日本人建築家の坂茂氏、ケニアに滞在する難民数千万人用に新たな住居デザインを担当
「重要なことは、ほとんど技術指導を必要とせずに、地元で調達でき環境に優しい材料を使って住居を建設することです。さらに、住民が簡単に維持できる住居であることも大切です。」
公開日 : 2017-09-04
「建築界のノーベル賞」と言われるプリツカー賞を2014年に受賞している有名な日本人の建築家である坂茂氏は、ケニアのカロベイエイ難民居住地に、新しい家2万軒を建てるという合意書にサインしました。
坂氏は、南スーダンなどの国々からこの地域に到着する何万人もの難民に対して人道支援組織が住居を提供するのが極めて困難になっている状況を知り、すぐこの活動に参加することにしました。今年はすでに1万7,000人以上の難民が逃れてきています。
この居住地を訪問中、住居の現状やデザインのニーズを査定するため、坂氏は難民や地域のコミュニティと面会し、避難してきた何千人もの人々が住む住居の構造を視察しました。彼はこの活動に同意した理由と、プロジェクトのビジョンを説明しました。
坂氏は、南スーダンなどの国々からこの地域に到着する何万人もの難民に対して人道支援組織が住居を提供するのが極めて困難になっている状況を知り、すぐこの活動に参加することにしました。今年はすでに1万7,000人以上の難民が逃れてきています。
この居住地を訪問中、住居の現状やデザインのニーズを査定するため、坂氏は難民や地域のコミュニティと面会し、避難してきた何千人もの人々が住む住居の構造を視察しました。彼はこの活動に同意した理由と、プロジェクトのビジョンを説明しました。
この居住地は当初は4万5,000人が暮らせるように設営されましたが、難民の流入によりこの数は増加することが予想されています

「重要なことは、ほとんど技術指導を必要とせずに、地元で調達でき環境に優しい材料を使って住居を建設することです。さらに、住民が簡単に維持できる住居であることも大切です。」
坂氏にとってこのプロジェクトは、地元の人々がどのように住居を建設するか学ぶことができ、災害に関連した住居の提供に関わる彼の知識と経験を提供できるという意味で自分にとっても重要だと彼は話しました。
この協定は、カロベイエイで主に南スーダンとソマリアからの難民3万7,000人以上への住居という基本的な人道支援の提供への重要な一歩です。この居住地は当初は4万5,000人が暮らせるように設営されましたが、難民の流入によりこの数は増加することが予想されています。
多くの人が坂氏はこのプロジェクトに適任であると言います。彼はイタリアやトルコ、ネパールなど世界中の国々で、ボール紙、木材、木製のビールケースなどの基本資材を使った住居を、避難してきた人々のために建てるプロジェクトを成功させてきました。
彼は、1990年代の内戦の後に逃れてきたルワンダ難民200万人のために、紙でできた住居をデザインすることに貢献したことで知られています。そして彼は、建築界でいくつもの名だたる賞を受賞しています。
彼は、1990年代の内戦の後に逃れてきたルワンダ難民200万人のために、紙でできた住居をデザインすることに貢献したことで知られています。そして彼は、建築界でいくつもの名だたる賞を受賞しています。
「関連する国の役人や難民の代表者、地元の人々に、このデザインの過程に参画してもらいます」

しかし、カロベイエイで住居を建設することは容易なことではないでしょう。大量の難民の流入により、たくさんの仮設住宅のシートで作られた壁が擦り切れ始めました。他にも様々な制約があります。水不足、森林伐採、極端に高い気温、大洪水を引き起こす雨季などです。さらに、カロベイエイのような遠隔地にはたくさんの障害があります。この地域には民間航空便がなく、材料を調達する首都のナイロビからは陸路で最大3日間かかってしまいます。
住居の分野における持続可能な開発を主導する国連人間居住計画は、坂氏と共に目標の達成に努めていくことにしています。
住居のデザインは、しっかりと地元の気候に合ったものにしつつ、国の住宅規則にも従わなければなりません。さらに、複製可能で持続可能な解決策である必要があります」と寺田ゆか国連人間居住計画プロジェクトコーディネーターは話しました。「国連人間居住計画のアプローチは、一般参加型で、関連する国の役人や難民の代表者、地元の人々に、このデザインの過程に参画してもらいます。」
国連人間居住計画が特にケニアで難民の住居に着目するのは、今回が初めてです。
ラオルフ・マゾウUNHCRケニア事務所代表は、難民と地元のコミュニティの両方の利益を考慮したカロベイエイの住居問題に取り組み、解決策を見つけようとする坂氏の意欲を歓迎しました。
「私たちは、坂氏の支援にとても感謝しています。きちんとした、長持ちする住居は、カロベイエイに滞在する数千の難民のニーズに応えるためにとても重要です。このような住居に関する素晴らしいパートナーシップは、難民を力づけ、耐久性のある安定した住居の提供によって自立を促すことができます。さらに、カロベイエイの社会経済状況の改善をすることで、避難してきた人々と受け入れ側のコミュニティの両者の利益にもつながります。」
坂氏のデザインは、20軒の住居で試験的に使われ、成功すれば、既存の造りに代わって本格的に採用されることになります。しかし、住居建設に必要な資金はこれから調達する必要があります。
このカロベイエイ難民居住地は、難民と地元のコミュニティに対して統合的なサービスを提供するため、トゥルカナ州政府、UNHCRとその他のパートナー団体によって2015年に設立されました。避難してきた多くの人々が平均で16年も難民として仮設住宅で過ごしているので、難民危機に対してより持続可能な開発的アプローチにとり組む必要があるのです。
住居のデザインは、しっかりと地元の気候に合ったものにしつつ、国の住宅規則にも従わなければなりません。さらに、複製可能で持続可能な解決策である必要があります」と寺田ゆか国連人間居住計画プロジェクトコーディネーターは話しました。「国連人間居住計画のアプローチは、一般参加型で、関連する国の役人や難民の代表者、地元の人々に、このデザインの過程に参画してもらいます。」
国連人間居住計画が特にケニアで難民の住居に着目するのは、今回が初めてです。
ラオルフ・マゾウUNHCRケニア事務所代表は、難民と地元のコミュニティの両方の利益を考慮したカロベイエイの住居問題に取り組み、解決策を見つけようとする坂氏の意欲を歓迎しました。
「私たちは、坂氏の支援にとても感謝しています。きちんとした、長持ちする住居は、カロベイエイに滞在する数千の難民のニーズに応えるためにとても重要です。このような住居に関する素晴らしいパートナーシップは、難民を力づけ、耐久性のある安定した住居の提供によって自立を促すことができます。さらに、カロベイエイの社会経済状況の改善をすることで、避難してきた人々と受け入れ側のコミュニティの両者の利益にもつながります。」
坂氏のデザインは、20軒の住居で試験的に使われ、成功すれば、既存の造りに代わって本格的に採用されることになります。しかし、住居建設に必要な資金はこれから調達する必要があります。
このカロベイエイ難民居住地は、難民と地元のコミュニティに対して統合的なサービスを提供するため、トゥルカナ州政府、UNHCRとその他のパートナー団体によって2015年に設立されました。避難してきた多くの人々が平均で16年も難民として仮設住宅で過ごしているので、難民危機に対してより持続可能な開発的アプローチにとり組む必要があるのです。