難民に関するグローバル・コンパクト 効果的、公正な難民支援を目指し、国際社会が歴史的な合意へ

国連総会は、避難を強いられた人々と彼らを受け入れるコミュニティーにより恩恵をもたらすため、革新的な国際的枠組みに合意します

公開日 : 2018-12-19

ニューヨーク・シティ国連本部の「難民に関するグローバル・コンパクト」の宣誓を記念するイベントでパフォーマンスを披露したピシンチュ合唱団のメンバー
ニューヨーク(アメリカ合衆国)2018年12月17日 ― 歴史的決意のもと、国連総会の加盟各国は今日、新しい国際的枠組みに合意しました。「難民に関するグローバル・コンパクト」として知られているこの枠組みは、大規模な強制移動と難民危機に世界が対応する方法に変化をもたらし、難民と、難民を受け入れるコミュニティーの両方に恩恵をもたらします。

「難民の大量流入に対処するにあたり、どの国も取り残されるべきではありません」とフィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は語りました。「難民危機では、世界で責任を分担すべきであり、このコンパクトには、今日の分裂した世界が、どう連携していくべきかがはっきりと示されています。」

「難民に関するグローバル・コンパクト」は、UNHCRの今年の年間決議の一部として合意されました。主に1951年の難民条約に代表される国際的な法制度や、人権、人道法に基づいています。これは、連携を進めるための、法的拘束力のない指針です。
→難民に関するグローバル・コンパクト日本語版ページ(UNHCR駐日事務所Webサイトへ)

 

「このコンパクトには、今日の分裂した世界が、どう連携していくべきかがはっきりと示されています」
国連総会で演説するグランディ国連難民高等弁務官

UNHCRが主導して、加盟国、国際機関、難民、市民社会、企業、専門家と2年間、広く協議を重ね、この新たな国際的取り決めでは、多くの難民が暮らす国々へのより強固な支援を提供します。また、紛争や迫害で避難を強いられた人々を援助する責任分担を強化します。

「支援を必要とする人々に背を向けられがちな私たちのこの世界では、避難の痛みを不名誉に政治問題化し、難民と移民を悪魔のように扱っていますが、このコンパクトは、移住に関するコンパクトとシナジーを生みつつ、国際協力への新たな約束を真に表明するものです」とグランディ国連難民高等弁務官は語りました。

この取り決めは、世界中で6,850万人が避難を強いられ、2,540万人が国境を越え、難民となっている記録的な数への緊急の対応が必要な時に、生まれました。

10人に9人の難民が、医療や教育といった基本的なサービスがもともと不足している発展途上国で暮らしています。インフラ、そして難民と受入コミュニティー両者へのサービス提供を強化するため、このコンパクトは、政府と民間両方からのさらに投資により、この問題に対処することを目的としています。

また、避難中も、難民が教育を受け、実り多い生活を送るための政策や対策も求めています。このコンパクトは、難民を受け入れる地域への環境的な影響に対処することを目的としており、代替エネルギーの利用の促進も含んでいます。

この合意は、難民が安全に移動できるように、家族の再会や留学生への奨学金、人道ビザによって、さらなる第三定住の機会をつくることも想定しています。難民が安全で尊厳のある状態で自主的に帰還することは、多くの難民状況において好ましい解決策であることに留意しています。

新たな合意では、各政府が資金、政策、法改正、再定住、分担等といった一連の法案を順守し、4年毎に報告するためのグローバル難民フォーラムの開催を含む、フォローアップシステムの確立を通じて、進捗をモニターしていきます。
「再定住が、私に希望を与えました」
難民に関するコンパクトが国連総会で採択された数日前に、政府間会合によるモロッコ・マラケシュでの「安全で秩序ある正規移住のためのグローバル・コンパクト」も採択され、今週後半に国連総会に提出されます。

「今日は、始まりです。難民と受入側が直面する困難に包括的に対応する私たちの任務の終わりではありません」と、ニューヨーク国連事務局での歴史的な「難民に関するグローバル・コンパクト」の採択を記念するイベントの中で、マリア・フェルナンダ・エスピノーサ国連総会議長は語りました。

「明日から、すべての加盟国が、社会と国連ファミリーとともに、私たちの努力を前進させ届けることが求められます。今日、世界の難民2,500万人が、私たちに期待しています。」
「私たちは、自分たちが経験したことを人々に伝えるため、ここにいます」
アミナ・J・モハメド国連副事務総長は、紛争の根源、そして人々が故郷を追われるさまざまな状況を明らかにする重要性を強調しました。

「私たちが難民の緊急のニーズに対応しなければならない一方、世界中で紛争や迫害によって避難を強いられている人々の記録的な数の根本的な原因にも対応しなければ、これは単なる症状への対処でしかありません」とモハメド国連副事務総長は語りました。

コンゴ民主共和国から逃れた元難民で、モザンビークのマプトにある難民キャンプで5年間を過ごしたバーティン・ベヒージは、2004年に再定住したアメリカ合衆国での再起と統合の感動的なストーリーで、イベントの参加者の心を動かしました。
ニューヨーク・シティ国連本部の「難民に関するグローバル・コンパクト」の宣誓を記念するイベントでスピーチをする元難民でワイオミング州ジレットの小学校の校長バーティン・バヒージ
「再定住が、私に希望を与えました」とバーティンは言います。「私は人生における第二のチャンスを与えられました。そして、私はその人生で何か目的のあることをしたかったのです。」

現在、バーティンは合衆国ワイオミング州ジレットのコミュニティーにおける礎となっていて、小学校で校長をしています。子どもの時の経験から、バーティンは、危険にさらされた子どもたちに働きかけ、彼らが必要とする支援を得られるようにすることに喜びを感じています。

「彼らが感じている痛みが、私にはわかったのです。十分に得られない、という痛みが」とバーティンは付け加えました。「しかし、私が得た希望を与えることができれば、変化をもたらすことができることも私は知っていました。」
「今日は、始まりです。難民と受入側が直面する困難に包括的に対応する私たちの任務の終わりではありません」
異なる19か国から来た若い難民・移民で構成されたピシンチュ合唱団のメンバー34人が、高揚感のある2曲の高らかな旋律でイベントを締めくくりました。

「音楽は教育だと思います」とイラク出身のファティマ・ラムルム(14歳)は語りました。「私たちは、自分たちが経験したことを人々に伝えるために、ここにいます。」

9歳から23歳までの少女と、若い女性たちで構成されたこの合唱団のメンバーは、国連本部ビルで演奏し、グローバル・コンパクト採択への支援を表明するため、はるばるマリーン州ポートランドから来ました。

南スーダンから来た元難民のニャワル・リア(24歳)は、彼女たちが属するコミュニティーで声を上げることの重要性を強調しました。「難民が存在感を示していくこと、受け入れる国々に私たちの貢献を認識してもらうことは、とても重要なのです。」

バーティンとピシンチュ合唱団のメンバーは、難民と受入コミュニティーがともに栄えるように、グローバル・コンパクトが強化し、築こうとしている解決策の実例です。今日のこの歴史的採択が、この大望を現実のものにするのです。

Marta Martinez

 
原文はこちら(英文)
States reach historic deal for refugees and commit to more effective, fairer response


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