緊張?音楽ワークショップでチェリスト、ヨーヨー・マと歌う難民
バスマ・ジャブラにとって、ワークショップは新しいキャリアを築く直近のステップに過ぎません
公開日 : 2019-06-27
ウィーン(オーストリア)、2019年6月14日 ― 「もちろん、少しは緊張しています」と、前日の朝、リュートに似たアラブの楽器、ウードを担当する仲間のマルワン・アブドの家で練習する彼女は語りました。「また、私は新しい音楽を体験し、他の音楽家に会う機会を持つことにワクワクしています。」
バスマ(35歳)は、クウェートの音楽一家に生まれましたが、1990年の戦争でシリアに逃れました。そこで、彼女は建築家としての訓練を受けて働いていました。
シリアの紛争によって、バスマは再び難民となりました。彼女の夫、アイサール・アイサミーは、一人でヨーロッパまでの困難な旅をしました。彼が難民認定を受けた時、バスマと2人の幼い子どもたちは、彼と合流しました。2014年、彼女たちはオーストリアに到着しました。
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バスマは今、ウィーンのクラブや劇場で歌っていて、他のヨーロッパの国々でも公演しています。しかし、最初は厳しい状況だった、と彼女は言います。彼女はドイツ語がほとんど分かりませんでしたが、音楽が人間関係をつくる手助けをしました。
「音楽は世界共通語です」
「ある種の安心感でした」と彼女は言います。「音楽は世界共通語です。音楽を通じて、あらゆることを語ることができます。」
ヨーヨー・マとのワークショップは、多様性と社会的包容に捧げられました。難民10人を含む80人の参加者は「Lamma Bada Yatathana」を習得し、演奏しました。バスマがリハーサルしていたその曲は、中世スペインから続くアラビア語の歌です。

マルワンとヨーヨー・マに導かれ、参加者は2つのグループに分かれて、バスマのボーカルをサポートするために異なるリズムで歌う練習をしました。もう1人の難民、ハニ・アブ・ハーバー・アルナブは、白いピアノで即興演奏をしました。2015年にシリアから来たこの19歳は、到着以来、YouTubeのビデオを見るなどして、独学で演奏を習得しました。
参加者はウィーンの文化センターで開催されるそのワークショップに集まりました。彼らが演奏すると、ウィーンを訪問していたアントニオ・グテーレス国連事務総長が到着し、曲を聴くため、一番前の列に座りました。
「音楽、そして平和のもとで世界の異なる地域から人々が集まることができるという、素晴らしい実例です」と、演奏後、グテーレス国連事務総長は語りました。
ワークショップの後、バスマは輝いていました。「こんなに多くの人々をまとめるのは難しかったですが、楽しく、自然で、美しくもありました。そして私にとって、ヨーヨー・マと演奏したことは、喜びであり、光栄なことでもありました。」
Helen Womack
原文はこちら(英文)
Nervous? Refugee sings at music workshop with cellist Yo-Yo Ma
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