実践例:通信制高校における「いのちの持ち物けんさ」

公開日 : 2017-12-25

2017年11月30日、KTC中央高等学院 東京キャンパスで、「いのちの持ち物けんさ」ワークショップを学生団体SOARの西山と島袋が実施してきました。
高校生に加え、日本語学校の留学生と一緒に行う新鮮で有意義な時間となりました。
以下、ワークショップを主導した西山からの実践報告です。

【KTC中央高等学院 東京キャンパス 実践報告】  

留学生 KTC 出張授業

2017年11月30日にKTC中央高等学院 東京キャンパスにて「いのちの持ち物けんさ」を実施させていただきました。
KTC中央高等学院は、通信制の高等学校で一人一人の個性やスタイルを尊重して活かすことのできるとてものびのびとした学校です。
グローバルな教育やキャリア教育にも力を入れておられ、生徒の方々が自分の興味のあること、やりたいことができる環境が整っていました。

今回授業に参加してくださったのは、KTC中央高等学院の生徒20名と日本語学校に通う留学生約30名のみなさんです。
留学生もグループに交えることにより、日本人だけでなく、違う価値観からの意見を交換できたようで、どのグループも話が弾んでいました。

留学生 KTC 出張授業

『自分にとって大切な物の喪失疑似体験』をした際には、
「なんとなく生活しづらい」
「生きてられない」
「死にたい」
といった感想がありました。
「携帯電話やメイクがなくなったら何もできない!!」と話す女子生徒さんがいました。
自分にとって、特に高校生なら高校生にとって身近にある大切なものを喪失することで、より難民の人たちの心をイメージし痛みに寄り添うことができたかと思います。
普段は関わることないような内容も多かったと思いますが、話やビデオを食い入るように見聞きしてくれていました。

授業後に感想を書いてもらうと、
「自分がどれほど恵まれているかわかった」
「難民について知らなかったことが知れた」
のほかさまざまな感想がありました。

今回は先生方とお話しして、通常使うワークシートをKTC中央高等学院の生徒のみなさん用にキャンパス長の先生に改良していただいて、授業を行いました。

※改良版ワークシートはこちら

留学生 KTC 出張授業

そこで新しくつくられた質問のうちの一つ、
Q.世界のためにできることは? という質問には、
「何もできない」
「高齢者介護」
「ガールスカウト」
のような意見が出ました。

みなさんの素直な意見に驚くとともに、非常に一人一人が「人を助ける」ということについて考えているなぁ、と感動しました。
「難民」についてのみならず、授業を受けて身近なことに関してでも、「何かしたい」「これはできないけどあれならできるかな?」などと考える「きっかけ作り」にこの授業は少しでも貢献できたかと思います。

留学生 KTC 出張授業

私は高校生のときに、このような学校の外の世界、いわゆる「勉強」以外の「学習」に触れる機会がほとんどないまま大学生になりました。
ただ、生徒のみなさんの反応を見ていて、やっぱり「知る」こと、「感じる」ことは大切だとつくづく感じました。
きっかけは本当に些細なものです。しかし些細なきっかけで、人はアクションを起こしたり、何かに興味を持ってもっと調べたい人に伝えたりすることができます。
これからも「いのちの持ち物けんさ」をはじめ、その他ワークショップをすることで、そのきっかけを作っていきたいと思います。
改めまして関係者及び生徒の皆様方、この度は本当にありがとうございました!

西山

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