実践例:高校生による難民問題への取り組み(京都)

公開日 : 2018-06-07

京都府立南陽高等学校の生徒の皆さんが難民問題に興味を持ち、2017年夏、国連UNHCR協会主催の『難民についての教材活用セミナー』へ参加されました。
ここでの経験を活かし、生徒の皆さんが実際に募金活動を行ったり、小学校で「あるものないものワークショップ」を活用されたということで、その様子を南陽高等学校の先生よりご寄稿いただきました。

南陽高等学校サイエンスリサーチ科での実践(南陽高等学校担当教員の先生より)

京都府立南陽高等学校サイエンスリサーチ科は総合的な学習の時間に、生徒が興味ある分野で研究テーマを設定し、サイエンスゼミとして探究活動に取り組んでいます。
その中のひとつである「国際ゼミ」では、難民支援活動の輪を広げるために中学校などでワークショップを実施されている学生団体SOARの学生と連携し、御指導をいただきながら「難民問題について私たちにできること」を研究テーマとし活動してきました。

南陽 実践 難民

現3年生である本ゼミ生徒は1年次の最後に、このテーマを設定し、2年になる春休みには大阪市リバティおおさかで行われた講演会「もっと知ろう!もっと考えよう難民のこと」に参加しました。
また、学生団体SOARの学生に話を聞いたり、関係書籍を読んだりして難民問題について深く学んできました。2年次の夏休みに国連UNHCR協会が教員向けに実施されたワークショップに参加し、この問題について自分たちにできることの一つは難民問題をもっと多くの人たちに知ってもらうことだと考えました。

夏休みのワークショップでお会いした国連UNHCR協会天沼様にご協力いただき、本校文化祭で募金活動を実施しました。
集まったお金は国連UNHCR協会に寄付をさせていただきました。
在校生にとっても難民問題について知る良い機会となりました。

1年の最後の締めくくりとして、「あるものないものワークショップ」を自分たちでアレンジし、3月15日(木)京田辺市立草内小学校5年生2クラスを対象に出前講座を実施しました。
教室に入ってくる小学生一人一人に「キリン」「ハト」「プール」「温泉」などの絵が描かれたカードを一枚ずつ渡し、ペアになる人を探して着席してもらいました。
それからそのペア同士で「あるもの・ないもの」を考えてもらうという導入をしました。
子どもたちの反応が非常に良く、予想外の発想の意見も多数出るなど、関心させられると同時に、和やかな雰囲気でワークショップを行うことができました。

参加した5年生の子どもたちからは、「難民の人は食べ物や家がないことが分かった。周りの人にも伝えていきたい」「難民という言葉を知らなかった。積極的に募金したい」との声が出るなど、自分たちのあまり知らなかった世界の様子について、深く考える場となったようです。
ワークショップ後半で「難民にあるもの・ないもの」を考えた時、私たちにも難民にもあるものとして 平和を思う気持ち という意見が出て驚きました。ワークショップを実施した本校ゼミ生にとっても多くのことを学ぶ機会となりました。

※京都新聞2018年3月16日記事はこちら
※洛南タイムズ2018年3月16日記事はこちら

おわりに

南陽高等学校の生徒の皆さんの主体的で積極的な活動により、小学校で更に難民問題の認知が広がりました。草内小学校の児童の皆さんにも、高校生がワークショップをおこなうことで、新鮮で心に響く時間になったのではないでしょうか。

中高生の生徒の皆さんによるワークショップもいくつか実践例がございます。ご報告を頂き次第、随時こちらで公開致します。

また、2018年の夏も「難民についての教材活活用セミナー」を札幌、東京、横浜、名古屋、大阪、広島、福岡で行う予定です。
詳細が確定し次第、告知致します。たくさんの方のご参加お待ちしております。

最後に、授業を行うだけでなく、お忙しいなか本記事作成にご協力いただいた京都府立南陽高等学校の重村先生に心より御礼申し上げます。

※「難民についての授業の広場」はこちら
※「出張授業/学習訪問」について詳しくはこちら
※「学校・団体の皆様へ」について詳しくはこちら
※「ご寄付でできること」について詳しくはこちら

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