実践例:短期大学の授業における難民についての教材の活用(長野)
公開日 : 2018-06-05
2018年5月18日に長野県の清泉女学院短期大学にて学生団体SOARの清水が「いのちの持ち物けんさ」ワークショップを実施しました。
今回は同時にSkypeを活用して、国連UNHCR協会職員の天沼が難民やUNHCRについての講義も併せて行うという実践を試みました。
以下、ワークショップを主導した清水からの実践報告です。
【清泉女学院短期大学 実践報告】

2018年5月18日に清泉女学院短期大学にて「いのちの持ち物けんさ」ワークショップを実施させていただきました。
今回のワークショップの対象者は、清泉女学院短期大学で主にビジネスに関して勉学に励んでいる学生のみなさんで、約20名の方にご参加頂きました。
また、今回のワークショップは通常の「いのちの持ち物けんさ」だけでなく、国連UNHCR協会職員による講義とディスカッションを行うという内容となりました。
学生のみなさんは、「Searching for Syria」というウェブコンテンツを用いて事前学習をしてくださっており、シリアは紛争が起こる前は文化的、経済的にも豊かな国であり、紛争や難民問題はいつどこで起こるか分からず、私たちにとってもただの遠い国で起こっている他人事ではないという意識のもと、集中して取り組んでくださいました。

「いのちの持ち物けんさ」のワークショップにおいて疑似喪失体験をした際には「絶望」「生活を送ることができない」「生きがいを見つけられない」というような感想がありました。
普段、「難民」という言葉を聞くのはニュースの中だけで、具体的にどのような境遇に彼らが置かれているのか考えることはほとんどないと思いますが、このワークショップを通して実際に難民の人々が抱えている気持ちや問題をイメージし、理解することができたのではないかと思います。
Skypeを活用した講義においては、難民キャンプで生活している人々の写真を、1枚1枚食い入るように見ていた姿が印象的でした。
距離の離れた場所をつないだ時間となりましたが、円滑に進めることができ、新たな授業の可能性を感じることができました。

最後のディスカッションでは、テーマとして「自分たちが難民の人々を助けるためにできることは何か」というものを掲げ、そのテーマを深く掘り下げていきました。
例として、ただ「募金をする」というような曖昧な案ではなく、「どれくらいの人数の規模で」「どんな場所で」「より多くの募金を集めるにはどのような工夫が必要か」といったように実際に自分たちが行う事を考慮し、話し合いました。
限られた時間の中で難しい内容ではあったと思いますが、数か月前までは高校生だったとは思えないほど画期的なアイデアを出してくださり、とても有意義な時間になりました。中でも、イギリスでゴミ箱に活用してポイ捨てを減らしたアイデアをもとに考えられた、募金を活性化するアイデアは、実現したら面白いのではないかと感じました。

難民問題だけに限らず、自分たちが世界をより良くしていくためにできることはたくさんあるということを実感する機会として、この授業は役割を果たせたのではないかと思います。
今回授業を受けられたみなさんは、学園祭での活動のなかから難民支援のために寄付することなどを計画されており、難民支援の輪がさらに教育現場を中心に広がっていくことでしょう。
このワークショップを通じて「自分にできること」について改めて考えていただけるように、今後も張り切って活動して参ります。
最後になりますが、ワークショップに参加して下さった清泉女学院短期大学のみなさん、本当にありがとうございました!
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