アイラン・クルディ君の溺死事故以来、地中海での犠牲者数は上昇

2016年に入っても溺死事故件数は増える一方で、地中海を渡ろうとする人々の記録史上過去最悪となっています

公開日 : 2016-09-06

終わらない悲劇

ジュネーブ(スイス)、2016年9月2日 ― 2015年9月2日、シリア人の男児アイラン・クルディ君の小さな遺体がトルコの海岸に打ち上げられた写真は世界中の注目を集め、安全を求めて必死でヨーロッパを目指す何千人もの難民が体験した恐ろしい危険と計り知れない喪失が明らかになりました。

不幸なことにその後、地中海を渡って逃げてくる難民が直面する危険は悪化する一方です。UNHCRはアイラン君の死以降、4,176人が地中海で死亡もしくは行方不明になっていると推定し、過去12か月で毎日平均11人の男女や子どもたちが亡くなっていると推測しています。

2016年9月2日金曜日、UNHCRのウィリアム・スピンドラー報道官はジュネーブで記者会見を行い、2016年に入ってこれまでの溺死事故件数は増える一方で、海を渡ろうとする人々の記録史上過去最悪である、と述べました。

「アイラン君の死はかつてないほどにヨーロッパにいる難民への同情と団結をもたらしました」

2016年の初めの8か月で28万1,740人もの人々がヨーロッパまで海を渡ってきています。
EU・トルコ条約、そしていわゆるバルカン航路の閉鎖により、ギリシャにたどり着く難民・移民の数は1月の6万7,000人から8月には3,437人と大幅に減少しています。

増え続ける犠牲者

一方でイタリアへは、多かれ少なかれ一定数の人々が到着し、2015年の同じ時期の11万6,000人と比べると8月末には11万5,000人の難民と移民がたどり着いています。

「しかしながら、主な変化は犠牲者の数です。2015年は、北アフリカからイタリアに渡ってくる人のうち52人に1人が犠牲になっていたのに対し、2016年はこれまでに42人に1人が亡くなっています」と、スピンドラー報道官はジュネーブのパレ・デ・ナシオンでの会見で記者に述べました。

「2016年はこれまでのところ、中央地中海での記録史上過去最悪になります。リビアからイタリアまでの航路で死亡する確率は、トルコからギリシャへ渡るときよりも高くなります」と彼はつけ加えました。

スピンドラー報道官は、この数は「例えば第三国定住、民間のスポンサーシップ、家族の統合、さらに学生への奨学金制度などを活用することで危険な旅や密航業者に頼る必要がなくなるとして、各国へ難民を受け入れるための道筋を増やす緊急性」を示していると述べました。

「過去12か月で毎日平均11人の男女、そして子どもたちが亡くなっています」

アイラン・クルディ君の死はかつてないほどにヨーロッパにいる難民への同情と団結をもたらし、沢山の人々がボランティアとして助け、自発的に食料や水、衣服を与え、家に迎え入れようとする人でさえいます。

このような個人の団結行動を記録し強調するために、UNHCRと写真家のオーブレイ・ウェイドは、オーストリア、ドイツ、そしてスウェーデンで難民を迎え入れる家庭の写真の撮影を進めてきました。

難民受け入れの課題

2015年、ヨーロッパへの百万人もの難民と移民の到着は、受け入れ先での対立と緊張をも生みました。難民と移民は人種差別や外国嫌悪の攻撃、偏見と差別に苦しんでいます。

この努力の中で、UNHCRは各国政府や各国のパートナーに包括的な国民統合計画の進展・遂行への貢献を強く求めています。難民がもたらす新しい社会への様々な貢献が認識されなければなりません。

原文はこちら(英文)

Since Alan Kurdi drowned, Mediterranean deaths have soared

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