エチオピアの暴力行為からケニアに逃れる何千もの人々
2週間前のエチオピア軍による村落襲撃以来、国境を越えたエチオピア人は約9,600人と推定されています
公開日 : 2018-04-04
エチオピア出身、6人の子どもの母親であるマリーチャ・ドヨ(36歳)が、ケニア北部のエチオピア国境にあるモヤレの一時受付センターで生後5日の娘ヌリアをあやしています。
モヤレ(ケニア)2018年3月28日 ― エチオピアでの暴力行為勃発後、マリーチャは出産間近かつ空腹の状態で、トゥーカの町から5日前にたどり着きました。反対派の地域への襲撃でエチオピアの軍隊が彼らの村を攻撃した時、複数の死者が出た、と難民は言います。
兵士達は誤って9人の民間人を殺害し、多数の負傷者を出した、とエチオピア政府は述べました。また、関わった兵士達は武装解除され、調査のため事件が起こった地域に代表団が派遣された、と付け加えました。
夫と5人の子どもと共にモヤレに到着した48時間後、マリーチャは産気づいて、6番目の子どもの出産が始まりました。
彼女は赤ん坊のヌリアを無事出産した喜びで、感情的になり少し涙ぐんでいます。しかし、故郷の状況と、いつまでケニアに滞在しなければならないかを心配しています。
「途中で赤ん坊が生まれるのではないかと、本当に心配しました」

隣に座っているのは、娘の到着の5日後にたどり着いた彼女の母親のダルミガルマ・ボク(55歳)です。
「途中で赤ん坊が生まれるのではないかと、本当に心配しました。しかし、無事に到着するまで赤ん坊が待ってくれたことは、本当に神に感謝です」と彼女は言いました。
彼女たちはこの2週間で国境を越えてケニアへ入った9,600人のエチオピア人に含まれます。
その80%は女性と子どもで、1,500人近くは5歳未満です。到着した人々の中には、600人以上の妊婦の他、障がい者やお年寄りもいます。
この攻撃で亡くなった人々の身元と死因は不明です。エチオピア当局は、徐々に平和を再建する、と語っています。
マリーチャのような家族は、ケニア政府や人道支援団体に頼っています。UNHCRは、最も緊急なニーズに応えるため、国連児童基金(ユニセフ)、国際連合世界食糧計画(WFP)、ケニア赤十字、セーブ・ザ・チルドレン、ワールド・ビジョンといった他団体と共に尽力しています。
「私達が受けた援助に、とても感謝しています」

水、食糧、シェルター関連物資が配給されており、人道支援団体によって医療ケアも提供されています。病気を防ぐため、トイレや手洗い所などの衛生設備も建設中です。
「私達は何も持たず逃れ、モヤレを目指す2日間、何も食べませんでした」とダルミガルマは言います。「家を作るための防水シート、食糧、調理器具といったその他の生活用品…私達が受けた援助に、とても感謝しています。」
ケニア政府はUNHCRの援助で、到着した人々へ生体認証による登録を実施しています。庇護希望者の登録によって、政府や人道支援団体は障がい者に食糧を提供し、UNHCRや他団体がきちんと援助できるように、特別なニーズがある人々を特定できます。
モヤレの地元の人々も命綱であることが証明されています。近隣に住むハラカノ・ラエは、ヌリア誕生後、マリーチャの家族に滞在する場所を提供しています。
「異なる国に住んでいても、もし彼らが安全を求めて私達の所へ来たのなら、私達は手助けしなければなりません」

「赤ん坊には安全な環境が必要だ、と私は彼らに伝えました」と彼はUNHCRに語ります。「だから、彼らがもっと良い住み家が見つけるまで、私は彼らを助けをすることに決めたのです。私達は隣人で、同じコミュニティにいます。異なる国に住んでいても、もし彼らが安全を求めて私達の所へ来たのなら、私達は手助けしなければなりません。」
マリーチャとダルミガルマは、幸せだしケニアで安全を感じている、と言います。しかし、彼らの望みは、安全になったら故郷へ戻ることです。
「エチオピアは私達の国ですし、平和であれば、私達は戻ります。」
Rose Ogola
原文はこちら(英文)
Thousands flee into Kenya to escape Ethiopia violence
UNHCRの難民支援
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