バングラデシュに設けられた新たなサイトに新しい家を建てるロヒンギャ難民
これまでに1700人以上の人が、クトゥパロン拡張地に新たに移住しました
公開日 : 2017-11-22
クトゥパロン拡張地(バングラデシュ)2017年10月27日 ― ナージュ・ミヤの家族は、この2か月にわたり、常に移動を繰り返してきました。ミャンマー北部のラカイン州での暴力から逃れるため、森の中、浜辺、モスクや学校で寝ることもありました。
60歳の長老は、8月下旬にマウンドーを出てから、自分の家が燃やされ、甥が銃殺され、たくさんの残虐行為がなされるのを見ました。彼の15歳の娘のヤスミンは思い起こします。「私たちはこれまでたくさんの問題に直面しました。行き場所がなく、常に体調も悪かったです。」
8人の親戚を含む家族は22日の週、OOと呼ばれている場所にようやく新しい家を見つけました。この地域は3,000エーカー以上のクトゥパロン拡張地の一部で、新たに来た人のためにバングラデシュ政府が用意したものです。
ヤスミンと彼女の父親を含む新たな難民1,700人以上は、3日前の火曜日までクトゥパロン難民キャンプの学校で寝泊まりしていました。最終的には、計5,000人が、学校や近くの一時滞在センターから、新たな場所に移される予定です。
「彼らが移動することで、難民の学校を再開させ、一時滞在センターにも新たに来る人々のために場所を確保することができます」と、コックスバザールのルイス・オービンUNHCR上級緊急調整官は言います。「新たにここに移住してくる人々に適切な避難所を提供するために、場所の確保が最大の課題です。」

UNHCRは、バングラデシュ当局と共に、コミュニティセンター、保険ポスト、学校や子ども向けのスペースを含む公共施設をつくる計画を進めています。また、UNHCRはパートナー団体と共に仮説トイレや井戸を建設し、基本的な衛生基準を確保することにも努めています。UNHCRは、ロヒンギャ難民のキャンプへのアクセスの改善と、より迅速な物資の輸送のための連絡道路の建設に、200万米ドルを提供しました。
ボランティアは最も脆弱な難民の荷物を新たなサイトへ運ぶ手伝いをしてきました。OOゾーンには、地元のNGO団体であるGonoshasthaya Kendraが医療面の支援をし、Action Against Hunger(飢餓に対する行動)が食糧を提供しています。そして、セーブ・ザ・チルドレンが、脆弱な立場にいる難民のための仮設住宅の建設のために労働者を動員し、UNHCRはビニールシート、竹の柱やロープを含む住居キットを配布しています。
ナージュ・ミヤは土地の低木を処理しましたが、実際に仮設住宅を建てるまでの重労働をできずにいました。彼の子ども達や2人の姪と3人の若い子ども達ができることをし、派遣された労働者の助けを借りることができたことに感謝しました。
「今、とても幸せです。自由になった鳥の気分です!」

建設が進行中、彼らは簡易ストーブを作り、魚の干物とごはんをつくりました。赤ん坊でさえも、まわりの明るい雰囲気を感じ取って笑っていました。
UNHCRの防水シートの下で休憩をしながら、ヤスミンはお茶目な笑顔を見せました。「今は幸せです。ここは天気もいいですし、私たち専用のスペースがあります。自由になった鳥の気分です!」
暴力や過酷な旅を経験したにも関わらず、彼女は、マウンドーの自分の家や友達を想って泣くことがあるといいます。
いつか故郷に戻るつもりかと聞かれると、彼女の21歳の従妹は、「現在の状況が改善し、ミャンマー政府が私たちに自由とアイデンティティー、そしてミャンマーの市民と同じ権利を与えるのなら、私たちは故郷に帰ります。」
この2か月で、60万5,000人の難民がミャンマーからバングラデシュに到着したとみられています。
Vivian Tan
原文はこちら(英文)
Rohingya refugees build new homes on new site in Bangladesh
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