ミャンマーでの暴力から逃れるロヒンギャに緊急支援を

公開日 : 2017-09-13

当局は、推計7万3,000人のロヒンギャが、既に一杯のバングラデシュの難民キャンプに安全を求めてやってくる事態を「真の危機」として警告しています

ミャンマー北部ラカイン州との国境を越えてすぐのウクヒヤ地区(バングラデシュ)に着いたばかりのロヒンギャたち

クトゥパロン・キャンプ(バングラデシュ)2017年9月4日 ― 裸足で生きのびるために走って、ロヒンギャ系住民であるディララ(20歳)は、幼い息子をかかえて、最近バングラデシュへ辿り着きました。彼女の家族はミャンマーでの暴力によって離散しました。

「夫は村で撃たれて、私は息子と義理の家族と一緒に逃げ出しました」とディアラ(20歳)は語りました。彼女は9月1日に泥だらけの足を引きずり、クトゥパロン難民キャンプにやって来ました。「私たちは3日間歩き、時には身を隠しました。山はぬかるんでいて滑りやすく、何度もころびしました。」

ミャンマーのラカイン州北部での暴力から逃げるため何日もかけて歩き、バングラデシュへ到着したディアラや彼女の息子のような女性、子ども、男性は、推計7万3,000人に上ります。多くは空腹で体調が悪く、命を守るための支援が必要な状態です。

ここ数日、ロヒンギャの大集団がミャンマーと国境を接するバングラデシュ南東部ウクヒヤやテクナフ地域に渡っています。多くは広大な田んぼを苦労して歩き、とにかく持ち出せたものを抱えながら近くの村へと向かいました。

「これは真の危機です…各家庭はどんどん新たな人々を受け入れ、どこもかしこも一杯です。この状態にどれくらい耐えられるのか私には見当もつきません」

ディアラは旅の途中で義理の両親を見失ってしまい、キャンプまで仲間の村人に付いて来ました。「今自分がどこにいるのか分かりません…。ただ、自分の命を守るために逃げ出しただけ」と彼女は18か月の幼い息子を抱え、呆然とした様子で語りました。

行く当てもなく、新たに到着した人々の多くは1990年代に設立された難民キャンプへと誘導されています。

クトゥパロン・キャンプは8月25日の早くに発生したラカイン州北部の暴力以降、推計2万人の難民を受け入れました。もうひとつの難民キャンプであるナヤパラは推計6,500人を受け入れました。他の人々は間に合わせの場所や地元の村に散らばっています。

「これは真の危機です」とコックス・バザール(バングラデシュ)のムハンマド・アブル・カラム難民救済帰還担当コミッショナーは述べました。「キャンプ内の人数は2倍以上になりました。クトゥパロンは収容能力の限界を超えています。各家庭はどんどん新たな人々を受け入れ、どこもかしこも一杯です。この状態にどれくらい耐えられるのか私には見当もつきません。」

新たに到着した人々は、既に満杯のクトゥパロン・キャンプでどうにか場所を見つけようとしている

クトゥパロンとナヤパラ・キャンプのどちらでも、新たに到着した人々は学校やコミュニティセンター、マドラサといった共有の建物に入れられています。UNHCRとパートナー機関は当局と協働してキャンプ内に防水布で覆った建物を設置し、シェルターを提供しています。しかし、そのような設備さえも飽和状態に達しています。

「皆お腹を空かせ喉が渇き、厳しい体験のあとで病気になっています。少なくとも屋根のある場所にいてもらいたいのです」とスバーシュ・ウォスティUNHCRコックス・バザール事務所長は語りました。「毎日1,000人単位で人がやって来るので、緊急シェルターとそれを建てる追加の土地が必要です」

緊急援助として食糧と医療も必要です。中には何日も何も口にせず、雨水と地下水で旅をしのいだ人もいます。

国際連合世界食糧計画(WFP)やアクション・アゲインスト・ハンガーといった機関は、高カロリービスケットや温かい食事を新たに到着した人々に提供しています。難民ボランティアも高まる需要を満たすため、共同キッチンを設置しました。

 

「毎日1,000人単位で人がやって来るので、緊急仮設住居とそれを建てる追加の土地が必要です」

 

カレダ(26歳)は難民ボランティアの1人です。クトゥパロン難民キャンプの自分の小屋の外で共同キッチンを運営し、ご飯、レンズ豆、ジャガイモ、時には魚を毎日400人に提供しています。

「彼らは何も持たずにやって来ます」と避難先で生まれた英語教師が言いました。「彼らは何もかも必要です。私は助けたくて、自分が出来る限り分け与えています。」

UNHCRは地元当局や難民ボランティアと密に協力して、治療を必要とする人々等、特に脆弱な人々を見つけ、彼らをキャンプ内にある保健所に紹介しています。より深刻なケースでは、地元の病院への紹介もしています。

今回の流入以前から、バングラデシュは登録されたロヒンギャ難民約3万4,000人をクトゥパロンとナヤパナ・キャンプで受け入れていました。更に、未登録のロヒンギャ難民数十万人が、間に合わせの場所や地元の村で暮らしています。

UNHCRは、最も支援を必要としている人々を支援できるように、バングラデシュに新たに到着する人々と未登録のロヒンギャの人々が登録されるように働きかけています。

Vivian Tan

原文はこちら(英文)
Shelter urgently needed for Rohingya fleeing Myanmar violence


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