和平のはじまり~世界最多の国内避難民を抱えるコロンビアの行方~

先日、同国の国内避難民のコミュニティを訪れたフィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官。和平の実現に向けてコロンビアへの支援を世界に訴えた

公開日 : 2016-08-19

いま世界でもっとも多くの国内避難民を抱えている国、南米のコロンビア。同国では50年にわたる内紛に多くの国民が巻き込まれて現在も約700万人が国内で避難生活を送り、昨年も11万3,700人が新たに避難民になったことが報告されています。

そんななか、今年6月に長年対立し続けてきたコロンビア政府とコロンビア革命軍(FARC)が和平のプロセスに入ったことは、国内避難民の極限に近い暮らしを大きく変える可能性を秘めています。実際に、すでに避難民の保護や彼らへの賠償金の支払いに向けた法整備が行われました。頻発する戦闘や残虐行為を逃れて国内を転々とする生活や、医療や教育などの公的サービスのない不安定な暮らしに、ようやく終わりが見えようとしているのです。

人生の大半を国内避難民として暮らすということ

シングルマザーとして4人の子どもを育てるマリベスの人生も、その大半が避難生活でした。7つの頃に故郷の村が武装集団に襲われ、目の前で母親と姉を失いました、そして避難先の生活も平穏な暮らしとは程遠く、電気も水道もない地域でなんとか生活を営んできました

それでも彼女は笑顔を忘れていません。彼女の情熱は、踊ること。

「踊っているとき、私は自分が自由であると感じることができるのです。そして、まるで別世界にいるかのように感じるのです」。

マリベスと家族
マリベスと子どもたち、そして猫。小さな部屋で肩を寄せ合って暮らしている

今にも壊れそうな家々が軒を連ねる小さなストリートで彼女は今日も子どもたちにダンスを教えています。そして、マリべスにはほかにも夢があります。いつかどこかで、ふるさとチョコ県の味を提供するレストランを持つことを夢見ているのです。

マリべスと同じく、同国で長年避難生活を送ってきた男性は言います。「この22年間で4回、家を追われました。国中を転々とし、さまざまな暴力や残虐行為を経験してきました。私たちが求めているのは、今より少しよい暮らしをすること、仕事と生活できる土地を少し持つことだけなのです」。

彼らは皆、長く続く厳しい暮らしの中でも、ささやかな夢や願いを胸に、ひたむきに生きています。

和平に向け大きく前進し、国内避難民の暮らしにようやく光が見え始めたコロンビア。しかし、その道のりは、決して平坦ではありません。半世紀以上続いた混乱が生み出した膨大な数の避難民に安全な住居や自立した生活を営むための仕事を確保することには、大変な難しさが伴います。だからこそ和平のプロセスに入った今、国際社会が一体となり、彼らが安心して暮らせる日まで支援し続けていくことが、ますます重要になってくるのです。UNHCRは、彼らが基本的な権利を享受し、私達の誰もが送っているような普通の日常を手に入れることができるよう支援を続けていきます。コロンビアの国内避難民が一日も早く平穏な暮らしを手に入れられるよう、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

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