空腹と絶望から、エチオピアに逃れる数千人ものソマリア人

アル・シャバブの脅威と悪化する干ばつで、数千人ものソマリア人が、故郷を捨てて近隣のエチオピアに避難しています

公開日 : 2017-04-14

アル・シャバブの脅威と悪化する干ばつで、数千人ものソマリア人が、故郷を捨てて近隣のエチオピアに避難しています

 
ドロアド(エチオピア)2017年3月25日 ― お腹を空かし疲れきって、アイシャ・ユサフ・アブディ(40歳)と彼女の7人の幼い子どもたちは、ソマリア国境を超える3日間の大変な旅の末、ついにエチオピアに辿り着きました。

「私たちは歩き続け、道路で寝泊まりしました」と、彼女は長旅を思い出し、そわそわと目を動かしながら話します。「私は子どもたちが生き延びられるよう、夫と両親の元を去らなくてはなりませんでした。」
 
アイシャは、アル・シャバブの暴力と今年エチオピアで深刻化している干ばつから逃れた4,300人のソマリア難民の1人です。食糧不足によってやつれてやせ細って安全な場所にたどり着く人が増えています。
「私たちは歩き続け、道路で寝泊まりしました」
アイシャ・ユサフ・アブディ(40歳)は7人の幼い子どもたちを連れてソマリアの干ばつから逃れてきた

「人びとは空腹で到着します。かなりの人数の母子が栄養失調です」とUNHCRエチオピア事務所のサンドラ・ハーラス上級保険担当者は言います。

 
ドロアド受け入れセンターで、難民は登録され、疾患がないか検診を受けます。5歳未満の子どもたちの約4分の3は、栄養失調で到着します。「命を救う為に緊急の注意を要するとても脆弱な状況です」とハーラスは言います。

「私たちには農場も牛も、テーブルに並ぶ食べ物ありました。しかし干ばつが来ていることがわかりました」とアイシャは言います。家族は農場で無理に生産を続けようとしましたが、努力もむなしく、彼女は去る時が来たと悟りました。「すべての牛も、何もかも、私たちの目の前で死にました。私たちは空腹で、食べ物を求めています」と彼女は言い添えます。

空腹と絶望の感情は新たに到着した人びとの間では普通です。8人の父親であるアリ・セイド(31歳)と彼の家族は干ばつと危険な状況の両方から逃れてきました。「干ばつはとてもひどくて、地域によっては近寄れません」と、アリは息子の1人を優しく落ち着かせながら話します。

わずか数週間のうちに彼の農場は渇き、動物たちは死にました。「そのような状況下でさえ、アル・シャバブがそこにいるから助けも呼べないのです」と彼は言います。

国外に逃れる人がいる一方で、ほとんどのソマリア人は国の中で安全な場所を探しています。この4か月で、25万6,700人のソマリア人が干ばつによって国内避難をしています。UNHCRとその他の人道パートナーは、2011年に経験した、25万人のソマリア人が亡くなり数十万以上の人びとが国境を渡った壊滅的な飢餓へと悪化するのを止めようと大急ぎで活動しています。

ソマリアは世界で4番目に難民危機がひどい国です。何十年も、140万人以上のソマリア人が避難先で生活しています。大多数は周辺地域の国々に受け入れられています。エチオピアだけで24万5,500人以上のソマリア人を受け入れています。ソマリアでまた潜在的な危機が発生したことにより、周辺各国のリーダーは、ソマリア難民に対する更なる包括的な国際的対応を呼びかけています。

ソマリアのシアド・バレ体制が崩壊した後、1990年初頭にソマリア難民が到着するようになって以来、エチオピアは寛大な受入国となっています。UNHCRとIKEA基金を含むパートナー機関は2015年以来この事業の支援の一環として、トレーニングと乳製品製造のための設備を提供しており、地域コミュニティ全体にとって有益だと見られています。

「国際社会はこれらの危機に対する新しい方策を採って、まず緊急のニーズに対応しつつ、難民が自立し、受け入れられた地域の発展に寄与できるような機会を創出するための投資が必要です」とスリーヤ・リアズUNHCR保護官は述べています。
「私たちは空腹で、食べ物を求めています」
3月25日に、政府間開発機構(IGAD)の加盟国は、国際社会とその他のステークホルダーとケニアのナイロビで会合を開きました。目的は、ソマリア難民に持続可能な解決策をもたらし、受け入れ国の保護環境を強化する為に、包括的な地域に根差したアプローチを主導することでした。

それに加え、このサミットでは、ソマリア国内で避難している推定110万人と、周辺地域にいるソマリア難民100万人以上に被害を及ぼしている現在の干ばつに対する効果的な対処法を考え出すことが求められました。

干ばつは今エチオピア南部の24万5,000人のソマリア難民がいる地域へと拡大し、ただちに援助し、命を救い、開発を進めるための緊急資金が必要です。「ソマリアの状況は良くありません」とアイシャは言い、家に帰る為に平和が訪れることを望んでいます。「私が望むものは、子どもたちが学校に通えるような、ましな暮らしです。しかし、本来の生活はソマリアにあります。全てアッラーの思し召しですが、私たちがいつか家に戻れる日が来るでしょう。」
Diana Diaz

原文はこちら(英文)
Hungry and desperate, thousands of Somalis trek to Ethiopia

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