を実施しています。
モンスーン被害に関する最新情報及びUNHCRの緊急対応
- バングラデシュにおける約2週間に及ぶ暴風雨により、2万4,000人のロヒンギャ難民が被災し、コックスバザールではシェルター600軒が損傷。ロヒンギャ難民約100万人、うち約55%を占める子どもは、特に危険な状態にある。
- 7月上旬以来、72時間で推定350ミリメートルの降水量を記録し、今後、さらなる豪雨が予想されている。国連諸機関の報告によると、すでに地滑りの被害は200件との報告があり、4月下旬にモンスーン雨季が始まって以来、4万7,000人の難民が被災している。
- UNHCRとパートナー団体、そしてUNHCRによる初期対応の訓練を受けた難民のボランティアは、日夜、現地で緊急人道支援対応に動き、この自然災害の被害を受けた人々をより安全なシェルターに移動させている。
- UNHCRは甚大な被害を受けたり、その可能性のある2,100人以上の難民の一時避難を完了。損害を受けたシェルターを修理・補強するための緊急物資を提供している他、最も脆弱な状態にある難民のニーズを特定し、彼らへの援助を最優先させている。
- バングラデシュ当局が主導する人道的な対応全体を支援する上で、パートナー団体と進めているモンスーンへの準備・対応はUNHCRの最優先事項であり、以下のような支援が実施済みである。
- 丘陵の斜面における29.9キロメートルの排水工事、15.2キロメートルの防壁工事
- 3.5キロメートルの道路、19.2キロメートルの歩道の敷設
- 10.9キロメートルの階段の設置
- 108本の橋の設置
- ロープ、衛生キットといったモンスーン緊急物資9万セット提供
- 地滑りや洪水の被害に遭った難民へ、ビニールシートや麻袋、バケツといった災害緊急物資10万セット提供
- 難民1,200人以上への緊急対応訓練
- 難民8万人以上へ、緊急事態へ備えたコミュニティー主導による事前講習
- さらなる豪雨への警告、人命を救うための緊急チームの追加配備。
ロヒンギャ難民危機により緊急事態にある人々が天災の危機を迎える中、支援者の方々に対して、ロヒンギャ難民とその受入コミュニティーに対してさらなる緊急支援の要請。
バングラデシュ・コックスバザール現地についてのSNS投稿
Continuous downpour in Bangladesh has caused flooding, landslides, and extensive damage to hundreds of Rohingya refugee shelters. Our teams and volunteers are on the ground relocating families and providing urgent humanitarian assistance.
— UNHCR, the UN Refugee Agency (@Refugees) July 5, 2019
Read more: https://t.co/7CLZNAppj4 pic.twitter.com/YzXDTg2ZzM
ツイート訳
バングラデシュにおける継続的な豪雨は、洪水、地滑り、そして何百ものロヒンギャ難民の家族に甚大な被害を及ぼしています。UNHCRとボランティアは現地で、家族の避難、緊急人道援助物資の提供を実施しています。
ツイート動画訳
3日間続く雨は、バングラデシュ・コックスバールのロヒンギャ難民居住地に損害と破壊を引き起こしました。一時的ではなく、多くの家族がより安全なシェルターへ移動する必要がありました。引っ越さなければならない人もいます。同時に、修理作業も進行中です。しかし、次週、豪雨が予想されています。そして、モンスーンの雨季はさらに4か月続きます。
ロヒンギャ難民 緊急事態 モンスーン豪雨による深刻な被害
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